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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

2020年12月末までに減資や組織再編を行う予定の会社は、そろそろご準備を

事業年度末までに減資をする

株式会社や特例有限会社、合同会社において、事業年度の終わりを12月31日としている会社は少なくありません。

次のような理由から、事業年度末までに減資をしたいというニーズがあります。

  1. 繰越欠損金の解消
  2. 配当金の原資の確保
  3. 資本金を1億円以下とすることによる税務的メリット
  4. 大会社となることを回避する

特に、減資のご相談いただくケースとしては上記3(及び/又は4)を理由に資本金の額を1億円以下にしたいというものが多い印象です。

今期資本金を5億円以上にした会社

今期に資本金を増資して5億円以上にした会社は、今期の計算書類が承認されるタイミングで会計監査人(+監査役非設置会社の場合は監査役も)を設置する義務が生じます。

2020年12月末時点で資本金が5億円以上であればそうなることはほぼ確定で、2021年2月 or 3月の定時株主総会につき会計監査人等を設置するための議案を盛り込むことになるでしょう。

今期中に増資をして、期末である12月末までに減資をする予定だったのにその手続きを忘れたため、翌期に、(当初は予定をしていなかった)会計監査人の設置をしたという会社もあります。

なお、負債の額が200億円以上の会社は、資本金の額に関わらず会計監査人の設置義務が生じます。

減資の手続きに必要な期間

減資の手続きは、1日あるいは1週間という短期間で行うことができず、1ヶ月以上の期間を要します。

つまり、2020年12月に入ってから減資の手続きをスタートさせたとしても、2020年12月31日までに減資の効力を発生させることはできません。

2021年に入った後、遡って2020年12月末までに減資の手続きをしていたということにも当然ながらできません。

そのため、12月末までに減資の効力を発生させるのであれば、そろそろ準備をした方が良いでしょう。

組織再編行為の一部も、減資と同様に1ヶ月以上の期間を要しますのでご注意ください。

減資スケジュール

2020年12月末までに減資の効力を発生させるスケジュール例は次のとおりです。

普通株式のみを発行している株式会社で、定款に定められている公告方法は「官報」であることを前提としています。

減資の効力発生日は土日祝日でも問題ありませんので、12月31日を効力発生日とすることも可能です。

前期の決算公告を既にしている場合

前期の決算に関する決算公告を既にしている場合のスケジュール例です。

スケジュール
減資の手続き
11月11日(水曜日)取締役会の決議(減資の内容決定、株主総会の招集決定)

官報へ公告の申込み 
11月19日(木曜日)知れたる債権者へ催告書発送
11月20日(金曜日)減資公告が掲載(官報)
12月9日(水曜日)株主総会の招集通知の発送
12月18日(金曜日)株主総会の決議
12月21日(月曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月23日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月25日(金曜日)登記申請(減資)

前期の決算公告をしていない場合

前期の決算に関する決算公告をまだしていない場合のスケジュール例です。

スケジュール
減資の手続き
11月4日(水曜日)取締役会の決議(減資の内容決定、株主総会の招集決定)

官報へ公告の申込み 
11月19日(木曜日)決算公告・減資公告が掲載(官報)

知れたる債権者へ催告書発送
12月9日(水曜日)株主総会の招集通知の発送
12月18日(金曜日)株主総会の決議
12月21日(月曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月23日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月25日(金曜日)登記申請(減資)

公告方法を電子公告に変更してダブル公告をする場合

前期の決算に関する決算公告をまだしておらず、公告方法を官報から電子公告へと変更してダブル公告する場合のスケジュール例です。

スケジュール
減資の手続き
11月4日(水曜日)取締役会の決議(定款変更の意思決定、減資の内容決定、株主総会の招集決定)

株主総会の招集通知の発送
11月12日(木曜日)株主総会の決議(公告方法変更、減資)

登記申請(公告方法変更)

公告URLに決算公告掲載

官報へ公告の申込み、電子公告調査会社に調査の依頼
11月19日(木曜日)公告URLに減資公告を掲載(電子公告調査会社の事前調査)
11月20日(金曜日)減資公告が掲載(官報)
12月21日(月曜日)債権者保護手続きの期間満了
12月23日(水曜日)資本金の額の減少の効力発生
12月25日(金曜日)登記申請(減資)

減資の手続きを依頼する

事業年度末までに減資をするのであれば、そろそろ準備をした方がいいでしょう。

ところで、減資の手続きを失敗してしまうと、減資をすることで得られたであろうメリットを享受することができなくなってしまいます。

拒否権条項の付いている種類株主総会を開催していなかった、電子公告調査会社への調査依頼をしていなかった、公告に記載する文言を間違えていたとしたら大変です。

失敗したくない手続きは特に、専門家に依頼してリスクヘッジをすることをお勧めします。

増資と減資を今年中に同時に行う手続きのご相談も承っております。

≫株式会社の募集株式の発行と資本金の減少を同時に行う方法


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
様々なサポートを行っております。


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