商業登記関係 外為法の一部を改正する法律の施行(対内直接投資の規制強化)
外国為替及び外国貿易法の一部改正
外国為替及び外国貿易法(外為法といいます)の一部が改正され、外為法の一部を改正する法律法は、平成29年10月1日に施行されています。
行政制裁の強化、罰則の強化、規制対象の追加等、規制が強化されている内容となっています。
詳しくは、経済産業省のこちらのページをご確認ください。
>>>改正外為法の施行のための政省令告示が公布されました(経済産業省)
以下、簡単に改正内容を記載しています。
行政制裁の強化
輸出入禁止命令を受けた会社の役員や「使用人」等に対して、別会社の役員等への就任等の禁止を命令できる制度が創設されました。
この制度は、輸出入禁止を受けた会社が、別会社を作って輸出入を継続するという制裁逃れに対応するものとなっています。
使用人とは
上記使用人とは、営業所または事務所の業務を統括する者や、業務を統括する者の職務を日常的に代行する地位にある者その他の実質的に当該職務を代行する者のことをいいます(輸出貿易管理令第10)。
罰則の強化
大量破壊兵器関連の貨物または技術についての無許可の輸出または取引や、制裁による輸出入規制の違反等、違反行為に対する罰金が上がりました。
例えば大量破壊兵器関連を対象とした場合、罰金が1000万円or価格の5倍の高い方から、3000万円or価格の5倍の高い方へと引き上げられ、法人への罰金に対する重科制度が創設され、その金額は10億円or価格の5倍の高い方となっています。
対内直接投資規制の強化
事前届出制の規制対象の追加
外国企業間において日本の上場企業の株式を売買するときは届出が必要とされていましたが、非上場企業の株式(武器の製造業等、国の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい業種として指定されたもの)を売買するときも新たに事前届出が必要となりました。
株式売却等の措置命令制度の創設
無届けで対内直接投資等を行った外国投資家等に対して、株式売却等の措置命令をできる制度が新たに創設されました。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。