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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

取締役会の決議を書面又は電磁的記録で行う準備はできていますか?

取締役会の書面決議

取締役会は、一堂に会して行うことが一般的です。

少なくとも、3ヶ月に1回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならないとされている一方で(会社法第363条2項)、その頻度以上に定期的に取締役会を開催している会社が多いかと思います。

新型コロナウイルスの影響もあって、最近では取締役会の書面決議又は電磁的記録による決議(以下、合わせて「書面決議等」といいます。)が今まで以上に注目されています。

ところで、取締役会の書面決議等は、どの株式会社でも行うことができるわけではありません。

取締役会の無い会社(取締役会非設置会社)

取締役会非設置の株式会社においては、取締役会がありませんので、取締役が何か意思決定をするときは、取締役の過半数の一致によって行います。

≫取締役会の決議要件と取締役の過半数の一致

取締役の過半数の一致は、取締役が一堂に会して決めることが効率的ではありますが、過半数の取締役の同意があれば当該事項が決定されたことになりますので、必ずしもどこかに集まる必要はありません。

取締役の全員が賛成するのであれば、決定した内容が記載された取締役決定書なる書類に持ち回りで取締役が記名押印してもいいですし、各取締役が決定に対する同意書を提出してもいいでしょう。

取締役会非設置会社においては、そもそも書面決議ができるかについて悩む必要がありません。

取締役会の書面決議等

取締役会は、定款に別段の定めがない限り、各取締役が招集し(会社法第366条1項)、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行います(会社法第369条1項)。

このように、取締役会は実際に開催することが求められています(テレビ会議システムによる参加可)。

ところで、取締役会設置会社は、取締役が取締役会の決議の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき取締役の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす旨を定款で定めることができます(会社法第370条)。

この決議の方法は、「書面決議」や「みなし決議」と言われています。

取締役会の書面決議に関する詳細は、こちらの記事に記載しています。

≫みなし取締役会(みなし決議・書面決議)-会社法第370条

定款の記載がない

取締役会の書面決議等を行いたいのに、定款にその旨の記載がない、という株式会社もあります。

平成18年より前から存在している株式会社は特に、定款を確認してみてください。

取締役会の書面決議を行いたいのに、定款にその旨の記載がない。そのような会社はどうしたらいいでしょうか。

定款を変更して、当該規定を定款に盛り込むことになります。

定款の変更は、株主総会の特別決議によって行うことができます(会社法第466条)。

株主総会の決議

株主総会の特別決議によって、次のような条文を付け加えます。

日本公証人連合会のHP、中小会社3 中規模会社(株式非公開、取締役3名以上、取締役会設置、監査役設置)によると、その記載例は次のとおりです。

<業務監査権限のある監査役がいる場合>

(取締役会の決議の省略)
第●●条 当会社は、取締役が提案した決議事項について取締役(当該事項につき議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす。ただし、監査役が異議を述べたときは、この限りでない。

<業務監査権限のある監査役がいない場合>

(取締役会の決議の省略)
第●●条 当会社は、取締役が提案した決議事項について取締役(当該事項につき議決に加わることができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす。

書面に関する記載しかない

取締役会の書面決議等に関して、「取締役の全員が書面により同意の意思表示をしたときは」という記載しかない場合はどうでしょうか。

この場合は文字通り、書面決議をすることはできますが、電磁的記録による決議をすることはできません。

電磁的記録による決議もするのであれば、株主総会の特別決議によって定款を変更する必要があります。

反対する取締役がいる場合は取締役会を実開催する

取締役会の書面決議等は、議決に加わることができる取締役の全員が議案に賛成する状況でないと成立しません。

1名でも反対者がいる場合は、取締役会を実際に開催しなければなりません。

また、業務監査権限のある監査役が異議を述べた場合も同様です。

開催場所に行けない取締役や監査役は、テレビ電話会議システムで参加するか、欠席することになるでしょう。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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