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デジタルノマドビザの申請方法、対象国その他要件など直近の状況

デジタルノマドビザの申請方法、対象国その他要件など直近の状況

外国人雇用・イミグレーション
2026年2月9日

場所にとらわれず、IT技術を活用して国を渡り歩きながら働く「デジタルノマド」という働き方が世界中で広がりを見せています。こうした潮流を受け、日本政府も2024年4月1日より、いわゆる「デジタルノマドビザ(在留資格:特定活動)」の運用を開始しました。

本記事では、制度開始以降の状況を踏まえ、デジタルノマドビザの概要、対象国、具体的な要件、および申請手続きの流れについて解説します。

一般的に「デジタルノマドビザ」と呼ばれていますが、日本の出入国管理及び難民認定法(入管法)上の正式な在留資格は「特定活動」(告示53号)となります。これは、外国の法令に準拠して設立された法人等に雇用されている者、あるいは外国において個人事業主として活動している者が、日本に滞在してリモートワーク等を行うための在留資格です。

観光ビザ(短期滞在)では90日までの滞在しか認められず、就労も原則として禁止されていますが、このデジタルノマドビザでは最長6ヶ月間の滞在が可能となり、所定の範囲内での就労活動が認められる点が大きな特徴です。

本制度を利用するためには、申請人が以下の要件を満たしている必要があります。特に年収要件については厳格な基準が設けられています。

申請人は、日本と租税条約を締結しており、かつ査証(ビザ)免除措置を実施している国・地域の国籍を有している必要があります。 2024年の制度開始時点で、アメリカ、イギリス、オーストラリア、シンガポール、韓国、台湾などを含む50以上の国・地域が対象とされています。 ※対象国の最新情報は外務省の発表を確認してください。

申請人の年収が1,000万円以上であることが求められます。 この年収は、申請時点での直近の年間収入(税引き前の額)で判断されることとなります。単に貯蓄があるだけではなく、継続的な収入があることを証明する必要があります。

滞在予定期間中の死亡、負傷、疾病をカバーする民間の医療保険(海外旅行傷害保険等)に加入している必要があります。 日本の公的医療保険(国民健康保険等)への加入対象とはならないため、万が一の事態に備え、ご自身で十分な補償額の保険を手配することが必須条件とされています。

デジタルノマドビザの申請は、申請人が日本以外の国にいる場合は、原則として海外にある日本の大使館または総領事館で行います。一般的な就労ビザのように、日本の入管で事前に「在留資格認定証明書(COE)」を取得するプロセスとは異なる場合が多いため注意が必要です。

  • 必要書類の準備 パスポート、写真、査証申請書に加え、以下の疎明資料などを準備します。
  • 年収を証明する書類(銀行の取引明細書、確定申告書、雇用契約書など)
  • 活動内容を証明する書類(雇用主からの証明書、請負契約書など)
  • 民間の医療保険への加入証書
  • 在外公館での申請 居住地を管轄する日本大使館または総領事館へ申請書類を提出します。一部の公館では、オンラインでの査証申請や代理申請機関を通じた申請を受け付けている場合があります。
  • 審査・発給 審査を経て、問題がなければ査証(ビザ)が発給されます。
  • 日本への入国 ビザ発給後、日本へ入国します。空港の入国審査にて「特定活動(デジタルノマド)」の在留資格が付与されます。

本制度は従来の就労ビザとは性質が異なるため、以下の点についてあらかじめ理解しておくことが重要です。

デジタルノマドの在留資格で日本に滞在する人は「中長期在留者」には該当しないため、在留カードは交付されません。 そのため、日本国内での銀行口座開設や携帯電話の契約、不動産賃貸契約などの場面で、身分証明の手続きが煩雑になる、あるいは契約自体が困難となるケースが想定されます。

デジタルノマド向けの在留資格「特定活動」で日本に滞在できる期間は、最長6か月間であり、在留期間の更新は認められません。再度デジタルノマドビザを申請するためには、出国から6ヶ月以上経過している必要があります。

デジタルノマドビザ取得者の配偶者および子についても、要件を満たせば「特定活動」(告示54号)として帯同が認められます。この場合も、家族分の民間医療保険への加入が必要です。

日本のデジタルノマドビザは、高スキルなリモートワーカーが日本での生活を体験しながら働くための新しい門戸として注目されています。 一方で、年収要件や保険加入、在留カードが交付されない点など、独自のルールが設けられており、申請にあたってはこれらを正確に把握し、適切な書類を準備することが求められます。制度は変更される可能性があるため、申請を検討される際は、必ず外務省や出入国在留管理庁の公式情報を確認することをお勧めします。

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