欧米と日本のパートナーの比較
欧米のパートナーの過酷さを見聞きするとそれはもうすごいです。弊社のパートナーは誰もが耐えられないでしょうし、私ですら白旗をあげるかもしれません。ゆえにどんどん売上が増加していくのでしょう。最低でもパートナーは数億・十数億円の売上と10人以上のメンバーを抱えているように感じます。
一方それでは会社が壊れ仲間が仲間でなくなってしまうこともありそうなので、日本での最適なあり方を模索したいです。海外では時には王様と奴隷くらいの違いがあるとも聞きますが(最近は人手不足で恐らく変化)、日本ではアメリカほど役員・パートナーとそれ以外の地位の違いのようなものはありません。
日本ではパートナーの肩書きを有していても実務をかなりやっています。大手監査法人ではパートナーが営業だけという訳にはいかず、最新の会計基準についても理解しておく必要もあります。大手税理士法人でも代表者以外はクライアントワークに従事しており、毎年税制改正をキャッチアップしています。
国際ビジネスに浸かりすぎると売上増加が正義みたいな錯覚に陥りがちですが、日本の良さを忘れず独自の文化も大切にしたいです。貢献に比して過大な要求は言語道断ですが、お互いに尊重し合える楽しい良い仲間達と会社をやっていきたいと思う日々です。

上席の心構え
上席者としての役割を果たすためには、まず、不適切な人材がそのポジションについていないか、少数のトップマネジメントが常に注視する必要があります。だからこそトップマネジメントにはしかるべき人物が選ばれなければなりません。これは単なる個々の評価を超え、会社の存続に関わる重要な責任を背負うものです。企業ガバナンスや全社統制の欠如による問題が増える(明るみになる)中、その影響の大きさを改めて痛感しています。
そのような上席としてのリーダーの仕事ぶりは組織全体の基準を決定します。P.F.ドラッカーも「人間集団の基準はリーダーの仕事ぶりで決定される。リーダーの仕事ぶりが優れていれば他のメンバーの仕事ぶりも良くなる。」と述べています。上席者は誰よりも優れていて、誰よりも努力し、組織にコミットできる人物であるべきです。そのため、自己研鑽を怠らない姿勢が不可欠になります。過去の功績のみで組織内に君臨することは許されません。皆に学びを求めるならば、上席者自身が学び続ける姿勢を示さなければ説得力がありません。たとえ担当領域が変わったとしても、生涯学び続けることが求められます。
そして、上席者には仕事ぶりなどの実務能力だけでなく、部下への配慮や余裕のある対応が不可欠です。どれほど仕事ができても、部下に優しくできない、あるいは自分のことでいっぱいいっぱいになり、余裕のない上席者がいると、組織は壊れてしまいます。特に士業事務所では専門性の高さや資格の有無が昇格の基準になりがちですが、一定規模を超えた組織では、それだけで評価されるべきではないと感じます。

また、リーダーシップとは単に指示を出すことではなく、信頼を築くことです。相手の力を信じ、引き出すことが真のリーダーの役割であり、これが軽視されがちですが、上席になればなるほど求められる大切な要素となります。
さらに、上席者には自己開示が求められます。もちろん強制することはできませんが、上司が自らをさらけ出すことで、部下は相談しやすくなり、日々の業務が円滑になります。上席者全員がこの姿勢を持つことで、事務所内に良い空気が広がり、良いスパイラルが生まれるのではないかと考えています。
一方で、組織の健全な運営のためには、他責思考の人物を上席者にしてはいけません。そのような姿勢は会社全体の雰囲気を悪化させ、健全な組織文化を損なう原因となります。
上席者はマネジメントへのシフトに伴い、専門家としてのスキルを磨き続けることに限界を感じる場面もあるかもしれません。時間は有限であり、永遠の課題かもしれませんが、それでも押さえるべきポイントは確実に押さえ、勘を鈍らせないよう努める必要があります。仲間と役割分担をしつつ、どのように折り合いをつけていくかが重要です。上席者としての心構えを持ち、組織全体の成長と調和に貢献することこそが、本来の役割なのではないでしょうか。

運を手繰り寄せるために
私が自己研鑽をしたりそれをお勧めする理由は、正しい努力をすると幸運が訪れる(確率がUPする)ためです。
この数年間を振り返ると、思いがけないご縁や機会に恵まれ、多くの学びと成長の機会をいただきました。おかげで苦難も経験しましたが…振り返ると、運が良かったと思えることがいくつかあります。
第1位:RSMインターナショナルへの加盟
私たちの事務所がRSMインターナショナルの一員として迎え入れていただいたことは、大きな転機となりました。世界120ヵ国以上に展開するの国際会計ネットワークに加わることで、より広い視野を持ち、クライアントの皆様にこれまで以上の価値を提供できるよう努めています。
第2位:複数の事務所との経営統合
ご縁があり、複数の事務所と経営統合を進めることができました。新たな仲間を迎え入れることで、組織としての成長だけでなく、専門性を高める機会にも恵まれました。
第3位:支援先/投資先のIPOとリターン獲得
長年支援し投資してきた企業がIPOを果たし、そのプロセスを間近で見届けることができたことは、大きな学びとなりました。クライアントの成長を支援する中で、結果的に自らの成長にもつながるという貴重な経験となりました。
第4位:オフィス立退き→移転の経験
お気に入りだった銀座のオフィスが立ち退きとなり、移転せざるを得なくなりましたが、その過程で補償金を得て新たな環境を汐留に整えることができました。現在の汐留シティセンターで、これからもメンバーと歩んでいけることを嬉しく思います。
第5位:不動産投資やビジネススクールを通じた新たなご縁
趣味として始めた不動産投資やEMBA(経営学修士)がきっかけとなり、上場不動産会社の社外取締役に就任しました。今後当然ながら素人レベルではなく高度で広範囲の知見が必要となりますが、ご縁に感謝しつつ貢献できるよう努めていきたいと思います。
これらの出来事を振り返ると、実はめちゃくちゃ大変だったという思いも同時に蘇りますし、現在進行形の部分もありますし、涙涙の話も多いのですが(それはまたの機会で)…
一応運だけではなく、「運を手繰り寄せるための努力」をしていたと感じます。日々の積み重ねが結果として幸運につながるのだと信じています。 未来の自分が「ラッキーだった」と思えるようにさらに努力を続けていきたいと思いますし、一緒に努力する・自己研鑽をする仲間が増え分かち合えればと思います。

合格はゴールではなく、新たな挑戦の始まり!多様な視点で切り拓く『人間的な公認会計士』の未来
- 2024.12.26
- 公認会計士・税理士, いい話・格言・理念, ビジネスの話, プライベート・その他

公認会計士論文試験合格者の皆様へ
今年も残りわずかというタイミングではありますが、2024年は皆様の人生で特別な1年になったのではないでしょうか。公認会計士試験合格という偉業を成し遂げられた皆様に、心よりお祝い申し上げます。こうして多くの合格者の皆様にメッセージをお伝えできる機会に感謝するとともに、私自身の経験から、これからのキャリアに少しでもお役に立てるお話をさせていただければと思っています。
成長は終わりなき旅路:資格を超えて広がる未来
まず皆様にお伝えしたいのは、公認会計士試験という難関資格試験に合格した後も、成長を止めないための意識を持ち続けることの大切さです。ゴールに到達したと考えるか、スタートラインに立ったと考えるかで、その後の成長が大きく変わってきます。
公認会計士という資格を活かしてスペシャリストとして特定の分野を極める道もあれば、ゼネラリストとして幅広い視点を持って成長する道もあります。どちらの選択肢も素晴らしいものであり、どちらが優れているということはありません。特に多くの方々が、監査、会計、税務、コーポレートファイナンスなどといった分野のスペシャリストとして社会に貢献されていることを、心から敬意を表します。
ただし、どの道を選ぶにしても、資格が自分の成長の限界を決めてしまうような状況にはならないようにしたいものです。公認会計士の資格は「自身の可能性を広げるための基盤」であり、その先でどのような分野に挑戦し、どのように成長していくかは、皆様自身の選択と行動にかかっています。
内向型でも大丈夫!社会人としてのソフトスキルを磨く
ゼネラリストであれスペシャリストであれ、どちらの道を選ぶ場合でも、コミュニケーションスキルは極めて重要です。この業界ではコミュニケーションに自信がなく内向的であり、だから難関資格を志したという方も少なくありません。私もキラキラした陽気なクラスメートにはかなわない気がして、一般の就職活動をしませんでしたのでそうだった気がします。ただ、現実は違い、公認会計士としてクライアントや同僚との信頼関係を築くことは、業務の質や成果に直結してきます。いずれにしてもコミュニケーションスキルを含むソフトスキルの重要性について、働き始めた皆様は大いに感じていかれることかと思います。
そういう私も会計士試験に合格した時はコミュニケーションスキルが0の状態になっておりました。勉強しかしていなかったので顔もやつれ人相も悪くなっておりました。廃人のようになっていた当時の私の合格体験記をご覧頂き、大いに安心してください!

ゼネラリスト思考で広がるキャリアの選択肢
さて、私はこの20年以内に独立開業を果たした公認会計士として、比較的大きな事務所を経営している者の一人です。本来であれば公認会計士という資格を活かし、スペシャリストとして活躍する道を選ぶのが一般的ですが、私はゼネラリストへ方向転換を図り、士業経営者としてその道を進んできました。
ゼネラリストとしてのキャリアの魅力は、多岐にわたる分野を横断しながら、自身の知識や経験を広げ続けられる点にあると考えています。イメージしやすいのは、上場会社やIPO準備会社のCFOや管理部長のキャリア、外資系金融/コンサルやファンドやベンチャーキャピタル等で活躍するキャリア、士業事務所の経営者などでしょうか。
例えば、ある分野で80点のスキルを習得したら、次に異なる領域を学び、また80点を積み重ねていく。100点を目指して一つの分野を極めることも素晴らしい挑戦ですが、それとは異なるアプローチで、多角的な視点や柔軟性を手に入れられるのが、ゼネラリストの魅力です。
なぜ、公認会計士試験に合格してこれから意気揚々としている皆様に、スペシャリストではなくゼネラリストとしてのお話をするのか?と疑問に持たれる方もいるかもしれません。その理由は非常にシンプルで、「特に大手監査法人には化け物みたいに優秀な猛者が山ほどいて多くの人はすぐに挫折を味わうことになる」ためです。でも安心してください。会計や監査のスキルでかなわないすごい先輩や同期や後輩がいても、それがすべてではありません。1人のビジネスマンとして、それ以外の様々なスキルをレベルアップして総合点で勝負していくという道があるということをぜひ知ってもらいたいと思います。
余談として、少し変わった視点かもしれませんが、私はビジネスマンとしての思考法を、愛してやまないゲーム「信長の野望」と「三國志」から多く学びました。これらのゲームは、広い視野を持ちながら戦略を練り、限られた資源をいかに最適に配置し、成果を最大化するかが問われます。このプロセスは、まさにゼネラリストが必要とするスキルそのものです。是非これらのお話をもっと聞きたいという方は個別にご連絡下さい。
AI時代に輝く公認会計士:人間的価値の追求
公認会計士という資格の価値は、単に「年収が上がる」というメリットだけではありません。むしろ、この資格がもたらす最大の恩恵は「年収が下振れしない」ことであり、安定した基盤を提供してくれる点にあります。しかし、もし年収をさらに上げていきたいと望むのであれば、テクニカルスキルとソフトスキルの両方について一つずつ積み重ねていく必要があります。資格を「武器」ではなく「防具」として捉え、どんな状況でも食いっぱぐれないのだと自信を持ちながら、新しい挑戦に臨んでほしいと思います。
公認会計士の仕事は、まさに「会計」というビジネスのインフラを担うものです。近年はここに「IT」や「クロスボーダー」といったテーマが加わり、難易度が上がってきて複雑化しています。単純作業はITやAIに代替されていく一方で、人間だからこそ提供できる価値は、今後も変わらず重要であり続けます。だからこそ、皆様には「人間的な公認会計士」を目指していただきたいと思います。これには、専門知識だけでなく、相手の立場に立って考え、共感する力が求められます。社会に出ると挫折することもあると思います。そんな時に、ゼネラリスト思考、そして、人間的な専門家を目指すという視点も思い出していただければ幸いです。
最後に
さて、この業界は非常に狭い世界です。いつか何らかの形で皆様と一緒に仕事ができる日を、心より楽しみにしております。合格直後の新たなスタートラインに立たれた皆様が、これからのキャリアを歩む中で、謙虚さと誠実さを忘れず、そして情熱を持って日々の挑戦に取り組まれることを願っています。汐留より未来へ向けての希望と皆様へのエールを込めて。

中堅事務所が更なる飛躍のために意識したいこと
- 2024.12.01
- ビジネスの話
中堅事務所の一角となり売上と利益を上げ続けるためには、当然ながらブランディング、そして、ブランドを守るための品質向上のためのIT活用とサイバーセキュリティ対応が今後の成功の鍵であるように感じます。中小事務所が更なる飛躍をする上で意識していくべきことの1つです。
そのために経営者は、企業が当然に取り組んでいることを理解しつつ、自らも組織としてそれを実行していかねばなりません。今後士業経営者にはITに関する鋭い感覚がより一層求められます。そしてそれは士業経営者だけでは不可能でもあります。
具体的には
- インフラクラウドツール(Microsoft 365, Google Workspace)
- 業務管理システム(CRM, ERP)
- AIツールの活用(ChatGPT, Copilot)
- 業務効率化ツール(専用アプリ, RPA)
- データセキュリティ(情報漏洩防止策)
など時代に合わせたIT活用が生き残りの鍵。
選択や設計を間違えるとリカバリーが非常に難しい点に注意が必要です。特に、クラウドツールや業務管理システムの導入、データセキュリティ対策は慎重に進めるべき。経営者の正しい判断が業務効率や信頼性を大きく左右しますね。そのためプレッシャーがあり学びが不可欠です。
私も自己研鑽を続けていこうと思います。

士業のコミュニケーションスキルの重要性
- 2024.11.20
- 公認会計士・税理士, いい話・格言・理念, 会食・交流会・セミナー, ビジネスの話
士業にとって、コミュニケーションスキルは本当に重要です。場合によってはこれで自身の評価の多くが決ってしまうかもしれません。できていると勘違いし一方的に話しすぎてしまう人もいます。耳は2つあり口は1つなので、まずは自分が話す2倍以上は相手の話に耳を傾けることから始めたいです。これにより、仕事を獲得できたり、良好な関係を継続できたり、社内で昇進できたり、より多くの機会に恵まれると思います。
先日の税理士サミットで登壇者が「これからの税理士はコミュニケーション力が必要だ。顧客に寄り添う存在にならなければ」とお話してくださいました。大人になるまでにある程度形成されているので面接時にそのポイントを重視して採用し、会話が盛り上がらないと採用しないという話も聞きました。私は個人的には後天的にでも一定レベルに達すると考えています。
そんな士業のためのソフトスキルの学びの機会があればとずっと考えています。
- 話し方
- 気配り
- メール文面
- 身だしなみ
- 適切な距離感
- 距離の縮め方
- 期待値コントロール
- 失礼に当たる事例集
など。これらを学ぶことで総合力が劇的にアップするのではと思います。
コミュニケーションスキルの研修自体はたくさん世にはあります。本当に苦手な方は損をしていると思うので、1つでも2つでも受講してみることをおすすめしたいと思います。
士業としての専門知識に加え、これらのコミュニケーションスキルを磨くことで、顧客や同僚からの信頼を高め、仕事の幅を広げる大きな一歩となるでしょう。目の前の一歩が未来を変える可能性を信じて、まずは実践してみることが大切です。

長期安定経営を目指すファミリービジネスについて
- 2024.11.10
- いい話・格言・理念, ビジネスの話, IR・メディア・お知らせ
日本は世界的にもファミリービジネスが多く成功している事例も数多くあるといわれます。驚くほど古い会社も多いですし。ファミリービジネスの研究が遅れていて相続税も高すぎるのに、日本にはこんなにもたくさんの100年以上や200年以上の会社があるなんて非常に興味深いと思います。ですが寄付税制がさえないこと、富裕層に対する妬みからの同族会社嫌悪など、独特なものが多いので時間はかかることでしょう。
ファミリービジネスは、概ね30年毎に経営者が交替しますので長期安定経営です。サラリーマン経営者のように四半期や年度決算または自らの在任期間の数字にこだわるという視点がそこまでないため長期目線での投資ができます。出光興産創業者の出光佐光が 「資金調達は容易だが利潤の追求を第一に考えなければならず営利のために経営は傾いていく、経営も人も金や物に支配されてしまう」 と頑なに非公開を貫いたこと。エージェンシーコストがない又は少なく、経営者が長期的視点で経営できるので非常に利益率が高くサステナブルになりえます(大失敗事例も多いですが…)。
一方で、トップが優秀でなければ残念な結果になります。そして2代目3代目の役割こそ大変です。最初のリーダーの仕事は企業文化を作ること。次のリーダーの仕事は企業文化を改良し守り承継すること。ファミリービジネスを研究する中で思うのですが、利己的であったり自己保身であったり他責志向でそれに値しないリーダーは上に立ってはいけないですね。
世界に目を向けると、日本ではファミリーオフィスやファミリー憲章のようなものがあまり広がってはいませんが、ヨーロッパではこの研究がかなり進んでいます。日本でもファミリーがオーナーに徹して、プロ経営者に経営を任せるということが今後は広がっていくべきだと考えてもいます。グローバルにはRSMでも”ファミリーオフィスサービス”が広がりつつあるので、税理士としての税務視点の相続や事業承継支援から、もう少し高い視座で顧客を導いていける存在になれればと思います。
末筆ながら、『Governance in Family Enterprises: Maximising Economic and Emotional Success』という海外の書籍を翻訳いたしました。『ファミリー企業のガバナンス~経済的および精神的な成功を極大化する~』というタイトルにしました。
ガバナンスは上場会社だけではなくてもとても重要であり、本書はその点についての貴重な世界のファミリー企業の事例が集まっています。
https://hanmoto.com/bd/isbn/9784561237945…
※Amazonなどから購入できるようなのでもしご興味がございましたらよろしくお願いいたします

BPOのグローバル化
日本の人口は減り続けますが、世界の人口は増え続けます。グローバルでは専門家のサービスの一部がものすごい勢いでインドにアウトソーシングされて分業されています。テクノロジーの利用もさることながら、大きな案件では単純な人件費の面での価格競争力が入札においては重要だと感じます。
RSMUSもインドにBPOセンターがあり、弊社もフィリピンにBPOセンターがあります。語学の壁さえ超えられれば国境を超えてリソースをシェアできるはずです。テクノロジーの進化とその活用により活路を見出していきたいです。
しかし客観視して考えると、我々中堅ファームにはBIG4ほど複雑な国際税務案件やグローバルモビリティ案件がたくさんあるわけではありません。コンプライアンス業務やBPO業務とセットでお受けするので難易度はBIG4ほどではなく、案件は安定的かつ長期に渡って続いていきます。
その中で外資系企業の支援をするようになって発見したことや驚いたことはたくさんあるのですが、その中でも支払業務(キャッシュマネジメント業務)のアウトソーシングのニーズが多いというのは重要な気付きでした。
個人的な感想として、日本企業は外資企業と比べアウトソーシングが苦手ですが、内資企業も経理/人事/総務に関連するBPO化が進んでいると感じます。そして少子化により労働人口が不足する中で外国人雇用が不可欠となり、日本人と同じような感覚で外国人を雇用する時代が近いと思います。外国人雇用に関する手続/管理等をアウトソースする企業が増えている感覚です。
こうした変化の中で、我々はクライアントのニーズに応じた柔軟かつ先進的なアウトソーシングサービスを提供し、日本企業の持続的な成長を支援していくことが重要であると考えています。

成長するBPO
アウトソーシング(BPO)は華やかな印象がないかもしれませんが、市場は着実に成長しています。ここ数年で、有報など開示書類の作成や、JSOX/内部監査など、これまでコンサル領域だったものが、BPOへと移行している流れを感じつつあります。BPOは安定した成長性があり、IT活用との親和性も高いです。ただしITを活用したBPOには大きな資本の企業参入があるため、戦略や領域選定がとても重要です。
一方で今後非IT分野のBPOも市場が拡大していきます。それゆえプロフェッショナルファームもアドバイザリーに特化しないのであれば、1つの戦略としてBPOに取り組んでいく必要があります。そのためには一定の事業規模拡大が必要になってまいります。
またBPOは、BtoCだけでなくBtoBにおいても経理業務や人事労務業務は会社内に部署を設け「所有」するのではなく、アウトソーシングし「利用」する、から市場が拡大しています。
こういったBPOは弊社ワンストップの強みが発揮できている領域であり、実際に最近アウトソーシングのお話を頂くことが多いですが、やはり肝になるのは、BPOを通じてクライアントの信頼を勝ち取ることです。
しかし、単純に気合で記帳代行や給与計算をこなしても幸せはありません。
テクノロジーや多言語対応など差別化をする事により
①クライアントに価値提供をしながら
②メンバーに物心両面満足いく状態を提供
したいと思います。同時に追求したいです。
個人的にもBPOはおすすめなのですが、一つ問題としてアウトソースする部分としない部分の切り分けで合意できないことが多い印象です。
以上の点を踏まえ、クライアントと共に柔軟な解決策を模索し、BPOの真価を最大限に引き出すことが、私たちの目指すべき方向でしょう。

USCPAの日本における活躍の場
会計士や税理士業界は英語を使える人が少ないため、英語と会計のスキルで国内にいながら外貨を稼ぐことも魅力だと思います。USCPAの方々は、日本の公認会計士が持たない経験やスキル、視点を有しており、多くの気づきを与えてくれます。USCPAの皆様にも思いっきりご活躍いただきたいと思います。
USCPAは米国で仕事をしない限り、スペシャリストというよりはゼネラリストとして業務をしています。取得すると活躍の場は広がります。
- 外資系企業の会計責任者(CFO/子会社CFO)
- グローバル企業日本法人に対するBPO
- クロスボーダーM&AのFA/DD/株価算定
- 日本企業に対する海外進出コンサル等
時々「USCPAのみ保有者だったら何をしますか?」と質問を受けます。USCPAはグローバルライセンスで、海外では認知度が高いと言えます。プロマネとしてローカル資格者を束ねクロスボーダー案件をこなせば、非常に高いバリューを発揮できるのではないでしょうか。
また日本人USCPAが米国で勝つのは至難の業ですが、以下のスキルがあると日本では高いプレゼンスを発揮できます。
①リーディング&ライティング
②日本の会計実務
③日本の税務実務
④スピーキング&リスニング
⑤営業力&交渉力
⑥US会計税務実務
①は必須
②と③があると良く
④と⑤までできると無敵
⑥は+α
これらのスキルを磨き上げ、日本国内でも高い価値を提供できるUSCPAとして、さらなる飛躍を遂げていただきたいと思います。
