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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株式会社の資本金や準備金を配当する方法

資本金、準備金を配当する

資本金や準備金を株主へ配当したいというニーズがあったときに、直接資本金や準備金を配当することはできません。

資本金や準備金を配当するときは、まず資本金や準備金を剰余金へ振り分けて、次に剰余金を配当するという2つの手続きが必要となります。

  1. 資本金、準備金の減少
  2. 剰余金の処分(配当)
資本金、準備金を減少する

配当をするために資本金、準備金を減少するときは、一定の手続きが必要です。

資本金を減少させる手続きについては、こちらの記事をご参照ください。
≫株式会社の資本金の額の減少(減資)手続き

準備金を減少させる手続きについては、こちらの記事をご参照ください。
≫株式会社の資本準備金、利益準備金の額を減少する手続き

剰余金を配当する

剰余金を配当するには、株主総会の普通決議によって次の事項を定めなければなりません(会社法第454条1項)。

  1. 配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
  2. 株主に対する配当財産の割当てに関する事項
  3. 当該剰余金の配当がその効力を生ずる日

シンプルな株主総会議事録記載例としては、次のようになります。

第●号議案   剰余金処分の件
 議長は、●●を勘案した結果、下記のとおり剰余金の処分をしたい旨を述べ、賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもって原案どおり承認可決された。

(1)配当財産の種類
  金銭とする。
(2)配当財産の割当てに関する事項及びその総額
  当社普通株式1株につき金●円とし、配当総額は●●●●円とする。
(3)剰余金の効力を生ずる日
  平成30年8月1日

取締役会の決議で剰余金を配当する方法は、こちらの記事をご参照ください。
≫取締役会の決議によって剰余金を配当することができる株式会社の条件

配当と分配可能額

株式会社の純資産額が300万円を下回る場合には、配当をすることができません(会社法第458条)。

加えて、配当する財産の総額が、効力発生時における分配可能額を超えて配当をすることができません(会社法第461条)。

一部を欠損填補、一部を配当へ

減少した資本金、準備金の全部または一部を欠損に充てることもできます。

資本金、準備金を減少させることによって増加した資本剰余金を、利益剰余金に振り分ける方法によります。

なお、いくらでも資本剰余金から利益剰余金へ振り分けられるわけではありません。

詳細につきましては、こちらの記事をご参照ください。
≫欠損填補をするための減資の手続きと、欠損填補のできる剰余金の範囲


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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