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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

会社の事業目的と登記

会社の目的は定款の絶対的記載事項であり登記事項

会社を設立するとき、定款で会社の目的を定めなければならないとされています。また、会社の目的は登記事項です。

既に設立されている会社においては、会社の目的は必ず定款に記載されており、登記簿にも記載されているはずです。

なお、ここでいう会社の目的とは、「日本を元気にすること」や「自己実現」ではなく、その会社が(ある程度)具体的にどのような事業を行うのかを指します。

一般的なルール

会社法施行後は、目的の具体性を問わないとされています。「一切の適法な事業」という目的でも登記することは可能かと思います。
ただし、なんでもかんでもアリというわけではなく、一定のルールはあります。

明確性

目的の明確性とは、一般の方がその目的の語句・単語を見て理解をすることができることをいいます。
つまり、会社の目的として「スーパーミラクルファイナルアドバンススキルを用いたコンサルティング」とあっても、一般の方は意味を理解できないので会社目的としては不適格ということになります(平成28年6月14日現在)。

ある語句が使用できるかどうか、の一つの目安は国語辞典や広辞苑にその語句が記載されているかになりますが、記載されていない語句を使用したい場合は、定款認証をする予定の公証役場や法務局に確認してください。

適法性

法や公序良俗に反する目的は適法性を欠いており、会社の目的とすることができません。

簡単な例では、「賭博場の運営」や「オレオレ詐欺請負業」、「窃盗代理業」は会社の目的として不可ということになります。

また、「弁護士業」や「登記申請代行業務」のように、他の法律に触れる目的も不適格です。

具体性

「適法な一切の事業」や「商業」でも登記は通る可能性はありますが、何を事業としている会社か分からない、行政の許認可を受ける際に認可が下りない可能性があるなどの不利益を被る可能性がありますので、ある程度具体的に定める必要があると思います。

営利性

株式会社は営利法人(株主への配当をすることができる法人)であり、目的として営利性が求められていると解されています。
ただし、利益が確実に発生する事業ではなくても、利益の発生する可能性がある事業であればよいとされています。
「政治献金」のように会社が利益を得る可能性が全くない目的は、不適格であるとされています。

許認可の必要な事業

飲食店を経営したい、お酒を販売したい、産業廃棄物を取り扱いたい、たばこを販売したいなど、事業内容によっては国などの許可・認可が必要なケースがあります。

その場合は、定款の目的として一定の記載事項が必要とされていることが多いですので、許認可の必要な事業を設立当初から行うことを考えているようでしたら会社設立後に目的変更(追加)をすることがないように、検討しておく必要があります。

会社の目的の数

会社の目的の数は自由です。0はさすがにまずいですが、1つでもいいですし、50あっても問題ありません。
一つの意見として、あとあと会社目的を追加する必要がないように(目的変更には費用が発生します)、色々な、今後行う可能性のある事業を詰め込んでおくという目的の決め方もあります。

個人的には、会社の登記簿謄本を第三者が見たときに、この会社はこういう事業をやっている会社だというのが一目で分かる会社目的が好みではあります(実利があるかは分かりません)。

発起人が会社の場合

実務的に、発起人が会社となり100%子会社を設立する際は、親会社(発起人)と子会社(設立会社)の事業目的が、全く同一である必要はありませんが、少なくとも目的の一つは同じであることを公証人から求められますので、子会社設立の際はその点も注意が必要です。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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