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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

有限会社の特別決議は、株式会社の特別決議と要件が異なるというお話

有限会社と特別決議

先日、次のような株主構成の特例有限会社(以下、単に「有限会社」といいます)で定款変更の決議をしたいというご相談をいただきました。

  • 発行済株式数 100株
  • 株主A 50株
  • 株主B 20株
  • 株主C 30株

上記有限会社Pが定款を変更するには、株主総会を開催して特別決議によって定款変更を承認する必要があります。

なお、全員が定款変更に同意をしているのであれば、株主総会の決議があったものとみなすこともできます(会社法第319条1項)。
≫みなし株主総会(書面決議・みなし決議)-会社法第319条1項

ところで、有限会社Pにおいては、定款を変更することについて株主Cが反対しているという状況でした。

有限会社の特別決議要件を確認する

有限会社の特別決議の要件は、総株主の半数以上でかつ、総株主の議決権の4分の3以上の賛成を要します(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第14条3項)。

次のような株主構成の有限会社Qにおいては、

  • 発行済株式数 100株
  • 株主X 98株
  • 株主Y 1株
  • 株主Z 1株

株主Xだけの賛成では、議決権の98%を株主Xが有しているにも関わらず特別決議の要件を満たしません。

総株主の半数以上の賛成」という要件を達成できないためです。

また、冒頭の有限会社Pにおいては、株主Aと株主B(総株主の半数以上)が定款変更の決議に賛成をしていたとしても、株主Cが反対している以上は特別決議の要件を満たすことができません。

「総株主の議決権の4分の3以上の賛成」という要件を達成できないためです。

これは、「株主総会に出席した株主の議決権の4分の3以上の賛成」とは異なるため、株主総会に株主Cが出席したかどうかを問いません。

株式会社の特別決議要件

株式会社の特別決議要件は、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(3分の1以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行います(会社法第309条2項)。

定款に特別決議について特段の定めがない株式会社においては、

  • 発行済株式数 100株
  • 株主D 70株
  • 株主E 30株

のような株主構成のときは、(法定の招集手続きを経た上で)株主Dだけで特別決議を成立させることもできますし、

  • 発行済株式数 100株
  • 株主F 45株
  • 株主G 25株
  • 株主H 30株

のような株主構成においてGHの持株比率は55%ではありますが、もしFが株主総会に欠席すればGHだけで特別決議を成立させることも可能です。

≫株式会社の株主総会とその決議要件(普通決議、特別決議、特殊決議 他)


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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