商業登記関係 会社・法人登記の申請期限である2週間はいつまで?期限を過ぎたら登記申請できない?
会社登記、法人登記の申請期限
株式会社と合同会社の登記事項に変更が生じたときは、その変更が生じたときから2週間以内に、その変更登記を申請しなければなりません(会社法第915条1項)。
(変更の登記)
会社法第915条1項会社において第911条第3項各号又は前3条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、2週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
登記事項に変更が生じたときとは、会社名が変わった、本店を移転した、役員が変わった、資本金が増えた等のことを指します。
一般社団法人、一般財団法人にも申請期限がある
一般社団法人と一般財団法人にも登記申請の期限があり、その登記事項に変更が生じたときは、その変更が生じたときから2週間以内に、その変更登記を申請しなければなりません(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第303条)。
(変更の登記)
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第303条一般社団法人等において第301条第2項各号又は前条第2項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、2週間以内に、その主たる事務所の所在地において、変更の登記をしなければならない。
登記事項に変更が生じたときとは、法人名が変わった、主たる事務所を移転した、役員が変わった等のことを指します。
2週間の計算方法
登記の申請期限である「2週間以内」とは、具体的にはいつまででしょうか。
平成31年4月1日(月)の10:00に株主総会を開催し、取締役を選任(+即時就任)したときは、起算日が平成31年4月2日(火)(初日不算入)となり、満了日は4月15日(月)となります。
平成31年4月1日(月)の10:00に株主総会を開催し、取締役を選任したけれども選任された取締役がその株主総会内で、平成31年4月2日付で就任を承諾すると言った場合は、起算日が平成31年4月2日(火)(初日算入)となり、満了日は4月15日(月)となります。
平成31年3月31日(日)の10:00に株主総会を開催し、取締役を選任したけれども選任された取締役がその株主総会内で、平成31年4月1日付で就任を承諾すると言った場合はどうなるでしょうか。
この場合は、起算日が平成31年4月1日(月)(初日算入)となり、満了日は4月14日(日)となりそうですが、満了日が日曜日の場合は翌日に期間が満了しますので(民法第142条)、満了日は4月15日(月)となります。
期限のスタートの例外
募集株式の発行において、払込期間を定めたときは、当該期間の途中に払込みがあった場合であっても、当該期間の末日から2週間以内に当該募集株式の発行に関する登記を申請すれば足ります(会社法第915条2項)。
また、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月の当該末日から2週間以内にすれば足ります(会社法第915条3項)。
- 新株予約権の行使
- 取得請求権付株式の行使
支店の所在地における登記の申請期限は?
支店の所在地における登記は廃止されましたので、支店の所在地における登記は不要です(できません)。
申請期限を過ぎたらどうなる?
登記の申請期限を守らなかった場合は、会社法違反に該当しますので、100万円以下の過料の対象となります(会社法第976条1項)。
実務上は、申請期限から1-2ヶ月程度過ぎてしまった後に登記申請をしても、過料が課されたという話は聞いたことがありません(なお、絶対に過料が課されないということを意味するものではありません)。
登記懈怠の期間が長くなれば長くなるほど、過料が課させる可能性・課される金額ともに大きくなる印象です。
申請期限を過ぎたら登記申請できない?
登記の申請期限を過ぎてしまったとしても、登記の申請をできなくなるということはありません。
例えば、登記申請の期限が3年過ぎてしまっている会社において、登記申請をすると登記懈怠がバレてしまう、、、と考えていても懈怠の期間が長くなっていくだけであり、状況は悪化していくだけと言えます。
登記申請の期限を過ぎてしまっている状態にある会社・法人がすべきことは、1日でも早く登記申請をしてしまうことです。
登記に関するお悩みは、登記の専門家である司法書士にご相談ください。
登記手続きは司法書士に任せてしまい、貴重なお時間は本業に使っていただけますと幸いです。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。