商業登記関係 【2022年9月1日以降】支店の所在地における登記の廃止
支店の所在地における登記の廃止
負担軽減等の観点から、2022年9月1日付けで会社の支店の所在地における登記が廃止されます。
これにより、支店の所在地における登記に変更が生じた場合も、2022年9月1日以降は当該変更登記の申請は不要となります。
また、この登記記録の閉鎖は登記官によって行われるため、会社側でこの登記記録の閉鎖に関する登記申請をする等のアクションは不要とされています。
支店の所在地における登記とは(本項は2022年8月現在の話です)
株式会社の登記事項の一つに「本店及び支店の所在場所」があります(会社法第911条3項3号)。
本店の所在地を管轄する登記所の管轄区域外に支店がある場合は、支店の所在地における登記もしなければなりません(会社法第930条1項)。
支店の所在地における登記事項は次のとおりですので、設立時や新たに支店を設置したときは必要に応じて支店の所在地における登記を行い、商号又は本店を変更したときも支店の所在地における登記の変更をする必要があります。
- 商号
- 本店の所在場所
- 支店(その所在地を管轄する登記所の管轄区域内にあるものに限る。)の所在場所
本店の所在地における支店の登記は今後も必要
支店の所在地における登記は廃止されますが、本店の所在地における「支店の所在場所」の登記事項は2022年9月1日以降も残ります。
設立時から会社法上の支店を設置するときは、設立の登記申請において支店の所在場所も登記をすることに変わりはありません。
また、会社法上の支店を設置したときは、設置したときから2週間以内に本店の所在地において支店の所在場所を登記することも同様です。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。