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留資格「日本人の配偶者等」とは?対象者や就労・申請時の重要ポイントを解説

留資格「日本人の配偶者等」とは?対象者や就労・申請時の重要ポイントを解説

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年3月25日

国際結婚をして日本で暮らす場合や、海外で生まれた日本人の子供が来日する場合など、多くの場面で取得が検討されるのが在留資格「日本人の配偶者等」です。一般的に「配偶者ビザ」や「結婚ビザ」と呼ばれることもありますが、正式名称には「等」が含まれており、配偶者以外も対象となる場合があります。本記事では、この在留資格の該当範囲、就労におけるメリット、そして申請時に審査官が重視する傾向にあるポイントについて、最新の実務情勢を踏まえて解説します。

この在留資格に該当するのは、主に以下の3つの身分関係にある外国人の方です。単に日本人と結婚しているだけでなく、法的な要件を満たしている必要があります。

現に日本人と婚姻関係にある方が対象です。 ここでいう婚姻関係は、法的に有効な婚姻であり、かつ実態を伴うものである必要があります。事実婚(内縁関係)や、同性婚(現行の日本の法律上)の場合は、この在留資格の対象外となり、「定住者」や「特定活動」など別の在留資格を検討することになります。 また、相手方の日本人が死亡した場合や離婚した場合は、配偶者としての身分を失うため、在留資格の変更が必要となるケースが一般的です。

普通養子縁組ではなく、家庭裁判所の審判によって成立する「特別養子縁組」による養子が対象です。 年齢制限(原則15歳未満など)や実親との親族関係終了など、民法上の厳格な要件を満たした養子縁組である点がポイントです。なお、一般的な「普通養子」の場合は、「定住者」等の在留資格に該当する可能性があります。

日本人の実子として生まれた方で、出生時に父または母が日本国籍を持っていた場合が対象となります。 これには、出生時点で日本国籍を有しており、その後に日本国籍を離脱した元日本人も含まれます。また、認知された非嫡出子も含まれますが、出生後に父親(日本人)から認知された場合については、別の要件や手続き(国籍取得の届出など)が関係する場合があるため、個別の確認が必要です。

この在留資格の最大の特徴でありメリットと言えるのが、原則として活動内容や就労に対する制限がない点です。

「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザでは、許可された職種以外での就労は認められませんが、「日本人の配偶者等」にはそのような職種制限がありません。 また、「留学」や「家族滞在」のように「週28時間以内」といった就労時間の制限もありません。したがって、正社員、アルバイト、パートタイム、派遣社員など、どのような雇用形態でも働くことが可能です。また、ご自身で会社を設立して経営を行うことも認められています。

就労ビザでは許可が下りにくいとされる、工場でのライン作業や建設現場、飲食店のホールスタッフ、コンビニエンスストアの店員といった、いわゆる単純労働に従事することも可能です。 この自由度の高さから、企業側にとっても採用しやすい在留資格であると言えます。

入出国在留管理庁の審査では、形式的な書類が揃っているかだけでなく、その身分関係が「真実であるか」が慎重に判断されます。特に配偶者として申請する場合、以下の3点が重要な審査基準となると考えられます。

最も重視されるのが、「偽装結婚ではないか」という点です。近年、就労目的のための偽装結婚が問題視されている背景があり、審査は厳格化の傾向にあります。 そのため、以下のような資料を用いて、交際の経緯や婚姻の実態を具体的に立証することが求められます。

スナップ写真:

二人で写っている写真、双方の親族との写真、結婚式や旅行の写真など。

通信記録:

LINEやメールの履歴、通話記録など、継続的な交流を示すもの。

質問書:

入管指定のフォーマットに従い、出会いから結婚に至るまでの経緯を詳細かつ矛盾なく記載する必要があります。

日本で夫婦が安定して生活していけるだけの経済力があるかも審査されます。 これには、日本人配偶者の収入だけでなく、申請人(外国人)本人の収入や、世帯全体の資産状況も考慮されます。 もし日本人配偶者が無職であったり、収入が少なかったりする場合は、身元保証人による支援や就職活動の状況などを参考資料として提出することで、生活基盤の安定性を示すことができます。

申請人の過去の在留状況や、日本での法令遵守状況も確認されます。 過去にオーバーステイ歴がある場合や、納税義務(住民税・年金・健康保険など)を果たしていない場合は、審査においてマイナス要因となる可能性があります。特に、他の在留資格からの変更申請の場合は、これまでの在留状況が良好であったかが問われる傾向にあります。

許可された場合に付与される在留期間は、「5年」「3年」「1年」「6月」のいずれかです。 初回申請時や、婚姻期間が短い場合、あるいは生計の安定性に若干の不安があると判断された場合は、「1年」が付与されるケースが多い傾向にあります。 その後、更新申請を重ね、婚姻生活の安定性や日本での定着性が認められれば、「3年」や「5年」へと期間が伸長される可能性があります。「3年」以上の在留期間を得ることは、将来的に「永住者」への在留資格変更(永住権申請)を行うための要件の一つともなっています。

在留資格「日本人の配偶者等」は、就労制限がなく、日本社会に定着して生活するための強力な基盤となる資格です。しかし、そのメリットの大きさゆえに、申請時の審査は慎重に行われます。特に「婚姻の真正性」と「経済的な基盤」については、申請者側が積極的に証明資料を提出し、疑義を持たれないように説明を尽くすことが、許可への近道であると言えます。個別の事情により必要な書類が異なる場合も多いため、不安な点がある場合は、専門的な知識を持つ行政書士等に相談し、適切な準備を進めることが推奨されます。

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