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在留資格「公用」に係る日本における資格要件及び申請に必要な文書等その他留意点

在留資格「公用」に係る日本における資格要件及び申請に必要な文書等その他留意点

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年4月23日

日本における在留資格制度の中で、外国政府の公務を遂行する方々に付与されるのが在留資格「公用」です。この資格は、外交官に準ずる公的な活動を支える重要な枠組みであり、一般的な就労ビザとは異なる特殊な性格を有しています。

本記事では、在留資格「公用」の概要、該当する活動の範囲、申請に必要な書類、および実務上の留意点について、最新の情報に基づき解説します。

在留資格「公用」は、出入国管理及び難民認定法(入管法)において、「日本政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員として行う活動(外交の項に掲げる活動を除く)」と定義されています。

(1)外国政府の職員

外交官(在留資格「外交」)以外の、大使館や領事館の事務職員、技術職員、役務職員など。

(2)国際機関の職員

日本政府が承認した国際機関の公務に従事する方。

(3)上記の方の家族

「外交」が特権免除を伴う外交官等を対象とするのに対し、「公用」はそれ以外の公務従事者を対象としている点に特徴があります。

在留資格「公用」の取得にあたっては、以下の点が主な要件になると考えられます。

従事する活動が、外国政府または日本政府が承認した国際機関の「公務」であることが必須です。民間企業の業務や、個人的な営利活動は含まれません。

当該外国政府や国際機関から正式に派遣されていること、あるいは雇用されていることを証明する必要があります。これらは通常、派遣元政府等が発行する公文書によって判断されます。

「公用」の申請(交付申請、変更申請、更新申請)においては、派遣元政府等の公的な証明が極めて重要視されます。

  • 在留資格認定証明書交付申請書(または変更・更新申請書)
  • 規定の規格を満たした顔写真
  • 口上書(Note Verbale)

派遣元の外国政府または国際機関が発行したもの。派遣される方の氏名、官職、任務の内容、予定される在留期間などが明記されている必要があります。

  • (参考資料として)派遣元政府の発行した証明書や、国際機関の職員証の写しなど。

※家族の場合

上記のほか、戸籍謄本や婚姻証明書、出生証明書など、世帯主との関係を証する公的書類(日本語訳の添付が必要とされる場合があります)。

※個別の事案により、追加の疎明資料が求められる場合があります。

在留資格「公用」に付与される在留期間は、「5年」「3年」「1年」「3月」「30日」または「15日」のいずれかとなります。

公務の遂行期間に合わせて決定されるのが一般的ですが、期間を超えて滞在が必要な場合には、在留期間更新許可申請を行う必要があります。この際も、引き続き公務に従事することを証明する新たな口上書の提出が求められる傾向にあります。

「公用」の在留資格を取り扱う際には、以下の点に留意が必要と考えられます。

在留資格「公用」は、あくまで特定の公務を行うための資格です。原則として、その本来の活動を妨げない範囲であっても、資格外活動許可を得てアルバイト等の営利活動を行うことは想定されていないのが一般的です。

「同一世帯に属する家族」として認められるのは、原則として配偶者や子です。家族として「公用」の在留資格を有している間は、原則として就労は認められないと解されるため、就労を希望する場合には適切な在留資格への変更を検討する必要が生じる可能性があります。

公務を退き、引き続き日本に滞在(観光や他の就労など)を希望する場合は、速やかに他の在留資格への変更申請を行う必要があります。「公用」の身分を喪失した状態で滞在を続けることは、在留資格の取消事由に該当するおそれがあるため、注意が求められます。

在留資格「公用」は、外国政府や国際機関との円滑な関係を維持するための重要な制度です。申請にあたっては、派遣元政府発行の「口上書」の内容が審査の根幹を成すため、その記載内容に不備がないよう確認することが肝要です。

また、オンライン申請の普及等により手続きの利便性は向上していますが、公的な身分に関わる手続きである以上、正確な書類準備と制度への理解が求められると考えられます。

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