マルタ訪問を通じて感じた、日本・マルタ間の新たな可能性
先月、マルタ共和国にてRSM Maltaのマネージングパートナー、Karen Spiteri Bailey氏とお会いしました。日本・マルタ間の成長戦略やサービス品質の向上、さらにはグローバル市場におけるプレゼンス強化に向け、多角的な意見交換をさせていただきました。そして、現地のチームメンバーとも直接交流し、RSM JapanとRSM Malta間の連携をさらに強化しました。今回の交流は、RSMグローバルネットワークにおける連携の可能性、マルタが持つアドバイザリー拠点としての重要性を再認識するよい機会となりました。
また、マルタ商工会議所では、同会議所メンバーや英語教育・TEFL分野の関係者との会合に出席しました。マルタの優れた教育環境を活かしたエグゼクティブ向けプログラムや専門能力開発、国際的なイマージョン学習の機会に加え、日本・マルタ間における若者の交流やワーキングホリデーの可能性についても議論を深めることができ、大変有意義な時間となりました。
日本とマルタは国交樹立60周年という節目を迎えました。EU加盟国としての機動力、英語環境、そして多様な人材というこの国の強みは、日本企業にとっても多くの示唆に富んでいます。
特に印象的だったのは、「パスポート=移動の自由」に留まらず、「どの経済圏に属するか」が個人や企業の選択肢を劇的に広げるという視点です。EUという枠組みの中でビジネスを展開する意義を、改めて実感できました。
グローバル展開が前提となる時代において、地理的条件や制度をどう戦略的に捉えるか。日本国内に留まっていては見えにくい視点を、現地の体験を通じて得ることができました。この知見を今後の自社戦略やクライアント支援に最大限に活かしてまいります。

加速する会計事務所のロールアップ買収:グローバルトレンドと戦略的選択肢
2015年から2025年にかけて、世界では177件のプラットフォーム投資を端緒に875件のロールアップ買収が行われ、累計1,052件の会計事務所取引に波及しています。現在、会計業界ではPE主導による業界再編が着実に進み、その動きは年々存在感を増している状況です。
この潮流は米国や英国を中心に広がってきましたが、足元では欧州、豪州、さらには新興国を含む多国間へと波及しています。先日、懇意にさせていただいている経営者の方との情報交換の中で、日本市場における同様の打診についても伺いました。具体的な進展には至らなかったようですが、PEがどのようなスキームで参入を画策しているのか、その動向を把握しておくことは極めて重要だと感じます。
プロフェッショナルファームの成長を考えるうえで、外部資本の活用は今や一つの現実的な選択肢になりつつあります。もちろん、すべての法人に適した手段であるとは限りませんが、こうした世界的なトレンドを正しく理解し、自らの経営のあり方と照らし合わせて捉えることは、今後の経営戦略を構築する上で欠かせない要素と言えるでしょう。
一方で、急進的な利益追求の影で、不正やハラスメントが社会問題化している現実も見過ごすことはできません。成長のスピードや規模だけが評価されるのではなく、その過程において組織の健全性や倫理観が保たれているかどうかも、これまで以上に問われる時代になっているように思います。単なる数字上の成長にとどまらず、ステイクホルダー全員のウェルビーイングが確保された、真に健全な業界の発展を願ってやみません。
資本の力と人の心が調和する、新しい時代のプロフェッショナルファームのあり方を、これからも丁寧に模索し続けていきたいと考えています。

意思決定の解像度が変わる。MBAで得た「経営の視座」
働きながらMBAに通って一番良かったこと。それは、公認会計士・税理士としての「士業の視点」に、「経営者としての視点」を掛け合わせることができた点にあります。
財務や税務という武器に、戦略、組織、マーケティング、リーダーシップといった経営のフレームワークが加わったことで、意思決定の解像度が大きく上がりました。2年間、必死に食らいついて海外のトレンドやESG、ファミリービジネスなども学びました。正直、車が買えるくらいの投資でしたが、海外MBAに比べれば安価ですし、それ以上のリターンがあったと感じています。
最近、知人の税理士がKBS(慶応ビジネススクール)に、部下がWBS(早稲田ビジネススクール)に合格しました。これは本当に嬉しいことです。MBAは「誰と学ぶか、誰から学ぶか」がとても大事。仕事と勉強の往復は簡単ではありませんが、あの時踏ん張ったからこそ、今の自分があります。
ESG、国際、AIなど、経営課題はますます複雑になる昨今ですが、大きな責務こそ成長のチャンスになります。「あの人には専門知識では勝てない」と思うような、キレキレの同業者は世の中にたくさんいます。しかし、専門性だけで勝負し続けるのは、クライアントのレベルが上がるほど難しくなるのも事実。
だからこそ、教育やチームビルディング、あるいは「経営者の良き理解者」といった、少し違う領域で自分の価値を出したい人にとって、MBAは最高の選択肢になります。私自身も、かつては同じ悩みを持っていました。
監査法人や中小企業向けの事務所にいると、大企業の人との繋がりは限定的になりがちです。MBAに行けば、一流企業のリーダー候補たちと最高の関係が築けます。これは一生の宝物です。これからもおすすめしていきたいと思います。

女性が「組織の顔」として輝く会計の世界へ
国際会議に足を運ぶと、大手組織のパートナーや代表が女性であることは、今や世界では珍しいことではありません。日本初の女性首相が誕生し、社会のあり方が大きく変わろうとしている今、会計士(JCPA/USCPA)のキャリアについて改めて考えてみました。
日本では依然として男性比率の高い会計業界ですが、世界に目を向ければ女性が第一線で活躍している国は数多く存在します。特に英語を武器にできる女性会計士は、キャリアの選択肢を劇的に広げることが可能です。
1.「英語×専門性」が生む高い付加価値
国際税務、海外進出支援、国際監査といった英語を要する案件は、専門性が高く、それに比例して報酬水準も上がります。特にスピーキングやリスニングのスキルがあれば、国内案件では出会えないようなグローバルなプロジェクトに携わることができます。
2.「公私のバランス」を尊重するグローバルな職場文化
欧米の会計業界では、ワークライフバランスを重視する文化が根付いています。リモートワークでも成果で正当に評価されるため、ライフステージの変化に柔軟に対応しながらキャリアを継続できます。英語ができれば、日本にいながらにしてこうしたグローバル基準の働き方を享受できるチャンスが広がります。
3.語学への適応力という強み
言語学の研究によれば、音声や語彙の記憶といった言語習得において、女性は高い適応力を示す傾向があると言われています(例:英国ケンブリッジ大学言語学部の研究では、言語習得における「音声・語彙記憶」の面で女性が優位という結果)。この潜在的な強みは、グローバルに活躍する上で大きなアドバンテージとなります。
4.リーダーとして輝く世界の女性会計士たち
米国公認会計士協会(AICPA)の統計では、女性のパートナー・ディレクター比率は約30%に達します。英国勅許会計士協会(ICAEW)でもメンバーの半数近くが女性であり、管理職登用も一般的です。「専門性×英語」という両輪を持てば、日本においても同様のキャリアパスは確実に拓けるはずです。
英語は、女性会計士にとって可能性を最大化させる最強の味方です。働く場所、関わる人、そして報酬。それらを自分の意志で選択し、自由な生き方を手にする。世界で活躍するリーダーたちのように、日本でも「会計×英語」を武器に輝く女性がますます増えていくことを確信しています。
日本の会計業界が、多様な個性がより自由に、より力強く羽ばたける場となることを願ってやみません。

活躍する人に共通する、感覚のバランス
一定規模以上の事務所の代表と話すと、皆さん本当に、人望や人間力、信義則、そして何よりバランス感覚を備えていると感じます。最近ご一緒させていただいている先生方も例外なく魅力的で、学ぶことが多く、できることならずっとご一緒したいと思うほどです。
その延長で思うのが、会計士CEOや会計士CFOの皆さまが活躍されている理由です。並外れた士業としての能力というより、ビジネスマンとしての総合力と感覚のバランスが際立っている。ここが大きな差を生んでいるように見えます。
何事にも両方の側面があります。10点取っても11点取られれば試合に負ける。勝ちにいくとは、どこか一つを突出させるだけでなく、全体の最適を見て配分できることでもあります。そうしたバランス感覚は、組織においても個人においても重要な要素だと思います。
同じことは、対人関係やビジネスの現場でも当てはまります。権利主張が強すぎると、長期的な信頼関係を築くうえでは不利に働くことがある。二者間において、それが個人同士であっても、法人と個人であっても、良好な関係を長続きさせるには、ギブ・アンド・テイクの精神とバランス感覚が欠かせません。
監査法人の世界でも、この傾向はよりはっきりしてきたように思います。昔は一芸に秀でた人でもパートナーになれましたが、今は総合力が求められ、優れた感覚バランスを持っている人でないと昇進が難しい時代です。加えて英語力や人格まで求められる。だからこそ、仕事でBig4の若いパートナーに会うと、自然と尊敬の眼差しになります。
一芸の鋭さにバランス感覚が加わることで、ビジネスマンとしての総合力が増し、信頼が長続きしていくのだと思います。

プロバスケットボールリーグ B.LEAGUE 所属「レバンガ北海道」とコーポレートサポートパートナー契約締結のお知らせ
- 2025.11.10
- 公認会計士・税理士, ビジネスの話, IR・メディア・お知らせ
2025年11月10日、B.LEAGUE所属のプロバスケットボールクラブ「レバンガ北海道」と、RSM汐留パートナーズ株式会社は、コーポレートサポートパートナー契約を締結しました。
昨日は札幌でホームゲームを観戦し、現場の熱量を肌で感じることができました。
RSM汐留パートナーズは“専門性で支えるスポンサー”という新しいモデルの確立を目指します。単なる協賛にとどまらず、バックオフィス面からクラブ運営の土台に寄り添います。会計・税務、人事・労務、法務、内部統制、ESGなど、当社の強みを生かした支援により、選手・スタッフが競技に専念できる環境づくりを後押しします。
これらの取り組みを通じて、運営効率の向上とクラブの持続的成長を実現し、「経営×人(選手・スタッフ)」を起点とするパートナーシップを推進してまいります。
Webサイト:https://shiodome.co.jp/news/46977/

労働分配率から考える経営の姿
- 2025.09.10
- 公認会計士・税理士, 会食・交流会・セミナー, ビジネスの話
税理士法人の経営者同士の勉強会では、労働分配率が話題にのぼることが多くあります。その際、税理士法人によって代表者の報酬の多寡が大きく異なるため、労働分配率(社会保険料・賞与を含み、代表者報酬は含まない)がよく話題になります。
規模にもよりますが、100人以上の事務所で考えると、理想は50〜60%程度とされているように感じるのですが、弊社の連結ベースでは代表者報酬も含め65%ほどという感覚です。それでも高すぎるとは感じていませんが、税理士法人全体で見ればどうも高い方に位置されるように感じます(私の代表者報酬が高いということはございません笑)。
この点について実はずっともやもやしていました。このもやもやについて、Big4監査法人の損益計算書(P/L)を眺めて電卓を叩き労働分配率を計算し、遅ればせながら自分の中で整理がついてきまして、霧が晴れてきました。日本のBig4監査法人の労働分配率(2023/24期、パートナー役員報酬含む)は62〜74%ほどです。この差は、パートナーの取り分が役員報酬とされてP/Lの販管費に含めているのか、税引後当期純利益からの配当とするかの違いだと理解しています。これはP/Lに表れる利益の厚薄の差からも読み取れます。
私は、役職員を「会社に人生の時間を投資しているオーナー」と捉え、配当的な意味合いも含めて賞与で還元しています。その結果として労働分配率は高めなのですが、ワンストップファームとして規模が拡大する中ではむしろ自然な形かなと思っています。高すぎても未来への投資余力や強固な財務基盤を確保できないので、バランスを取りながら経営を行うことが重要であるのは言うまでもありません。明確な指標がないものの極めて大切なこのポイントについて、経営者としての感度を常に研ぎ澄ましていきたいと思います。
課外活動のすすめ
Big4の監査法人にいると、自分次第ですが課外活動のチャンスはたくさんあります。最近は皆忙しすぎてそれどころではないのよと言われてしまいそうですが…。
その監査法人にずっと勤めるかどうかはさておき、公認会計士として30-40年以上の長いキャリアを歩む中で、先輩・同期・後輩・顧客との関係を良好に保つことは本当に重要です。
なぜなら、思っている以上にこの業界は狭いからです。公認会計士は間に1人入るとほぼ皆繋がっているとよく言われます。もちろん、海外にまで目を向ければ広い世界ですから、多少国内でこじらせても海外に出ちゃえば大丈夫かもしれませんが。
大手監査法人の名刺を持っているうちは絶好のチャンスです。たとえ準会員であっても名刺一つで軽んじられることはないでしょうし、銀行・証券会社・VC・PEファンド・弁護士・税理士・医師など、さまざまな分野のプロフェッショナルと接点を持てる可能性が一気に広がります。
いずれにせよ、皆が求めているのは長く信頼できる付き合いだと思います。だからこそこの環境を最大限に活かして、良い関係性を構築していくことが、将来の成功に繋がります。監査法人の最初の5年10年の努力でその後も楽にいけるとまでは言いませんが、必ず役に立つと思います。
本業だけでなく、人脈づくりや異業種との交流など、名刺一枚で広がる世界があります。飲み会の幹事を努めるなどもおすすめです。この業界はシャイな人も多いかもしれませんが、どなたかの参考になれば幸いです。

【AI→AGI時代と士業事務所の生き残り】
AIは既に会計・監査・税務・人事・労務・法務などの領域でとても浸透してきていますが、今後数年で登場するかもしれないAGI(Artificial General Intelligence:汎用人工知能)は、我々士業、例えば公認会計士、税理士、社会保険労務士、司法書士、行政書士などの仕事を根底から変える存在になりそうです。
今のAIは、データ分析、帳簿記帳、税額計算、給与計算、社会保険手続きなど、定型業務を高速で処理する特化型AIです。これでもインパクトは大きいのですが、これから海外で台頭してきそうなAGIというものは
- 法改正を自動ですべてリアルタイムでキャッチアップし
- 顧問先の過去の決算や業種特性を踏まえて
- 最適な組織体系、節税対策、人事制度設計などをどんどん提案し
- 状況に応じて説明のトーンや言語まで自由自在に調整できる…
つまり、士業事務所の中堅からベテラン職員レベルの判断や提案までもを、当然ながら24時間365日休まず行う存在になります。
これにより、例えば
- 会計帳簿・決算書・申告書のレビュー
- 雇用契約書や就業規則をはじめとする規程のドラフト作成
- 日本進出企業や海外進出企業への多言語支援
- 世界中の法制度を理解した上で最適な各種提案
- グループ内組織再編の設計など
従来専門家がやるべきとされてきた領域もますますAGIがカバーしていきます。業法とライセンスの問題はありますが。AGIについて引き続きものすごい脅威を感じながらも、ビジネスにうまく活用できればチャンスになりそうです。
その先にはASI(Artificial Super Intelligence:超人工知能)もあるようで、個人的にはとてもワクワクしています。こういう情報について海外から早めに得られるようになっているのは私にとって大きいです。
結局のところAI台頭時代においても言われますが、柔軟にこれらを使いこなせるスキル、創造力やコミュニケーション能力、体力や精神力(やりきる力)など、人間力・人間的な魅力のある者以外は活躍が難しくなるということだと理解しています。
AIの進化を脅威として恐れるのではなく、柔軟に受け入れ活用し、人間ならではの力を磨き続けることこそが、これからの士業に求められる姿勢だと強く感じています。

仙台事務所開設
- 2025.05.01
- 公認会計士・税理士, IR・メディア・お知らせ
このたび、RSM汐留パートナーズ株式会社は2025年5月1日付で仙台事務所を開設いたしました。新拠点はアクセス性や利便性に優れた仙台駅近くのエリアに構えており、今後の業務拡大に向けた重要な第一歩となります。
当面は大阪や福岡と同様、コワーキングスペースを拠点とした柔軟な運営形態でのスタートとなりますが、東北エリアでの採用状況や業務ニーズを踏まえ、必要に応じてオフィス形態の見直しも検討してまいります。
仙台事務所の立ち上げを機に、東北地域の皆さまとともに、首都圏および海外クライアントへの支援体制をさらに強化していく所存です。今後は会計税務・コンサルティング分野の人材採用にも注力し、仙台からグローバルに挑戦したい方の応募も歓迎いたします。
引き続き、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
https://shiodome.co.jp/sendai/

