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日本において外国人留学生をアルバイトで雇用する際の留意点とは

日本において外国人留学生をアルバイトで雇用する際の留意点とは

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年4月1日

人手不足が深刻化する日本において、外国人留学生は貴重な戦力として、コンビニエンスストアや飲食店など多くの現場で活躍しています。 しかし、留学生の本分はあくまで「学業」であるため、入管法(出入国管理及び難民認定法)によって就労活動には厳格な制限が設けられています。雇用主がルールを十分に理解していない場合、知らず知らずのうちに「不法就労」の状態となり、事業主自身も処罰の対象となるリスクがあります。 本記事では、留学生をアルバイトとして雇用する際に、事業主や人事担当者が押さえておくべき法的な留意点について解説します。

留学生が保有している在留資格「留学」は、原則として就労が認められていない資格です。したがって、アルバイトを行うためには、入国管理局から「資格外活動許可」を得ていることが大前提となります。

採用面接時には在留カードの原本を確認してください。

  • 在留カードの裏面:下部にある「資格外活動許可欄」を見ます。
  • ここに「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く)」という記載があれば、アルバイトとしての雇用が可能です。

この記載がない場合、または在留期間が切れている場合は、たとえ1時間であっても働かせることはできません。

資格外活動許可には労働時間の上限があります。最も違反が起きやすく、注意が必要なのがこの「時間管理」です。

留学生が働ける時間は「週28時間以内」と定められています。 ここで注意すべき点は、「週」の定義です。これは特定の曜日(例:月曜から日曜)だけを指すのではなく、「どの曜日から起算しても1週間の労働時間が28時間以内でなければならない」と解釈されています。

この「28時間」は、1社あたりの時間ではなく、留学生本人が働く全てのアルバイトの合計時間です。 例えば、他社ですでに週20時間働いている留学生を雇用する場合、自社で雇用できるのは週8時間までとなります。 雇用契約を結ぶ際には、他社での就労状況を確認し、申告させる仕組みを整えることが推奨されます。

留学生が在籍する学校の規則(学則)で定められた「長期休業期間(夏休み、冬休み等)」にある期間中は、特例として「1日8時間以内(週40時間以内)」まで就労可能時間が拡大されます。

あくまで「学校が定める長期休業期間」に限られます。単に「授業がない日」や「個人的に休みを取った期間」は対象外であり、通常通り週28時間の制限が適用されます。この判断を誤らないよう、学校の年間カレンダー等で確認することが望ましいでしょう。

資格外活動許可を得ていても、全ての業種で働けるわけではありません。「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(風営法)で定める営業所での就労は厳格に禁止されています。

  • キャバクラ、ホストクラブ、スナック等の接待飲食業
  • パチンコ店、麻雀店、ゲームセンター等
  • ラブホテル等の店舗型性風俗特殊営業

重要な点は、「業務内容に関わらず働けない」ということです。 例えば、パチンコ店でのホール業務だけでなく、開店前の清掃業務や、店内の厨房での皿洗いであっても、風営法の許可を受けている店舗内での業務であれば、留学生を雇用することはできません。

留学生をアルバイトとして雇い入れた場合、および離職した場合には、すべての事業主に「外国人雇用状況の届出」が義務付けられています(労働施策総合推進法)。

届出先:

管轄のハローワーク(公共職業安定所)

期限:

雇入れ・離職の翌月末日まで(雇用保険被保険者とならない外国人の届出の場合)

対象:

アルバイトを含むすべての外国人労働者(特別永住者を除く)

留学生アルバイトの場合、週の労働時間が短く雇用保険に加入しないケースが多いですが、その場合でも「外国人雇用状況届出書(様式第3号)」の提出が必要です。未届けや虚偽の届出には罰金が科される可能性があるため、忘れずに手続きを行う必要があります。インターネットからの届出も可能です。

留学生の雇用において見落としがちなのが、学籍を離れた後の扱いです。

留学生が学校を卒業した場合、たとえ在留カードの有効期限が残っていても、「留学」の在留資格に伴う活動は終了しています。原則として、卒業後は資格外活動許可(アルバイト)の効力も失われると解釈されるのが一般的です。 卒業後も継続して雇用したい場合は、就労可能な在留資格(「技術・人文知識・国際業務」や「特定技能」など)への変更許可が得られているか、あるいは就職活動のための「特定活動」ビザに変更し、かつ新たな資格外活動許可を得ているかを確認する必要があります。

学校を中退や除籍となった場合、「留学」の在留資格の根拠がなくなります。この状態でアルバイトを続けると不法就労となる可能性が高いため、在学状況の定期的な確認(学生証の有効期限確認など)もリスク管理の一つと言えます。

留学生のアルバイト雇用における主なチェックポイントは以下の通りです。

  1. 在留カード裏面の「資格外活動許可」を確認する。
  2. 労働時間は「他社との合計」で週28時間以内(長期休暇中は18時間以内)を厳守する。
  3. 風俗営業関連の店舗では、清掃等の裏方業務であっても雇用しない。
  4. ハローワークへの「外国人雇用状況届出」を確実に行う。
  5. 在学状況や在留期限の管理を行う。

ルール違反があった場合、留学生本人が強制送還などの処分を受けるだけでなく、雇用主も「不法就労助長罪」*(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)に問われる可能性があります。「知らなかった」では済まされないケースも多いため、正しい知識に基づいた適正な雇用管理が求められます。

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