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代表司法書士・相続診断士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

【相談事例】共有者の持分を間違って登記してしまったので修正したい。

共有者とその持分

不動産の登記簿には、その不動産が2名以上の人に共有されているときは、その共有者全員の氏名・住所に加えて、各共有者の持分が記載されています。

共有者の持分比率をどのように決定するのかというと、売買であれば購入代金を支払った比率であり、贈与であれば贈与契約によって定めます。

例えば1,000万円の不動産をAさんが900万円、Bさんが100万円それぞれ支出して購入したときは、それぞれの持分は次のとおりとなります。

  • A 10分の9
  • B 10分の1
共有持分が事実と異なる登記をすることができるのか

不動産登記手続きにおいては、書面審査が採用されているため、書面が揃っていれば登記をすることができてしまいます。

例えば上記の例の場合、本当にAさんが900万円、Bさんが100万円を支出したのかどうかの具体的な事実関係の調査(銀行振込をした証拠や金銭を受領した領収書の提出は求められません)までは登記官はしません。

共有持分が事実と異なると何が問題か

事実関係と異なる登記をすることは後で共有者間でも争いを生む原因となる可能性があります。

また、上記の例で次のような登記をしたときは、AからBへ800万円の贈与をしたとみなされてしまい、贈与税が課せられることになってしまいます。

  • A 10分の1
  • B 10分の9

そして、不動産登記簿に虚偽の内容を記載させた場合は、公正証書原本不実記載等(刑法第157条)を構成し得ます。

共有持分を修正する方法

登記簿に記載されている共有持分を事実に即したものに変更・修正する方法として考えられるのは次のとおりです。

所有権更正登記

例えば、登記簿上の共有持分が

  • A 3分の2
  • B 3分の1

であるときに、実際の共有持分が

  • A 持分2分の1
  • B 持分2分の1

  • だった場合、ABの共有にしたときの登記申請が間違っていたことになります。

    間違っていた登記を直す登記のことを更正登記といいます。

    登記申請の内容を間違っていて、その登記申請が受理されてしまったときは、それを修正する方法としてはこの更正登記が次の3つの方法に比べてベターではありますが、更正登記にも難点があり、それは利害関係者の承諾が必要になることです。

    特に、金融機関の抵当権が担保として付いているときは、共有者の更正登記をする際に金融機関の承諾が必要となり、この承諾がネックになるときがあります。

    真正な登記名義の回復

    更正登記が利害関係者の承諾を得られない等の理由によりできないときは、真正な登記名義の回復という方法を用いることになります。

    所有権抹消登記

    一度、現在の共有者が不動産を取得した登記を抹消することもできます。

    所有権の抹消登記をすると、一つ前の所有者が現在の所有者として登記簿に記載されることになり、改めて正しい持分で共有者へ所有権移転登記をすることもできます。

    こうすることで、形の上では正しい共有持分が登記簿上に記載されることになります。

    しかし、改めて所有権移転登記の登録免許税を負担することになり、旧所有者の協力が必要になってしまいます。

    そして、何より不動産の取得に関する事実を登記簿には記載しなければならないところ、所有権抹消登記をするには元々の売買契約や贈与契約等が無効であったことや、合意解除した事実・原因がなければなりません。

    そのため、本件の場合所有権抹消登記は現実的な方法ではありません。

    持分を売買、贈与することもできますが…

    例えば、登記簿上の共有持分が

    • A 3分の2
    • B 3分の1

    であるときに、実際の共有持分が

    • A 持分2分の1
    • B 持分2分の1

    だとした場合、Aがその持分6分の1をBに売却したり、贈与することによっても、登記簿上は事実と同じABがともに2分の1ずつの持分を共有することができます。

    しかし、実際は売却や贈与をしているわけではありませんので、不動産持分を取得した原因(登記原因)が事実とは異なることになってしまいます。

    また、AからBへ持分を売却した形にはしているけれども実際には代金を支払っていないような場合や、贈与をしたときは、贈与税が課税されてしまう可能性があります。

    持分だけではなく、登記原因においても事実と異なる登記はしない方がいいでしょう。

    持分等を修正する登記の期限

    持分等を修正する登記には、いつまでにしなければならないという期限は特に定められていません。

    しかし、贈与税の申告する場合や住宅取得等資金の贈与税の特例を利用する際には、その申告期限との絡みからいつまでにしなければならないという期限があるケースがあります。

    また、「登記原因」にも注意をしないと税務上問題とされることがあります。

    不動産登記は、登記のプロフェッショナルである司法書士に依頼されることをお勧めします。


この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留司法書士事務所では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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