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代表司法書士・相続診断士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株式分割と新株予約権の登記内容の変更

株式分割と新株予約権

株式会社は、取締役会の決議(取締役会非設置会社の場合は株主総会の普通決議)によって、発行済株式を分割することができます。

1株を2株に分割するとしたときは、100株所有している株主はその所有株式が200株となり、500株所有している株主はその所有株式が1000株となります。

≫株式の分割と登記手続き

資金調達や株式交換をする際に、1株の価格を調整するために株式分割が利用されることがあります。

株式分割と新株予約権

新株予約権1個に対して普通株式1株(1000円とします)を交付するとしている新株予約権があるときに、会社が1株を10株に株式分割をしたとします(分割後、1株100円)。

もし新株予約権に特段の定めがなかった場合、新株予約権の価値が10分の1に希薄化してしまいます。

当該新株予約権が、10分の1に薄まった株式(1株100円)を取得する権利になってしまうためです。

新株予約権の希薄化防止条項

新株予約権には希薄化防止条項が付いていることが一般的です。

希薄化防止条項とは、会社が株式分割をしたとしても新株予約権の価値が落ちないようにするための条項です。

次のような記載が希薄化防止条項に該当します(これに限られません)。

 当社が株式分割または株式併合を行う場合は、次の算式により新株予約権の目的である株式の数を調整するものとする。ただし、この調整は、新株予約権のうち当該時点で権利行使されていない新株予約権の目的である株式の数についてのみ行ない、調整の結果により生じる1株未満の端数については、これを切り捨てるものとする。

 調整後株式数=調整前株式数×分割・併合の比率

希薄化防止条項の結果

希薄化防止条項があれば、自動的に新株予約権の目的である株式の数が調整されますので、株式分割があってもそれを原因として新株予約権の価値が落ちることがなくなります。

新株予約権1個に対して普通株式1株(1000円)を交付するとしている場合に、1株を10株にする株式分割がされたのであれば、上記条項に従い新株予約権1個の目的となる株式は10株(1株100円×10=1000円)になります。

株式分割と新株予約権の登記

株式分割を行うと、上記のとおり新株予約権の内容が変わります。

一例として、株式分割をすると(希薄化防止条項のある限り)新株予約権の目的である株式の数が変わります(増えます)。

調整式が登記簿に記載されているため、株式分割によって新株予約権の目的である株式の数が増えたことが分かりますので、その変更登記手続きをする義務があるのかどうかは一つの論点としてあります。

株式分割を繰り返すと新株予約権1個の目的である株式の数を把握しにくくなってしまうため、当事務所では原則として、株式分割にともない新株予約権の変更登記も申請しています。

新株予約権の変更事項

株式分割と併せて申請する、一般的な新株予約権の変更登記箇所は次のとおりです。

必要であれば、当該新株予約権の内容に応じて変更ください。

株式分割による新株予約権の変更登記が必要という立場に立った場合でも、新株予約権の内容によっては一切変更登記が不要な新株予約権の定め方もあります。

  • 新株予約権の目的たる株式の種類及び数又はその算定方法
  • 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額またはその算定方法

上記2.は、新株予約権の行使価額(+調整式)をあらかじめ定めているような場合に変更が生じます。

1株当たりの行使価額を1000円としているときに、1株を10株に分割した場合は、1株当たりの行使価額を100円とします。

新株予約権の変更と登録免許税

新株予約権の変更登記に係る登録免許税は3万円です。

株式分割と同一区分ですので、株式分割の変更登記と同時に新株予約権の変更登記をするときは、両方合わせて3万円となります。


この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留司法書士事務所では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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