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【Q&A】日本における外国人雇用&ビザ管理について

【Q&A】日本における外国人雇用&ビザ管理について

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年3月3日

日本国内での労働力不足に伴い、外国人材の活用は企業にとって欠かせない選択肢となっています。しかし、外国人雇用には入管法(出入国管理及び難民認定法)をはじめとする複雑なルールが存在し、適切な管理が行われていない場合、企業側が不法就労助長罪などの法的責任を問われるリスクも想定されます。本記事では、企業の人事担当者様や経営者様から頻繁に寄せられる質問をもとに、外国人雇用と在留資格(ビザ)管理に関する実務上の重要ポイントをQ&A形式で解説します。

採用面接等の段階で、「在留カード」の現物を確認することが推奨されます。特に以下の3点は必須の確認事項といえます。

  1. 在留カードの有無と有効性: カードの表面右上の「有効期間の満了日」を確認し、在留期限が切れていないかをチェックします。また、出入国在留管理庁の「在留カード等番号失効情報照会」サイトを利用し、カード自体が失効していないか確認することも有効です。
  2. 在留資格の種類: 「永住者」「日本人の配偶者等」などは就労制限がありませんが、「技術・人文知識・国際業務」などは許可された範囲内の業務に限られます。
  3. 就労制限の有無: カード表面の「就労制限の有無」欄を確認します。「就労不可」と記載されている場合(留学生や家族滞在など)は、裏面に「資格外活動許可」の記載がある場合のみ、時間制限付きで就労が可能です。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格は、基本的には大学等で学んだ専門知識または専門性のある関連業務の一定年数以上の経験を活かす業務に従事するためのものです。したがって、それらと関連性のない単純労働とみなされる業務(工場のライン作業、建設現場の作業員、飲食店のホール・厨房の専従など)に従事させることは、原則として認められていません。ただし、入社直後の研修期間として一時的に現場を経験させる程度であれば許容される場合もありますが、その期間や目的には合理性が求められます。恒常的に現場作業に従事させた場合、資格外活動として摘発されるリスクがあるため、配置転換や業務内容の変更には慎重な判断が必要です。

留学生(在留資格「留学」)は本来、就労が認められていませんが、入管から「資格外活動許可」を得ている場合に限りアルバイトが可能です。管理上の注意点は以下の通りです。

週28時間の制限:

残業時間を含め、週28時間以内でなければなりません。複数のアルバイトを掛け持ちしている場合、その合計時間が週28時間以内である必要があります。

長期休業期間の特例:

学則で定められた夏休みや冬休みなどの長期休業期間中は、1日8時間(週40時間)までの就労が認められる場合があります。

この制限を超えて働かせてしまった場合、本人だけでなく雇用主も不法就労助長罪に問われる可能性があるため、シフト管理の徹底が重要です。

在留期間の満了日までに更新申請または変更申請を行っている場合、たとえ新しい許可が下りる前に有効期限が到来しても、最大2ヶ月間は、従前の在留資格をもって日本に在留し、活動を継続できる特例期間が適用されるのが一般的です。この場合、在留カードの裏面に「在留期間更新等許可申請中」というスタンプが押されているか、あるいはオンライン申請等の受付票(受領証)があるかを確認することが重要です。ただし、結果が出ないまま特例期間も経過してしまうことのないよう、審査状況を適宜確認することが望まれます。

従来の技能実習制度は、開発途上国への技術移転(国際貢献)を目的としていましたが、実態として労働力確保の手段となっているとの指摘がありました。これを受け、2024年の法改正により新設された「育成就労」制度(※施行時期等の詳細は最新の法令をご確認ください)は、明確に「人材の確保と育成」を目的としています。大きな違いの一つとして、育成就労制度は原則として3年間の就労を通じ、一定の日本語能力と技能試験に合格することで「特定技能1号」への移行を目指す仕組みとなっている点が挙げられます。これにより、企業としてはより長期的な視点でのキャリアパスを提示しやすくなると考えられています。

外国人を雇用した場合と同様に、離職した場合もハローワークへ「外国人雇用状況届出」を行う義務があります。これは雇用保険の被保険者でない場合でも必要です。また、在留資格の種類によっては(「高度専門職」など)、本人または所属機関が入管に対して契約終了の届出を行うことが規定されている場合があります。義務違反には罰則が設けられていることもあるため、退職時の手続きについても社内フローを整備しておくことが重要です。

外国人雇用における在留資格管理は、入管法のみならず、労働法制とも密接に関わっており、そのルールは非常に細かく規定されています。個別の事案によって判断が分かれるケースも多いため、インターネット上の情報だけで判断せず、法改正などの最新情報を常に確認し、一つひとつのケースにおいて慎重にコンプライアンスを確認する姿勢が求められます。

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