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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

遺留分減殺請求権を行使したときの不動産登記

遺留分減殺請求

遺留分とは、配偶者・第一順位相続人・第二順位相続人に留保されている相続財産に対する一定割合のことをいいます。

相続財産全体に対する遺留分の割合は、次のように定められています(民法第1028条)。

  1. 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1
  2. 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1

兄弟姉妹には遺留分はありません。

相続人の構成による遺留分の割合

相続人の構成による各相続人の遺留分割合の一例は次のとおりです。

  1. 相続人が配偶者のみ 相続財産の2分の1
  2. 相続人が配偶者と兄 配偶者につき相続財産の2分の1
  3. 相続人が配偶者と子 配偶者・子ともに相続財産の4分の1ずつ
  4. 相続人が子3名   相続財産の6分の1ずつ
  5. 相続人が父と母のみ 相続財産の6分の1ずつ
遺留分減殺請求権の行使期間

遺留分を侵害されている相続人は、遺留分減殺請求権を行使することができますが、いつまでも行使することができるわけではなく、行使することができる期間が決まっています。

遺留分減殺請求権の行使期間は次のとおりです(民法第1042条)。

  1. 相続の開始及び減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年間
  2. 相続開始の時から10年間

遺留分減殺請求権の行使後の不動産登記

遺留分減殺請求権を行使したことにより不動産を取得した相続人は、不動産の所有者となった(あるいはその持分の一部を取得した)ことによる不動産の所有者変更の登記をすることができます。

不動産を取得したことを第三者にも主張(対抗)できるように、遺留分減殺請求権を行使したときは、必ず不動産の登記をしておいた方がいいでしょう。

不動産が被相続人名義のままの場合

遺言、死因贈与あるいは生前贈与により、受遺者、受贈者が不動産を取得はしているが不動産の名義人が被相続人のままであるときは、遺留分減殺請求権者は「年月日相続」を原因として、被相続人名義から直接遺留分減殺請求権者名義へと名義変更の登記をします。

なお、登記原因となる「年月日相続」の日付は、遺留分減殺請求権を行使した日ではなく被相続人が亡くなった日となります。

不動産が相続人名義になっている場合(相続登記が済んでいる場合)

遺言により特定の相続人が不動産を取得し、不動産の名義が相続を原因として既に当該相続人となっているときは、不動産の名義人である相続人から遺留分減殺請求権者へ「年月日遺留分減殺」を原因として、所有権移転登記をします。

なお、登記原因となる「年月日遺留分減殺」の日付は、被相続人が亡くなった日ではなく、遺留分減殺請求の意思表示が相手方に到達した日となります。

不動産が受遺者・受贈者名義になっている場合

遺言、死因贈与あるいは生前贈与により、受遺者、受贈者が不動産を取得し、不動産の名義が既に受遺者、受贈者名義となっているときは、受遺者、受贈者から遺留分減殺請求権者へ「年月日遺留分減殺」を原因として、所有権移転登記をします。

なお、登記原因となる「年月日遺留分減殺」の日付は、被相続人が亡くなった日ではなく、遺留分減殺請求の意思表示が相手方に到達した日となります。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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