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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

監査役廃止の登記と会計限定の登記

監査役を廃止する

監査役を廃止したときは、その効力発生日から2週間以内に法務局へその旨の登記申請をしなければなりません。

「監査役の監査の範囲を会計に限定する旨」の登記(以下、会計限定の登記といいます)がされている会社は、その登記も併せて抹消する必要があります。

(参考)
≫監査役の設置、廃止の登記

会計限定の登記は自動的に消えるか

監査役廃止の登記を申請すると、会計限定の登記を自動的に登記官が抹消してくれるかというと、抹消してくれません。

つまり会計限定の登記がされている株式会社が、監査役廃止の登記を申請するときは、併せて会計限定の登記の抹消登記も申請する必要があります。

もし会計限定の登記の抹消登記を申請し忘れてしまったときは、監査役が誰もおらず監査役設置会社の登記も抹消されているのに、会計限定の登記だけが残ってしまうことになります。

会計限定の登記を抹消するには、別途登録免許税の納付が必要

監査役廃止の登記の際に、会計限定の登記の抹消を忘れてしまったときは、別途会計限定の登記の抹消を申請する必要があります。

このときに登録免許税を1万円(資本金の額が1億円を超える会社は3万円)納めなくてはなりません。

監査役廃止の登記と一緒に会計限定の登記の抹消を申請していれば、上記1万円(または3万円)は不要です。

監査役の退任登記と会計限定の登記の抹消登記は、登録免許税が同一区分であるためです(監査役の退任と会計限定の登記の抹消併せて1万円(または3万円)となります)。

会計限定の登記をしていないが会計限定監査役がいる場合

会計限定の登記を現在してはいないが、実際には監査の権限が会計に限定されている監査役(以下、会計限定監査役といいます)がいる会社が監査役を廃止するときは、会計限定の登記はどうするのでしょうか。

平成27年5月1日以前から会計限定監査役がいるとき

平成27年5月1日以前から会計限定監査役がいる会社は、経過措置により平成27年5月1日以降に初めて就任または退任する監査役の登記と併せて会計限定の登記をすれば良いことになっています。

この経過措置期間中に監査役を廃止するときは、あえて会計限定の登記とその抹消登記をする必要はないというのが法務省の見解のようです。

平成27年5月1日以降に会計限定の規定を置いたとき

次のような会社が監査役を廃止するときは、会計限定の登記をする必要があるのでしょうか。

  • 平成27年5月1日以降に会計限定の規定を定款に定めた会社
  • 平成27年5月1日以前から会計限定監査役がいる会社で、平成27年5月1日以降に監査役の就任登記をしているが、会計限定の登記をし忘れている会社

登記簿は会社の実態を公示することが目的であること、登記事項に変更が生じたときは2週間以内にその登記をしなければならない(会社法第915条1項)ことから、会計限定の登記も必要ではないでしょうか。

監査役廃止の登記の添付書類から、監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されていることが分からないことがほとんどですので、会計限定の登記とその抹消登記を申請し忘れても、監査役廃止の登記は完了してしまうかと思われますが。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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