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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

父の相続を放棄をしたあとに、その父(祖父)の財産を相続すること

相続放棄をしても代襲相続できるか

甲さんには父である乙さんと、甲さんの祖父である丙さん(乙さんの父)がいたとします。

甲(25歳) - 乙(50歳) - 丙(80歳)

先に乙さんが亡くなり、その後丙さんが亡くなった場合、丙さんの遺産は乙さんに代わって甲さんが相続することになります。これを代襲相続といいます。

①乙(父)さんが死亡したあとに、丙(祖父)さんが死亡

乙さんには多額の借金があり、乙さんの財産はトータルで大きくマイナスではあるけれども、丙さんには財産がたくさんあったとします。

このようなケースで、先に乙さんが亡くなったとすると、甲さんには相続放棄をするという選択肢があります。相続放棄をすれば、乙さんの借金を返済する必要がなくなります。甲さんが相続放棄をした結果、丙さんが相続人となるようであれば、甲さんは丙さんに相続放棄という選択肢があることを伝えた方がいいかもしれませんね。

さて、乙さんが亡くなったあとに丙さんが亡くなった場合、乙さんの相続につき相続放棄をした甲さんは、丙さんの遺産を相続することはできるのでしょうか。

結論としては、甲さんは丙さんの遺産を代襲相続することができます。あくまで甲さんは乙さんの相続について相続放棄をしているだけだからです。

②丙(祖父)さんが死亡したあとに、乙(父)さんが死亡

丙さんが亡くなった際に、丙さんの相続について乙さんが相続放棄をしたとします。この場合、丙さんの遺産について甲さんが相続をすることができるのかというと、甲さんは丙さんの遺産を相続することができません。相続放棄をしても、その子には代襲相続が発生しません。代襲相続という制度が、相続の開始よりも前に相続人が死亡している場合に、その相続人の子供が代わりに相続人となる制度だからです。

丙さんが亡くなったあとに、乙さんが丙さんの相続について相続放棄をし、それから乙さんが亡くなった場合は、甲さんはもちろん乙さんの相続について相続放棄をすることができます。

③上記②で丙(祖父)さん死亡の翌日に乙(父)さん死亡

丙さんが亡くなったあとに、乙さんが丙さんの相続について相続放棄はしていないが、まだ相続放棄をできる期間中に亡くなった場合、甲さんは乙さん・丙さんどちらかの相続財産だけ承継することはできるでしょうか。

結論は、相続放棄の制度を利用することにより、
・丙(祖父)さんの相続財産は引き継がずに、乙(父)さんの相続分だけもらうことはできます。
しかし、
・丙(祖父)さんの相続財産だけを引き継ぎ、乙(父)さんの相続分は引き継がないとはできません。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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