不動産登記関係 和解調書に基づく抵当権設定登記
抵当権者(権利者)の単独申請
確定した判決や和解調書に基づき抵当権を設定するときは、権利者たる抵当権者が単独で登記申請を行うことができます。
登記手続きをする旨
和解調書に基づき抵当権の設定登記をする場合は、被担保債権の明示とともに、抵当権設定登記手続きをする旨の記載が必要とされています。
【記載例】
~~~~~~平成28年9月30日和解同日設定を原因とする抵当権設定登記手続をする。
所有者(抵当権設定者)の住所が現在の住所と異なる
登記名義人の登記簿上の住所と現在の住所が異なっているときに、抵当権の設定、抹消、所有権の移転などの登記申請をするときは、前提として所有者の住所変更の登記をしなければならないとされています。
このことは和解調書に基づく抵当権設定登記についても当てはまります(判決に基づく抵当権設定登記でも同様です)。
和解調書に住所が併記されている
抵当権設定者の住所につき、和解調書に登記簿上の住所と現在の住所が併記されている場合でも、登記名義人たる抵当権設定者の住所変更登記を省略して、抵当権設定登記をすることはできません。必ず登記名義人の住所変更登記をする必要があります。
代位登記
和解調書に基づき抵当権設定登記申請を、権利者たる抵当権者が単独で登記申請をすることができるのは先に述べたとおりです。
登記名義人の住所変更登記が必要な場合に、登記名義人が当該登記申請に協力をしてくれないこともあるかもしれません。そのときは、和解調書を代位原因証書とすることにより、抵当権者が(代位することにより)単独で住所変更登記の申請をすることになります。
和解調書に基づく抵当権設定登記費用
抵当権の債権額によって、司法書士報酬及び登録免許税の金額が変動します。
当事務所にご依頼いただいた場合の費用につきましては、こちらの≫お問い合わせフォームよりお問い合わせください。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。