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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株式会社の本店移転の手続きと登記手続き

本店移転の手続き

会社の本店所在場所は登記事項とされていますので、会社がその本店を変更したときはその登記申請をしなければなりません。本店移転の効力発生日(本店移転日)から2週間以内にその変更登記をしなかったときは、過料に処せられる可能性があります。

会社の本店を変更するときは、株主総会の決議及び/又は取締役会の決議(取締役会非設置会社は取締役の決定)によって変更(移転)します。

本店移転の方法

一般的には、東京都港区新橋一丁目1番1号に本店のある会社が、東京都中央区銀座一丁目1番1号に本店を移転するときは、株主総会の決議によって定款を変更し(「本店を東京都港区に置く」から「東京都中央区に置く」へ変更)、具体的な本店の場所と移転日の決定を取締役会の決議(取締役会非設置会社は取締役の決定)によって行います。

≫定款の本店の所在地の記載について

管轄内本店移転と管轄外本店移転

管轄内に本店を移転するときと、管轄外へ本店を移転するときでは手続き、その難易度、そして費用も変わります。

管轄内本店移転とは、移転する前の本店と移転した後の本店を管轄する法務局が同一である本店移転のことをいいます。

例えば、東京都港区内で本店を移転する(東京法務局港出張所)、埼玉県内で本店を移転する(さいたま地方法務局)、神奈川県川崎市から横浜市へ本店を移転する(横浜地方法務局)ようなケースです。

管轄外本店移転とは、移転する前の本店と移転した後の本店を管轄する法務局が異なる本店移転のことをいいます。

例えば、東京都港区から東京都中央区へ本店を移転する(東京法務局港出張所から東京法務局へ)、埼玉県から千葉県へ本店を移転する(さいたま地方法務局から千葉地方法務局)、神奈川県鎌倉市から横浜市へ本店を移転する(横浜地方法務局湘南支局から横浜地方法務局)ようなケースです。

本店のビル名が変わったとき

ビルのオーナーが変わったことにより、ビル名が変わることがあります。

このようなケースでは、ビル名まで登記をしている会社は、実質的には本店を移転していないのにもかかわらず本店変更(移転)の登記をすることになります。

法務局によって、本店の変更の決議にかかる取締役会議事録等の書類を要求されることもあります。

本店移転の決定を株主総会だけで全て済ますことができるか

一般的には、株主総会の決議によって定款を変更し(本店を「東京都港区に置く」から「東京都中央区に置く」へ変更)、具体的な本店の場所と移転日の決定を取締役会の決議(取締役会非設置会社は取締役の決定)によって行います。

これを株主総会の決議だけで行うことも可能でしょうか。

取締役会非設置会社

取締役会非設置会社は、株主総会でほとんどのことを決議することができますので、具体的な本店の場所を株主総会で決議することもできます。

第1号議案で定款変更(本店を「東京都港区に置く」から「東京都中央区に置く」へ変更)、第2号議案で具体的な本店の場所と移転日を決議します。あるいは定款に具体的な本店の所在場所(本店を東京都港区新橋1丁目7番10号に置く)を決める方法でも、株主総会の決議だけで行うこともできます。

取締役会設置会社

取締役会設置会社における株主総会は、会社法に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができます(会社法第295条)。

本店の所在場所及び移転日は取締役会の決議事項であるため、原則的には株主総会においてそれらを決議することはできませんが、定款でそれらを決議することができると定めることにより、株主総会においてそれらを決議することが可能となります。

そのため株主総会において、第1号議案で定款変更(本店を「東京都港区に置く」から「東京都中央区に置く」へ変更)(本店の所在場所、移転日を株主総会で決議することができる旨の追加、必要に応じて本店移転の効力発生日をもって本条項が削除される旨の記載)、第2号議案で具体的な本店の場所と移転日を決議することも可能です。

≫取締役会設置会社の代表取締役の選定

管轄内で本店移転をしたときの登録免許税

株式会社が管轄内本店移転の登記申請をするときは、登録免許税として3万円を納めます。

管轄外へ本店移転をしたときの登記の費用例

株式会社が管轄外本店移転の登記申請をするときは、登録免許税として計6万円を納めます。

本店移転登記に必要な書類

本店移転の登記には、一般的に次の書類を準備します。管轄内移転、管轄外移転、取締役会の有無や定款の記載によって準備する書類は異なります。

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 取締役会議事録
  • 定款
  • 登記委任状
  • 印鑑届書
  • 印鑑カード交付申請書

(ケースによっては不要となる書類も記載しています。)


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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