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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

端数株式が生じない株式併合では、単元株式数の設定をすると手続きが少し簡易に?

株式併合の手続き

株式会社は、株式の併合をすることができます(会社法第180条1項)。

株式の併合とは、複数の株式を、それよりも少ない株式数にすることをいい、例えば10株を1株にしたり、3株を2株にしたりすることができます。

平成26年改正会社法が施行されて以降、それより前に比べて、株式併合をするために必要となる手続きは増えました。

≫2018年(平成26年)改正会社法施行後の株式併合の手続きと登記(キャッシュ・アウト)

株式の併合に関する書面等の事前備置等

株式併合をするときに、会社法第182条の2以降第182条の6までの手続きが煩雑であるため、株式併合に反対する株主がいない場合であっても、書面等の事前備置・事後備置の手続きを省略することができません。

会社法第182条の2から第182条の6までの手続きの内容は次のとおりです。

  • 株式の併合に関する書面等の事前備置き
  • 株式の併合をやめることの請求
  • 反対株主の株式買取請求
  • 株式の価格の決定等(株式買取請求があった場合)
  • 株式の併合に関する書面等の事後備置き

単元株式数と株式併合

会社法第182条の2から第182条の6までの手続きは、次の株式会社においては不要となります(会社法第182条の2第1項)。

  1. 単元株式数(種類株式発行会社にあっては、併合をする種類の株式の単元株式数)を定めていて、かつ、
  2. 当該単元株式数に、併合の割合を乗じて得た数に端数が生じない。

例えば、種類株式を発行していない会社を前提とすると、単元株式数が100株の株式会社が、100株を1株にする株式併合をしたり、20株を1株にする株式併合をしたりするようなケースです。

単元株式数を設定する

非公開会社で単元株式数を定款に定めている株式会社は多くはありません。

そのため、もし株式併合をするときに、会社法第182条の2から第182条の6までの手続きを省略したいのであれば、単元株式数を定款に定めることを検討してもいいかもしれません。

株式併合後、単元株式数の設定が不要であれば、株式併合の効力発生後に単元株式数の設定を廃止することもできます。

なお、単元未満株主は、株式会社に対し、自己の有する単元未満株式を買い取ることを請求することができますので(会社法第192条1項)、株式併合に対する反対株主の株式買取請求を避けるために単元株式数を用いても、期待通りの効果は得られないでしょう。

株式併合と単元株式数の変更

単元株式数を設定している株式会社が株式併合をしたときは、その併合の割合に応じて自動的に単元株式数も変更されるわけではありません。

そのため、必須ではありませんが、株式併合をすることによって単元未満株主になってしまう株主をフォローするために、株式併合と同時に単元株式数を変更することも考えられます。

単元株式数が10株である株式会社において、2株を1株に株式併合するようなケースがあったとします。

株式併合前に10株を保有している株主は1議決権を保有していたところ、株式併合によって単元未満株主となり議決権がゼロになってしまうため、単元株式数を10株から5株に変更するようなイメージです。

そうすることで、株主の議決権数に変更を生じさせずに株式併合を行うことができます。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

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