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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株主総会における累積投票による取締役の選任

累積投票とは

累積投票とは、株式会社の取締役を選任する際に、議決権を有する各株主が、その有する株式1株につき、選任する取締役の数と同数の議決権を持つことを認める投票方法です。当該投票により、最多数をの投票を得た者から順に取締役に選任されたものとされます。(会社法342条)

なお、監査役を選任する際には累積投票を利用することはできないとされています。
 

具体例

累積投票を利用しない場合

普通株式100株を発行している株式会社で、株主が3名(A:60株、B:30株:C10株)いるとした場合、この株式会社が取締役を3名選任するとします。

候補者はAさんが推薦するDEFさんとBCさんが推薦するGさん。

この株式会社が取締役選任にかかる決議要件を定款で加重していない場合、議決権の過半数の決議により取締役を選任することができますので、議決権の過半数である60株を有するAさんが推薦するDEFさんが取締役に選任されることになるでしょう。

結果として過半数の議決権を有するAさんの意向しか反映されません。
 

累積投票を利用した場合

累積投票を利用した場合はどうなるでしょうか。
本事例では取締役3名を選任する予定ですので、各株主がそれぞれ次の数の議決権を行使することになります。

A:60株×3=議決権180個
B:30株×3=議決権90個
C:10株×3=議決権30個

当然、BさんとCさんは、候補者Gさんに議決権を全て行使します。その結果、Gさんは全部で300個の議決権のうち120個の議決権を獲得することになりますので、確実に選任されることになります。
(Aさんの議決権は180個であるため、DEFさん全員にそれぞれ121個の議決権を行使することは不可能です。)
 

累積投票制度の趣旨

本事例のように、累積投票を利用しなければ全て多数派であるAさんの意向に沿った取締役しか選任がされないところ、少数派であるBCさんの意向も取締役選任決議の際に反映をさせることができるようにする、少数株主の保護が累積投票制度の趣旨です。
 

累積投票を利用するには

取締役選任にかかる株主総会の5日前までに、株主が株式会社に対し、累積投票により取締役を選任することを請求する必要があります。
 

定款による排除が可能

累積投票は、定款によって排除をすることができます。累積投票を定款によって排除する場合、一般的には次のような文言を定款に定めます。

「取締役の選任は、累積投票によらない。」

会社の運営を安定させるためか、ほんとんどの会社に累積投票を排除する定款の定めがあるような気がします。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

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