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学歴及び実務経験要件、契約主体、就労場所にみる在留資格「企業内転勤」と在留資格「技術・人文知識・国際業務」の相違

学歴及び実務経験要件、契約主体、就労場所にみる在留資格「企業内転勤」と在留資格「技術・人文知識・国際業務」の相違

外国人雇用・イミグレーション
2026年2月25日

外国人を日本で雇用しようとする際、最も頻繁に検討される就労系の在留資格として、「技術・人文知識・国際業務」と「企業内転勤」の2つが挙げられます。

これらは、日本で行うことができる活動内容(業務内容)においては重なる部分が多く、実務上、どちらを選択すべきか判断に迷うケースが少なくありません。しかし、その許可要件、特に「申請人の経歴」「契約関係」「就労場所の制限」には相違点があります。

本記事では、この2つの在留資格の違いについて、実務上の重要ポイントに絞って解説します。

最初に、それぞれの在留資格の基本的な部分について説明します。

日本の公私の機関(企業等)との契約に基づいて、理系分野の技術、文系分野の知識を必要とする業務、または外国人特有の感性を活かした業務に従事するための在留資格です。一般的に、日本企業による新規採用や中途採用で用いられます。

外国に本店や支店がある企業から、日本にある事業所(本店、支店、駐在員事務所など)へ期間を定めて転勤し、上記「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に従事するための在留資格です。

次に、具体的な相違点について確認していきます。

最も大きな違いは、申請人(外国人本人)に求められる学歴と職歴の要件です。

原則として、従事しようとする業務に関連した「学歴」または「実務経験」のいずれかが必要です。

学歴要件: 大学、短期大学、または日本の専門学校(専門士、高度専門士の学位が必要)を卒業していること(専攻内容と業務内容に関連性が必要です)。

実務経験要件: 学歴要件を満たさない場合、担当する業務について10年以上の実務経験(国際業務区分の場合は3年以上)が必要です。

学歴要件は問われません。 大学等を卒業していなくても、申請の対象となり得ます。

その代わりに、転勤直前の勤務実績が厳格に求められます。

勤務実績要件: 外国にある本店や支店等で、転勤の直前に「継続して1年以上」、「技術・人文知識・国際業務」の業務に該当する活動に従事している必要があります。

このため、学歴要件を満たさない社員を日本へ呼び寄せる場合、「技術・人文知識・国際業務」では許可取得が困難であっても、「企業内転勤」であれば許可される可能性があります。

日本の入管法では、就労系在留資格の要件として「本邦の公私の機関との契約」が求められますが、その契約形態の解釈に違いがあります。

通常は、日本の受入れ機関(日本法人や日本支店)と申請人が直接、雇用契約等を締結します。給与も原則として日本の機関から支払われる形態が一般的です(派遣契約の場合を含む)。

「転勤」という性質上、必ずしも日本の機関と新たな雇用契約を結ぶ必要はありません。 

外国の機関(転勤元)との雇用契約を維持したまま、日本支店等への「転勤命令書」や「辞令」に基づいて日本で勤務する形態が認められます。 

したがって、給与の支払い主体が外国法人にある場合や、日本と外国の双方から支払われる場合であっても、日本での生計維持に足る十分な報酬額が証明できれば、要件を満たすと考えられます。

許可後の活動範囲、特に将来的な配置転換や転職の自由度に関しては、大きな違いがあります。

許可された在留資格の活動範囲内(例:エンジニア、通訳、営業など)であれば、勤務先が変わっても(転職しても)、在留資格を変更することなく活動を継続できる場合があります。

※ただし、転職先の業務内容が現に有する在留資格に該当するかどうかは、別途確認が必要です(就労資格証明書交付申請の活用など)。

活動の場所は、転勤先である当該事業所に限定されます。

例えば、転勤期間が終了した後、日本にある全く別の企業へ転職することは、この在留資格のままでは認められません。もし他社へ転職する場合は、「技術・人文知識・国際業務」など、別の在留資格への変更許可申請を行い、許可を得る必要があります。

この点は、「企業内転勤」が特定の企業間の異動を前提とした資格であることに由来する重要な制限といえます。

これまでの内容を表にまとめると以下のようになります。

項目 技術・人文知識・国際業務 企業内転勤 
主な対象 日本での採用(新規・中途) 海外拠点からの転勤者 
学歴要件 原則必要(大卒・日本の専門卒等) 不要 
実務経験 学歴がない場合、原則10年以上 転勤直前に継続1年以上 
契約主体 日本の機関との契約が主 外国の機関との契約維持も可 
活動範囲 同種の業務なら他社への転職も可 当該事業所に限定 

「技術・人文知識・国際業務」と「企業内転勤」は、いずれも専門的な業務に従事するための在留資格ですが、要件や活動の制約には明確な違いがあります。

特に、学歴要件を満たさないベテラン社員を海外から呼び寄せる場合には「企業内転勤」が有力な選択肢となりますし、将来的に日本国内での幅広い活躍を視野に入れている場合は、要件を満たしていれば「技術・人文知識・国際業務」を選択する方がメリットが大きい場合もあります。

申請にあたっては、申請人の経歴だけでなく、企業の事業計画や人事戦略に照らし合わせ、どちらの在留資格が適切かを慎重に検討することが重要です。

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