会社設立・商業登記・不動産登記等は東京都港区の【RSM汐留パートナーズ司法書士法人】- 法人設立代行・創業支援

代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

会社、法人における同一商号・同一本店の禁止と商号調査をする方法

同一商号・同一本店の禁止

会社の登記をするときに、既に登記されている商号と同一であり、かつ、その本店の所在場所が同一であるときは、その登記をすることができないこととされています(商業登記法第27条)。

これは、東京都港区新橋十丁目10番10号を本店とするXYZ株式会社が既に存在しているときに、同じ場所にXYZ株式会社を設立又は他の場所にあるXYZ株式会社が同じ場所に本店移転をすることができないことを意味しています。

商業登記法第27条
商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあつては、本店。以下この条において同じ。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない。

同じ場所に同じ社名の会社が存在すると会社の区別ができないことにより取引の安全性を害する恐れがあること等から、この規定が設けられています。

この規定を特に気にしなければならないタイミングは、会社の設立(新設型組織再編や組織変更を含む)をするときと、商号の変更をするとき、会社の本店移転をするときです。

商号調査をする方法

会社設立をするときに、同じ商号の会社が同じ場所に存在することが禁止されているため、まずは使用したい商号を用いた会社が使用したい本店の所在場所に存在するかの確認をします。

全ての会社がWEBサイトを持っているわけでなく、また、自社サイトがあったとしても登記簿に記載された本店を自社サイトに記載しているか不明であるため、GoogleやYahooといった検索エンジンで検索するだけでは調査が足りません。

登記簿に記録された商号・本店を調べる方法としては、次の2つがあります。

  1. 登記・供託オンライン申請システムで検索する。
  2. 国税庁法人番号公表サイトで検索する。

どちらも無料ですが、上記1.は初めて利用するときに登録作業があることと利用できる時間が決まっているため、上記2.の方が利便性は高いかもしれません。

どちらも、使用したい商号・本店(ビル名や階層、部屋番号は入力しない)を入力し、使用したい商号・本店を用いた会社が存在しないかをチェックします。ただし、あくまでチェックをした時点において存在している会社しかヒットしませんので、設立登記申請までに使用したい商号・本店を用いた会社が誕生しないことを保証するものではありません。

同一商号・同一本店禁止の具体的なルール

同一商号・同一本店禁止の具体的なルールは次のとおりです。

「XYZ株式会社」を「東京都港区新橋十丁目10番10号」に設立するために商号調査をするというケースです。

検索の結果
設立登記
東京都港区十丁目10番11号を本店とするXYZ株式会社がある。
東京都港区10-10-10を本店とするXYZ株式会社がある。
不可
東京都港区十丁目10番地の1を本店とするXYZ株式会社がある。
不可
東京都港区十丁目10番10-101号を本店とするXYZ株式会社がある。
不可
同じ場所にXYZ株式会社がある。
不可
同じ場所にXYZ2株式会社がある。
同じ場所に株式会社XYZがある。
同じ場所にXYZ合同会社、XYZ有限会社がある。
同じ場所にエックスワイジー株式会社がある。
同じ場所にXYZ株式会社(解散中、清算結了前)がある。
不可
同じ場所にXYZ株式会社(清算結了登記済み)がある。

なお、同じ場所に同じ商号の会社がないことはその設立登記や本店移転登記をすることができますが、同商号にて商標が取得されている等はまた別の話であり、また、既にある会社を害することを目的として同じ商号の設立することは避けましょう。

会社法第8条
1 何人も、不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
2 前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。

この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
様々なサポートを行っております。


ご相談・お問い合わせは
こちらからどうぞ

お見積りは無料です。

   

〒105-7133 東京都港区東新橋一丁目5番2号 汐留シティセンター33階