建設業の論点~許可を受けるための要件としての「専任技術者」の概要、要件及び専任性・常任性~
2023年10月17日
許可を受けるための要件
建設業の許可を受けるために満たさなければならない要件は以下の6つです。
- 経営業務の管理を適正に行うに足りる能力
- 専任技術者に関する要件
- 財産的基礎に関する要件
- 誠実性に関する要件
- 欠格要件に該当しない
- 社会保険への加入に関する要件
専任技術者の要件
1では「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力」を単独もしくは複数の人物で要件を備えていることを立証します。つまり許可の取得・維持にはそういう人物の存在が必要なわけですが、2ではさらに建設工事について専門的知識を備えた人物が必要になります。それが専任技術者です。営業所ごとに許可を受けようとする建設業に関して一定の資格又は経験を有する専任技術者の設置が必要になります。一般建設業、特定建設業の区分に従いそれぞれ求められる専任技術者の要件が異なります。
一般建設業:
- 建設業に関する指定学科を専攻し高校等を卒業した後、実務経験が5年以上または建設業に関する指定学科を専攻し大学・高等専門学校等を卒業した後、実務経験を3年以上有する者
- 許可を受けようとする建設業に関して10年以上の実務経験を有する者
- 許可を受けようとする建設業に関する国家資格を有する者もしくは国土交通大臣の認定を受けた者
特定建設業:
- 許可を受けようとする建設業に関する国家資格を有する者
- 一般建設業の2、3に該当する者で2年以上の指導監督的な実務経験を有する者
- 大臣の認定を受けた者
それぞれの建設業に必要な国家資格については都道府県庁の建設業に関する手引き等に掲載されているのでご確認ください。
実務上では国家資格を有する者が専任技術者になるケースが圧倒的に多いと感じます。実務経験10年などの申請では疎明資料の取得が困難なケースがあるからです。例えば建設業許可を有していなかった会社で実務経験を証明する場合には以下のような書類が必要です。
- 業種内容が明確にわかる期間通年分の工事請負契約書・工事請書・注文書又は請求書の写
し等(請求書、押印のない工事請書・注文書等については入金が確認できる資料による補足が必要です。) - 証明期間の常勤を示す書類として健康保険証の写しなど
専任性、常勤性について
文字通り「専任」なので専らその職務に就くことが必要で他の営業所の専任技術者と兼ねることはできません。一方、1級建築施工管理技士のように建築一式工事、大工工事、左官工事など複数の業種の技術資格要件を1人で満たすものがいる場合、同一の営業所内であれば複数業種の専任技術者となることができます。専任技術者には常勤性も求められますので、常識上通勤不可な者は認められません。一般的に専任技術者の住所から営業所まで2時間以上かかると疑義が生じると考えられます。専任技術者と常勤役員等を兼任することについては同一営業所内においては両者を1人で兼ねることができます。