会社設立・商業登記・不動産登記等は東京都港区の【RSM汐留パートナーズ司法書士法人】- 法人設立代行・創業支援

代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

署名証明書(サイン証明書)の取得地

商業登記の申請書に印鑑証明書の添付を要するケース

株式会社にかかる登記の申請において次のような申請(一例)を行うときは、市区町村長の作成した印鑑証明書(カッコ内の人のもの)を添付する必要があります。

  • 会社設立(代表取締役)
  • 会社設立(取締役会の無い会社の取締役)
  • 代表取締役の就任(代表取締役)(不要なケースあり)
  • 代表取締役の就任(取締役)(必要なケースあり)
  • 印鑑提出をしている代表取締役の辞任(当該代表取締役)
    ≫代表取締役の辞任届に押す印鑑

この他に、法務局に印鑑を届け出るときは印鑑届書と併せて印鑑証明書も提出する必要があります。また、本人確認証明書として印鑑証明書を利用することもできます。

印鑑証明書を添付できないケース

例えば日本に住所を有しない外国人の方が株式会社の代表取締役に就任をするようなケースにおいては、当該外国人の方の市区町村長の作成した印鑑証明書は添付することができません。日本に住所を有していないため、市区町村長が印鑑証明書を作成することができないためです。

このような場合は、当該外国人の本国官憲の作成した証明書の添付をもって、市区町村長の作成した印鑑証明書の添付に代えることができます。この本国官憲の作成した証明書を署名証明書やサイン証明書といったりします。

なお、外国人の方でも日本に住所を有していて市区町村長の作成した印鑑証明書を取得できるのであれば、それを登記申請の添付書類として使用することができます。

本国官憲の作成した証明書

「当該外国人の本国官憲の作成した証明書の添付をもって」の本国官憲の本国とは、当該外国人の国籍のある国を指しますので、例えばアメリカ人の場合はアメリカ大使館・領事館やアメリカ本土の公証人などが本国官憲にあたります。

中国在住のアメリカ人の場合、登記実務上、平成28年6月末までは

  • アメリカ本国の公証人
  • 日本におけるアメリカ領事

のどちらかが作成した証明書が必要とされていました。つまり、中国にあるアメリカ大使館・領事館の領事が作成した証明書は商業登記の添付書類としては認められていなかったと思います。

しかし、それでは当該アメリカ人がわざわざ署名証明を取得するためだけにアメリカまたは日本に行かなくてはならず、非常に不便であるといえます。

外国人が居住する国等にある当該外国人の本国官憲が作成した証明書

平成28年6月28日の法務省の通達により、当該外国人が居住する国等に所在する当該外国人の本国官憲が作成した証明書でも、市区町村長の作成した印鑑証明書に代えることができることが明らかとなりました。

上記の中国在住のアメリカ人の場合、

  • 中国に駐在するアメリカ領事

が作成した証明書でもOKということです。ちなみに中国の公証人は外国官憲にあたりますので、中国の公証人が作成した証明書は不可となります。

法務省の平成28年6月28日民商第100号通達
商業登記の申請書に添付する外国人の署名証明書について

平成28年6月28日以降、商業登記の申請書に添付する外国人の署名証明書については、当該外国人が居住する国等に所在する当該外国人の本国官憲が作成したものでも差し支えないこととされましたので、お知らせいたします。

日本の公証人や外国官憲の作成した証明書

<法務省の平成28年6月28日民商第100号通達>

上記通達の第3にあるとおり、市区町村長の作成した印鑑証明書に代えて本国官憲の作成した証明書を添付するケースで、当該外国人の本国の法制上の理由等の真にやむを得ない事情から本国官憲の作成した証明書を取得することができないときは、次の2点を添付することにより市区町村長の作成した印鑑証明書に代えることができます。

  • その旨の登記の申請書に押印すべき者の作成した上申書
  • 日本の公証人または当該外国人が現に居住している国の官憲が作成した証明書

当該外国人が現に居住している国の官憲が作成した証明書とは、中国在住のアメリカ人のケースでいう中国の公証役場(外国官憲)のことをいうのだと思います。

当該外国人の本国の法制上の理由等の真にやむを得ない事情とは、どのような事情なのか、実務で遭遇したときにでも。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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