ホーム/コラム/日本進出/外資系企業が日本に進出する際の留意点とその対策とは
シェア
池田 孝太 Kota Ikeda

この記事の著者

池田 孝太 Kota Ikeda

コンサルタント  / 申請取次行政書士

外資系企業が日本に進出する際の留意点とその対策とは

2023年6月6日

海外に本拠を置いている企業が日本に進出する場合、どのような点に注意が必要でしょうか。こちらのページでは、外資系企業が日本に進出する場合の留意すべき点についてご紹介いたします。

特殊な市場環境

日本は欧米とは違って、市場の特殊性があるということは常に言われていることです。欧米の人気商品をそのまま日本に並べても、まったく売れないといったことは日常的に起こりうることです。多様な商品を求める日本の独特な風土に、店舗の運営形態を合わせることができず、撤退をしてしまった外資系企業はたくさんあります。

ファッションブランド大手のForever21は2009年に日本に初上陸し、東京・原宿の1号店オープン時には開店前に大行列ができるなど大きな話題を呼び、瞬く間に人気店となりました。その後も各地のショッピングモールに出店するなど勢いを強め、一世を風靡しました。しかし、H&MやZARAなど同じ外国ブランドで同じく低価格を売りにするファッションブランドや、ユニクロやGUなどの日本の安くてバリエーション豊富なブランドとの激戦に敗れ2019年に日本市場から撤退しました。特に、日本ではファッションに限らず、流行り廃りが非常に速いため、これに対応出来なければ、日本市場からの撤退を余儀なくされます。なお、Forever21は2023年に日本のアパレル会社の運営の下、日本再上陸を果たしています。

日本人に受け入れられるものを提供

海外のレストランやカフェ、ファーストフードを例に日本に進出する場合、外国で人気の商品そのままで日本市場において勝負しようとすることがあります。もちろん、時にはそのままの商品が日本でも受け入れられることがあります。

一方で、例えば、2006年に日本初上陸したクリスピークリームドーナツは、一時は約65店舗まで店舗を拡大しましたが、日本進出から10年後には約45店舗と店舗が激減しました。この背景には日本の流行り廃りの速さや、コンビニ業界もドーナツ事業に乗り出したことなどももちろん原因としてありましたが、「甘過ぎる」と日本人の口に合う味でなかったことが最も大きな原因でした。この結果を受け、同社では甘さ控えめに変更するなど、日本で受け入れられる商品の開発に力を入れ、事業拡大に向けて再始動しています。

実際、マクドナルドやスターバックスなど日本で長く愛されている企業は、日本独自の商品やサービスを提供し続けることによって日本社会に受け入れられています。

飲食店を例に書きましたが、これは他の商品やサービスについても、もちろん同じことが言えます。日本で事業を展開しようとする場合は、柔軟な対応が求められます。

お問い合わせ