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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

一般社団法人の定款に定めても無効となる事項は何か

一般社団法人と定款

一般社団法人を設立するときは設立時社員が定款を作成しなければならず(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下、「法人法」といいます。)第10条1項)、設立後も主たる事務所に定款を備え置かなければなりません。

一般社団法人の定款には、次の事項を記載・記録することができます(法人法第12条)。

  • 法人法により定款の定めがなければその効力を生じない事項
  • その他の事項で法人法の規定に違反しないもの

定款に定めても無効となる事項

法人法上、次の事項については定款に定めても無効となるとされています。

  1. 社員に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を与える旨
  2. 社員総会の決議事項について理事や理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができる旨
  3. 社員総会の決議事項の全部について社員が議決権を行使することができない旨
  4. 強行法規や公序良俗に反するもの
社員に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を与える旨

定款に当該一般社団法人の社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しません(法人法第11条2項)。

(定款の記載又は記録事項)
法人法第11条2項

社員に剰余金又は残余財産の分配を受ける権利を与える旨の定款の定めは、その効力を有しない。

社員総会の決議機関を社員総会以外とする旨

社員総会で決議する事項については法人法に定められており、社員総会で決議する事項を他の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しません(法人法第35条4項)。

例えば、理事の選任は社員総会の決議によって行うべきところ、これを理事会の決議で行うことができる旨の定款は無効となります。

(社員総会の権限)
法人法第35条4項

この法律の規定により社員総会の決議を必要とする事項について、理事、理事会その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定めは、その効力を有しない。

社員総会において議決権を行使することができない旨

社員は1人につき1個の議決権が付与されているところ、定款で別段の定めを設けることが許容されています(法人法第48条1項)。

≫一般社団法人において一人に複数の議決権を持たせることはできるか

しかし、社員が社員総会における全ての決議事項について議決権を行使することができない定款の定めは、その効力を有しません(法人法第48条2項)。

(議決権の数)
法人法第48条2項

前項ただし書の規定にかかわらず、社員総会において決議をする事項の全部につき社員が議決権を行使することができない旨の定款の定めは、その効力を有しない。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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