商業登記関係 合同会社の代表社員が法人であるときの、代表社員の住所変更登記
合同会社の代表社員と登記事項
合同会社の業務を執行する社員は、定款に別段の定めのない限り、当該合同会社を原則として代表し(会社法第599条1項)、代表社員の氏名又は名称及び住所は登記事項とされています(会社法第914条)。
業務執行社員及び代表社員は、個人だけでなく法人もなることができ、法人が代表社員となるときは当該法人の本店及び商号だけでなく、当該法人の職務執行者の氏名及び住所も登記事項となります。
代表社員たる法人が本店移転をしたときは、登記事項に変更が生じるため、その変更登記を申請する必要が生じます。
代表社員たる法人でなく、合同会社自身が本店を移転した場合の登記手続きについては、こちらの記事をご覧ください。
代表社員が個人の場合
代表社員が個人の場合は、当該社員の氏名及び住所が登記事項となります。
代表社員たる個人や、法人が代表社員であるときの職務執行者の住所に変更が生じたときの登記手続きについては、こちらの記事をご覧ください。
≫合同会社の代表社員(個人)、職務執行者の住所変更と住所変更登記手続き
代表社員たる法人の住所変更
代表社員たる法人に住所変更が生じたときは、その効力が生じた時から2週間以内に、当該住所変更に係る登記を管轄法務局へ申請します。
合同会社Aの代表社員が株式会社B、その職務執行者がCであるときに、株式会社Bの本店が移転した場合の、合同会社Aに関する登記申請をここでは指しています。
(もちろん、株式会社Bにつき本店移転による変更登記も申請する必要があります。)
添付書類
合同会社の代表社員が個人である場合の代表社員の住所変更に係る登記申請においては、添付書類は不要(代理人に依頼する場合は委任状が必要)とされています。
一方で、合同会社の代表社員が法人である場合の代表社員の住所変更に係る登記申請においては、当該代表社員の登記事項証明書の添付が求められています。
この代表社員たる法人の登記事項証明書は、当該法人の会社法人等番号を登記申請書に記載することによって添付を省略することができます。
そのため、まずは代表社員たる法人(上記の株式会社B)自身の本店移転の登記を先行して行います。
代表社員が外国法人の場合
代表社員が日本で登記をしていない外国法人の場合は、(日本の)登記事項証明書を添付することができません。
この場合、代表社員たる法人が移転した事実の記載のある宣誓供述書を、登記事項証明書の代わりに添付することになります。
登録免許税
代表社員の住所変更登記に関する登録免許税は1万円(資本金の額が1億円を超える場合は3万円)です。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。