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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株式会社の資本準備金を資本金へ組み入れる

資本準備金を資本金へ組み入れる手続き

資本準備金が計上されるときとして、主に会社設立時や募集株式の発行時に、発起人や募集株式の引受人から払い込まれた金額のうち、資本金に計上されなかった金額が資本準備金に計上されることになります。

資本準備金は、一定の手続きを経て減少させることができ、その減少させた資本準備金の額を資本金や資本剰余金に振り分けることが可能です。

なお、資本準備金だけではなく利益準備金も資本金へ組み入れることができますので、以下併せて単に「準備金」と表現します。

株主総会の決議

準備金の額を減少するには、株主総会の決議によって次の事項を定めます(会社法第448条1項)。

  1. 減少する準備金の額
  2. 減少する準備金の額の全部又は一部を資本金とするときは、その旨及び資本金とする額
  3. 準備金の額の減少がその効力を生ずる日
取締役会の決議(取締役の決定)で足りるとき

準備金の額の減少と募集株式の発行を同時に行う場合において、効力発生日後の準備金の額が、効力発生日前の準備金の額を下回らないときは、株主総会決議に代えて取締役会決議(取締役の決定)で準備金の額を減少することができます(株主総会の決議によっても可能です)(会社法第448条3項)。

資本準備金の額が1,000万円の株式会社において、平成29年11月15日に資本準備金の額を500万円へ減少させようとするときに、同時に平成29年11月15日を払込日とする募集株式の発行を行い、当該募集株式の発行により増加する資本準備金の額が500万円以上であるようなケースです。

債権者保護手続き

準備金の額を減少させるときは、原則として債権者保護手続きが必要です。
≫いわゆるダブル(二重)公告

しかし、次の2つのケースにおいては債権者保護手続きが不要とされています。

  1. 減少する準備金の額全てを資本金へ組み入れる場合
  2. 定時株主総会において準備金減少の決議をするときに、減少する準備金の額が、定時株主総会日時点の(法務省令で定める)欠損の額を超えない場合

なお、「債権者が1人(1社)もいない」は、債権者保護手続きが不要なケースに含まれていませんので、上記1.2.のどちらにも当てはまらないときは、たとえ債権者がいなくても債権者保護手続きが必要です。

資本金の額の変更の登記申請

準備金の資本組み入れを行うと、資本金の額が変更しますので、その効力発生日から2週間以内に資本金の額の変更登記を申請しなければなりません。

この登記申請には次の書類を用意します。

  • 株主総会議事録+株主リスト
  • 上記に代えて取締役会決議(取締役の決定)で行ったときは、取締役会議事録(取締役の決定書)及び会社法第448条3項に該当することを証する書面
  • 準備金の額の計上証明書

この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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