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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

議決権の半数以下しか有さない株主が、取締役に選任される権利を確保する方法

取締役の選任と議決権割合

取締役の選任は、定款に別段の定めがあるときを除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行わなければなりません(会社法第341条)。

そのため、基本的には、保有する議決権の過半数を有さない株主は、自分が取締役に選任されるかどうかは不透明です。

例えば、発行済株式数が100株の株式会社Xにつき、株主Aが80株、株主Bが20株保有しているケースにおいて、Bが取締役になりたいとします。

この場合、Bが取締役に選任される権利をBが確保するためにはどのような方法があるでしょうか。

特則普通決議には定足数がある

取締役の選任につき、普通決議のように定款に定めることにより定足数を排除することができるとしたら、Aが株主総会に出席しない場合は、BだけでBを取締役に選任できる可能性があるかもしれません。

しかし、取締役に選任決議は普通決議とは異なり、定足数を排除することができず、その下限は株主の議決権の3分の1以上を有する株主の出席が求められています。

そのため、議決権の20%しか有さないBが自身を取締役に選任することは、行うことはできません。

取締役の選任権を確保する

Bが自身を取締役に選任する権利を確保するには、主に次の2つの方法があるでしょうか。

  1. 株主間契約を締結する。
  2. 種類株式を活用する。
株主間契約を締結する

ABが発起人となって会社を設立するときは設立のタイミングで、A又はBのどちらかが新たに株主になるタイミングで、株主間契約を締結します。

この契約の内容として、Bが取締役を1名指名する権利を留保し、Bが指名した取締役の選任決議につきAが賛成する、というものにします。

こうすることで、議決権の20%しか保有していないBは自分を取締役に選任する権利を有することができます。

ただし、取締役B選任の議案に賛成しなかった場合は、取締役Bは選任されないことに注意が必要です。

この場合、Aは契約違反に該当し損害賠償請求の対象となりますが、それをもってBが取締役に選任されるわけではありません。

株主間契約の内容としては、その他に、会社から離脱するときは保有する株式を相手方に(全部又は一部)譲渡するというものもお勧めです。

種類株式を活用する

株式会社は、種類株主総会において取締役を選任することができる種類株式を発行することができます(会社法第108条1項9号)。

≫役員(取締役・監査役)選任権付種類株式

株主間契約と異なり種類株式であれば、Bは必ず自分を取締役に選任することが可能となります。

一方で種類株式の場合は、定款にその旨を定め、かつ、その旨の登記が必要となりますので、外部にもそのような定めがあることが分かることにはなります。

もし種類株式を導入するのであれば、後でトラブルとならないよう、事前に検討を重ねることをお勧めいたします。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

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