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RSM汐留パートナーズ・ニュースレター 2026年1月号

RSM汐留パートナーズ・ニュースレター 2026年1月号

ニュースレター
2026年1月7日 5 min. read

令和8年度税制改正のポイント①、被扶養者認定の新ルール、最近の入管制度の動き

日頃よりお世話になっております。RSM汐留パートナーズです。今月のニュースレターでは、税理士法人より「令和8年度税制改正のポイント①」、社会保険労務士法人より「被扶養者認定の新ルール」、行政書士法人より「最近の入管制度の動き」についてお届けいたします。

税理士法人では令和8年度税制改正大綱における法人課税の注目論点について、社会保険労務士法人では2026年4月から適用される被扶養者認定の新ルールを企業実務の観点から、行政書士法人では2025年10月の「経営・管理」に係る基準省令改正後の制度・運用の変化を踏まえた入管の最新動向について、それぞれ解説しています。今月のニュースレターも、日々の実務にぜひお役立てください。
 

はじめに

2025年12月19日、2026年度税制改正大綱が公表されました。今回から2回に渡り、その中で注目度が高い論点を取り上げます。今回は法人に関わる主要な論点を見ていきます。

特定生産性向上設備等投資促進税制の創設

企業の大胆な設備投資を後押しするため、「特定生産性向上設備等投資促進税制」が新設されます。産業競争力強化法に基づき、経済産業大臣の確認を受けた設備投資計画に従い、一定規模以上の生産性向上設備等を取得・事業供用した場合、即時償却又は税額控除の選択適用が可能となります。対象資産は、機械装置、器具備品、建物、建物附属設備、構築物、ソフトウエア等で、産業競争力強化法の改正法の施行日から2029年3月31日までの間に経済産業大臣の確認を受けた投資計画に基づくものとされています。税額控除率は、機械装置等が7%、建物等が4%で、控除限度額は法人税額の20%、控除限度超過額は3年間繰越可能です。投資規模要件は原則35億円以上(中小企業者等は5億円以上)とされ、加えて投資利益率(ROI)15%以上や取締役会等による意思決定といった要件も課されており、成長投資を明確に意識した制度設計となっています。

賃上げ促進税制の見直しと廃止時期の整理

賃上げ促進税制については、近年の賃金上昇局面を踏まえ、大幅な整理が行われます。大企業向け措置は、2026年3月31日までに開始する事業年度をもって廃止されます。中堅企業向け措置は、2026年度に限り賃金増加率要件を引き上げた上で、2027年3月31日までに開始する事業年度をもって廃止される予定です。一方、中小企業向け措置は、2026年度には制度自体は維持されますが、教育訓練費を増加させた場合の税額控除上乗せ措置については、企業規模を問わず廃止されます。賃上げ率要件のみが評価対象となる点には留意が必要です。制度適用を検討する企業は、対象となる最終年度を正確に把握する必要があります。

中小企業の少額減価償却資産特例の見直し

中小企業者等に認められている少額減価償却資産の特例については、取得価額要件が30万円未満から40万円未満に引き上げられ、適用期限が3年間延長されます。年間取得限度額300万円は維持され、物価上昇を踏まえた実務面での利便性向上が図られています。

インボイス制度に係る経過措置の見直し

インボイス制度では、免税事業者からの課税仕入れに係る仕入税額控除の経過措置が段階的に縮減されます。控除割合は2026年10月以降70%、その後50%、30%と引き下げられ、2031年9月末をもって終了する方針とされました。また、年間仕入額が1億円を超える場合、その超過部分には経過措置が適用されません。経過措置に依存した取引形態は見直しを迫られる局面に入ったといえます。

おわりに

2026年度税制改正大綱では、成長投資を促進する制度と、経過措置の整理が並行して進められています。各制度の適用期限や要件を把握し、事業計画や実務対応に反映させることが重要です。ご不明点等ございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。
 

被扶養者認定の新ルール

被扶養者の認定については、「年収130万円の壁」を意識した就業調整との関係から、実務上の判断が難しい場面が多く見られました。特に、時間外労働や臨時的な収入の扱いをどのように判断するかについては、企業・従業員双方にとって分かりにくい点が少なくありませんでした。こうした状況を踏まえ、厚生労働省は、労働契約内容から年間収入が基準額未満である場合の取扱いについて整理を行いました。本ニュースレターでは、2026年4月1日から適用される被扶養者認定の新ルールについて、企業実務の観点からポイントを解説します。

制度の概要

被扶養者認定における「年間収入」は、これまで過去・現在・将来の収入見込みを総合的に勘案して判断されてきました。今回の新たな取扱いでは、労働条件通知書等により確認できる賃金を基に算出した年間収入が130万円未満である場合には、原則として被扶養者に該当するものとして取り扱うことが明確化されています。この際、労働契約上あらかじめ金額を見込むことができない時間外労働に対する賃金などは、年間収入の算定には含めないとされており、被扶養者認定の予見可能性を高める内容となっています。

実務上のポイント

被扶養者認定を行う際には、労働条件通知書等の提出を受け、時給、労働時間、労働日数などから年間収入の見込額を確認することになります。また、認定対象者本人から「給与収入のみである」旨の申立てを求める運用が想定されています。
さらに、労働契約の更新や労働条件の変更があった場合には、その内容に基づき、被扶養者該当性を改めて確認する必要があります。一方で、認定後に臨時的な収入が発生し、結果として年収が130万円以上となった場合であっても、その収入が社会通念上妥当な範囲にとどまる場合には、直ちに被扶養者から外す必要はないとされています。

本取扱いは、2026年4月1日以降に行う被扶養者認定から適用されます。今後は、パート・アルバイト等の雇用において、労働条件通知書の記載内容が被扶養者認定に直接影響する点に留意が必要です。また、従業員から扶養に関する相談を受けた際には、労働契約内容を踏まえた丁寧な説明が求められるため、人事・労務部門における理解と情報整理が重要となります。

おわりに

今回の見直しにより、被扶養者認定の判断基準が整理され、実務の予見可能性は一定程度高まると考えられます。一方で、労働契約管理や社内説明の重要性はこれまで以上に高まっています。当法人では、被扶養者認定に関する実務対応の整理や社内運用の見直しについてもサポートを行っております。制度対応に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。
 

はじめに

2025年10月16日、「経営・管理」に係る基準省令(「経営・管理」の基準を定める省令)が改正されましたが、これを前後に法律や運用の変化が活発になってきております。今回は最新の入管の動向についてご紹介させていただきます。

ガイドラインの変更

出入国在留管理庁が発している「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」が変更され以下の文言が足されました。

  1. 長期間にわたる再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)がある場合についても、正当な理由がある場合を除き、消極的な要素として評価されます。
  2. 国民健康保険料など、法令によって納付することとされているものについて、高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も、悪質なものと同様に取り扱います。

今までは在留期間中に長期に日本を不在にしていた方も許可されていたケースはありましたが、今後はますます厳しくなるようです。また、税金のほか国民健康保険料などの未納等についても消極的事由とさえることが明文化されました。

書類の簡素化

「留学」から「技術・人文知識・国際業務」又は「研究」へ在留資格を変更する場合において以下のいずれかに該当する場合、カテゴリー2と同様の書類提出が可能になりました。

  1. 本邦の大学卒業(予定)者(大学院及び短期大学卒業者を含む。)
  2. 海外の優秀大学卒業者
    以下3つの世界大学ランキング中、2つ以上で上位300位にランクインしている外国の大学が対象です。
    ・QS・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス
    ・THE・ワールド・ユニバーシティ・ランキングス
    ・アカデミック・ランキング・オブ・ワールド・ユニバーシティズ
  3. 「留学」から就労資格への在留資格変更を受けた者を現に受け入れている機関において就労する場合

申請人が希望する在留資格を有する外国人(「留学」の在留資格から変更許可を受けた者に限る。)が当該所属機関に現に雇用されており、同外国人が当該所属機関において就労中に少なくとも1度の在留期間更新許可を受けている場合が対象となります。

高度専門職の審査

法改正や運用の変更ではないですが、実務の現場において高度専門職の審査が厳格化されたような事例があります。例えば前職を離職して取消事由に該当しうる3か月以上付与された活動を行っていないケースや転職の際に本来なら先に高度専門職1号から高度専門職1号への変更申請を行ったあとに新しい職場で就労開始をしなければならないところ、これを怠っていたケースなどにおいて、今までは多少許容されていた部分が厳しくなりました。当然といえば当然の対応ですが、不許可事例が出ておりますので注意が必要です。

その他注意事項

2025年は経営管理の基準等の改正という大きな変化がありました。これを前後として様々な変化が起こっております。このような変化に対して機微に対応することは専門家でなければなかなか難しいところです。

当法人ではありがたいことに多くのご依頼をいただき申請を行っているため、このような変化にも気づくことができ、出入国在留管理庁と調整をとりながら対応しております。何かご質問やご依頼があれば是非ご連絡いただければ幸いです。