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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

外国会社の日本における代表者として個人だけではなく法人も登記可能に

外国会社と日本における代表者

外国会社の登記事項は会社法第933条2項に列挙されており、その一つに「日本における代表者の氏名及び住所」があります。

以前は、日本における代表者は個人に限られていました。

これが今般、大きく次の2点について扱いが変わりました(令和4年6月24日付法務省民商第307号)。

  1. 日本における代表者は法人でも可
  2. 日本における代表者が弁護士等であるときは、その住所として、当該弁護士等の事務所の所在場所を登記可

【参考】≫外国会社の登記を忘れていませんか?(法務省)
 

日本における代表者が法人

日本における代表者が法人でも登記可能となりましたが、この法人の種類に指定はありませんので、一例として次のような法人が日本における代表者になることができます。

  • 株式会社、持分会社、一般社団法人又は一般財団法人
  • 日本において登記された外国会社
  • 日本において登記されていない外国会社

 

日本における代表者が法人であるときの住所要件

日本における代表者のうち1人以上は、日本に住所を有する者でなければならないところ、日本における代表者が法人の場合はどうでしょうか。

他の日本における代表者が日本に住所を有する場合を除き、日本における代表者たる法人の住所要件は次のとおりです。

日本における代表者たる法人の種類
日本における代表者たる法人の住所
株式会社
持分会社(合同会社等)
一般社団法人又は一般財団法人

日本に本店又は主たる事務所を有する必要あり
日本において登記された外国会社
代表者が日本に住所を有する必要あり
日本において登記されていない外国会社
代表者が日本に住所を有する必要あり

会社法第817条1項
外国会社は、日本において取引を継続してしようとするときは、日本における代表者を定めなければならない。この場合において、その日本における代表者のうち一人以上は、日本に住所を有する者でなければならない。

 

日本における代表者が法人の職務を行うべき者

法人それ自体は日本における代表者としての職務を行うことができませんので、次の者がその職務を行います。

日本における代表者たる法人の種類
職務を行うべき者
株式会社
持分会社(合同会社等)
一般社団法人又は一般財団法人

当該各法人の代表者
合同会社(代表社員が法人)
当該代表社員たる法人の代表者又は職務執行者
日本において登記された外国会社
当該外国会社の日本における代表者
日本において登記されていない外国会社
当該外国会社の代表者

 

印鑑証明書には何が記載されるか

日本における代表者が個人の場合、その印鑑証明書には外国会社の会社法人等番号、商号、本店、日本における代表者の氏名、日本における代表者の生年月日が記載されるところ、日本における代表者が法人の場合は、その印鑑証明書には次の事項が記載されます。

  • 外国会社の会社法人等番号
  • 外国会社の商号
  • 外国会社の本店
  • 日本における代表者たる法人の商号又は名称
  • 日本における代表者たる法人の本店又は主たる事務所
  • 日本における代表者たる法人の代表者の氏名及び生年月日

 

Google LLCとマイクロソフト・コーポレーション

2022年に外国会社の登記をしたGoogle LLCとマイクロソフト・コーポレーションは早速次の内容で登記をしています。

  • Google LLC・・・日本における代表者が法人
  • マイクロソフト・コーポレーション・・・(おそらく)日本における代表者の住所が法律事務所

前者につき、日本における代表者たる法人の本店及び商号が記載されていますが、その職務執行者のようなものは登記されていません。

事業目的につき、●●製品で止まっておりそれをどうするのか(開発?販売?)の記載がない、あるいは「および」と「及び」が一文に併存している点が気になる人が、司法書士には多いかもしれません(職業病)。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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