中堅ファームが日本を牽引する。ミドルマーケットを健全な成長の舞台へ
- 2026.03.05
- ビジネスの話
米国において、ミドルマーケットは極めて明確なセグメントとして確立されています。売上高3,000万ドル〜10億ドル(約45億~1,500億円)規模の企業が12万社以上存在し、米国全体の売上の約3分の1(約16兆ドル)を占め、5,000万人超の雇用を支えているのです。日本人の感覚からすると、これらは十分に「大企業」と呼べる規模感かもしれません。
特筆すべきは、この層に特化したサービス提供者が最適化されている点です。米国では、大企業(Large Enterprises)、中堅企業(Middle Market)、中小企業(SMEs)の各レイヤーごとに担い手が分かれており、提供価値・価格・スピード関与の深さが非常にクリアです。
これはミスマッチを避けるための極めて合理的な仕組みといえます。企業と士業のミスマッチは、双方が不幸になる結果を招きます。支払う側は「これほどの報酬を払っているのに」と不満を抱き、受け取る側は「この報酬では割に合わない」と疲弊してしまうからです。
対して日本では、こうした階層別の最適化が十分に進んでいるとは言えません。あえて厳しい意見を述べるならば、成長が停滞し、国内ビジネスが主軸である時価総額数十億円規模の上場企業に対し、Big4による監査は「オーバースペック」となっているケースも見受けられます。
また、欧米のプロフェッショナルは、どのレイヤーであっても自らが提供すべき価値を明確に定義し、そこに誇りを持って取り組んでいます。「誰に、何を、どこまで提供するか」が整理されていることが、結果として経済活動全体の効率化にも繋がっているのでしょう。
今後、人材の流動化やテクノロジーの進化、PEファンドの台頭を背景に、日本でも「企業のフェーズに合った価値提供」がより強く求められるはずです。この変化が自然に訪れるのを待つのか、それとも中堅・中小ファームが自ら牽引していくのか。私は、間違いなく後者でありたい、後者にしていくべきだと考えています。
ミドルマーケットは、決して経済の「周縁」ではありません。ミスマッチを解消し、企業とプロフェッショナルの双方が健全に成長できる「主戦場」です。その一端を担い、日本の経済活性化に貢献できるよう、今後も邁進してまいります。
