商業登記関係 電子公告調査機関のうち、一社の電子公告調査サービスの新規登録と一部サービスの休止
電子公告調査機関
会社は、公告方法として、次に掲げる方法のいずれかを定款で定めることができます(会社法第939条1項)。
- 官報に掲載する方法
- 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法
- 電子公告
電子公告をする会社は、決算公告を除き、公告期間中、当該公告の内容である情報が不特定多数の者が提供を受けることができる状態に置かれているかどうかについて、調査機関に対し、調査を行うことを求めなければなりません(会社法第941条)。
電子公告調査機関は、法務大臣の登録を受けた者に限られており、次のページで確認をすることができます。
司法書士としては、資本金の減少、組織再編、株式会社から合同会社への組織変更等を行う際に、債権者保護手続きにおいて≫ダブル公告をするときに電子公告調査機関と接することがあります。
グローリー株式会社の一部サービスの休止
電子公告調査機関であるグローリー株式会社が、 2020年4月17日~5月6日(今後の状況により延長の場合もあります)の間、電子公告調査申請の受付及び調査結果通知の発行(書面又はCD-Rによる提供に限る。)の業務を休止するようです。
2020年4月7日付で新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言が発令されたことを受けたためとされています。
電子公告調査機関は5社あるため、上記期間中に新たに電子公告調査を申し込むのであれば、他の4社を利用するしかありません。
株式会社ファイブドライブ
当事務所では、電子公告調査の手配をするときは≫株式会社ファイブドライブ社にお願いしております。
株式会社ファイブドライブ社においては、2020年4月18日現在、次の「重要なお知らせ」が表示されています。
事業所の移転に伴う、電子証明書の一時的な失効について(予告)
弊社本店の移転に伴い、5月中旬から6月中旬の間の数日間、電子公告調査結果通知書の電子証明書が一時的に失効状態となります。
(詳細な日時が分かりましたら掲示いたします。)
この数日間は、登記所に pdf の電子公告調査結果通知書を提出できません。(紙の電子公告調査結果通知書を提出する必要があります。)
これから電子公告調査を依頼するときは、調査会社の情報を確認し、申込みされることをお勧めします。
特に、債権者保護手続きに不備(公告期間が足りない、電子公告調査結果通知書が無い等)があると、資本金の減少や組織再編の登記が原則として通りませんので、ご注意いただければと思います。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。