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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

2022年12月31日までに減資をするには、いつまでに手続きをスタートさせるべきでしょうか

事業年度末までに減資をしたい

期中に増資をした株式会社が、事業年度の末までに資本金を1億円以下に減資したいというニーズは少なくありません。

事業年度末が12月31日である株式会社が2022年12月31日までに減資をするのであれば、そろそろ減資の手続きを検討しスケジュールを立てておくと今から手続きスタートしても間に合わない、、、ということを避けることができます。

減資手続きの内容については、こちらの記事をご確認ください。

≫株式会社の資本金の額の減少(減資)手続き

減資手続きに必要な期間

減資の手続きには条件が揃っている株式会社でも1ヶ月+1週間以上かかりますので、11月末になって今年中に減資をしたいと思っても今年中の減資は間に合いません。

10月下旬には減資をすることの意思決定をし、遅くとも11月上旬には手続きをスタートすることが望ましいといえます。

11月は、11月3日(文化の日)と11月23日(勤労感謝の日)が祝日ですので、官報その他の公告申込みから掲載までの期間の計算するときは、それを考慮する必要があります。

減資スケジュールの検討事項

減資のスケジュールを検討する上で、次の事項はスケジュールに大きな影響を及ぼします。

  1. 債権者保護手続きをどの方法で行うか
  2. 決算公告を既に行っているか
  3. 催告をする債権者がいるかどうか

特に、公告方法が官報又は日刊新聞紙で、かつ決算公告を行っていない場合は、決算公告の申込み+掲載をスケジュールに組み込む必要がありますので、そうでない場合に比べて時間がかかります。

現在の公告方法が「官報」である株式会社

会社の公告をする方法が官報である会社は多いかと思います。

現在の定款で定める公告方法が官報である会社は、一例として次のいずれかの方法を採用するケースが多い印象です。この方法が最も優れている、というものはありませんが、会社の事情によって最適な方法というのはあるかもしれません。

  • 官報で減資公告+各債権者へ個別催告(債権者がいない場合は官報公告のみ)
  • 公告方法を「日刊工業新聞」に変更した上で≫ダブル公告
  • 公告方法を「電子」に変更した上で≫ダブル公告

公告方法が日刊新聞紙あるいは電子である会社は、公告方法を変更せずに≫ダブル公告をすることが多いでしょうか。

手続きスケジュール例

以下、減資スケジュールの一例です。あくまで一例ですので、自社で手続きをされる場合は十分にご注意の上、手続きをされてください。

債権者保護手続きを開始した後に株主総会の決議をしていますが、もちろん株主総会を先行させても問題ありません。種類株式に減資に関する拒否権が付いている場合は種類株主総会の決議も行ってください。

公告方法が日刊新聞紙又は電子である会社も、「官報公告」+「各債権者へ個別催告」の方法を採用することが可能です。

減資の手続きは11月にスタートさせ、債権者保護手続きの期間中である12月に増資をすることも可能です。その場合、株主総会の決議あるいは公告の内容となる「減少させる資本金の額」にはご注意ください。

年度末までに必ず減資をされたい場合は専門家にご相談・ご依頼ください。

官報公告+各債権者へ個別催告

公告方法が官報である会社が、債権者保護手続きを官報公告+各債権者へ個別催告する場合のスケジュール例です。

<決算公告をしておらず、同時公告を行う場合>

スケジュール
減資の手続き

11月9日(水曜日)
取締役会の決議(減資の内容決定、株主総会の招集決定)

※官報へ公告の申込み

11月25日(金曜日)
減資公告が掲載(官報)※決算+減資の同時公告

知れたる債権者へ催告書発送
12月12日(月曜日)株主総会の招集通知の発送
12月20日(火曜日)株主総会の決議
12月27日(火曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月28日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月28日(水曜日)以降登記申請(減資)

<決算公告を既にしている場合>
スケジュール
減資の手続き

11月16日(水曜日)
取締役会の決議(減資の内容決定、株主総会の招集決定)

※官報へ公告の申込み
11月24日(木曜日)知れたる債権者へ催告書発送
11月25日(金曜日)減資公告が掲載(官報)
12月12日(月曜日)株主総会の招集通知の発送
12月20日(火曜日)株主総会の決議
12月26日(月曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月28日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月28日(水曜日)以降登記申請(減資)

官報公告+日刊工業新聞公告

公告方法が日刊工業新聞である会社が、債権者保護手続きを官報+日刊工業新聞公告によって行う場合のスケジュール例です。決算公告を既に行っている前提です。

スケジュール
減資の手続き
11月11日(金曜日)取締役会の決議(減資の内容決定、株主総会の招集決定)

※官報+日刊工業新聞へ公告の申込み
11月25日(金曜日)減資公告が掲載(官報+日刊工業新聞)
12月12日(月曜日)株主総会の招集通知の発送
12月20日(火曜日)株主総会の決議
12月26日(月曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月28日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月28日(水曜日)以降登記申請(2週間以内)

官報公告+電子公告

公告方法が電子である会社が、債権者保護手続きを官報公告+電子公告によって行う場合のスケジュール例です。

スケジュール
減資の手続き
11月16日(水曜日)取締役会の決議(減資の内容決定、株主総会の招集決定)

※官報へ公告の申込み+電子公告調査会社へ申込み

11月25日(金曜日)
減資公告が掲載(官報)

公告URLへ減資公告の掲載
12月12日(月曜日)株主総会の招集通知の発送
12月20日(火曜日)株主総会の決議
12月26日(月曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月28日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月28日(水曜日)以降登記申請(2週間以内)

電子公告調査につき、≫サイバーアイのサービス利用を前提としています。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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