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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

既に亡くなっている人への、土地の相続登記における登録免許税の免税措置

相続登記の登録免許税と免税措置

土地の相続登記をするときは、登録免許税を納めなくてはなりません。

土地の登録免許税の額は、固定資産評価額に1000分の4を乗じた額です。

平成30年4月1日以降に申請する相続登記の登録免許税につき、一定のケースにおける土地の相続登記に関しては免除されています。

この免税措置は土地に関する相続登記が対象となっており、建物に関する相続登記は対象外となっています。

≫相続登記の登録免許税の免税措置について(法務局)

土地の相続登記の登録免許税が免税されるケース

個人が土地を相続(相続人に対する遺贈も含む)したときに、当該個人が当該土地の相続登記を受ける前に死亡した場合は、当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするための相続登記については登録免許税が課されないことになっています。

祖父A名義の土地を父Bが相続し、その相続登記をしないままBが亡くなり、当該土地をBの長男Cが相続した場合に、Aから亡B名義にする相続登記の登録免許税が免除されるということです。

なお、BからC名義とする相続登記の登録免許税は免税の対象ではありません。

中間者が1名の場合の相続登記

上記のケースのように数次相続の例で、中間者(B)が1名の場合は、Bのための相続登記をすることなく、直接C名義と変更する相続登記を申請することができるとされています。

Aから直接C名義と変更する相続登記は1回の申請で行うため、そもそもAから亡B名義とする相続登記の登録免許税が問題となることがありません。

司法書士に相続登記を依頼した場合は、わざわざ亡B名義とする相続登記を申請することなく、Aから直接C名義に変更する相続登記1回で済ませることがほとんどでしょう。

中間者が複数の場合

父に弟(D)がいて、土地の所有権がAからBD(2分の1ずつ)に相続され、B持分がCへ相続されたが相続登記がされていない場合はどうでしょうか。

この場合はAからBDへの相続登記を申請した後に、B持分につきCへの相続登記を申請することになります。

中間者が複数の場合は、AからCD名義へ直接相続登記をすることができません。

AからBD名義にする相続登記のうちB持分に関する登録免許税については、今回の免税措置を適用することができますので納める必要がないということになります。

なお、Bが亡くなる前にBCが遺産分割協議をしていて当該土地をBが単独で相続することが決まっていた場合は、中間者が1名の場合と同様に考えることができますのでAからCへ直接相続登記をすることが可能です。

免税期間

今回の免税措置の適用期間は、2018年(平成30年)4月1日から2021年3月31日までです。

申請書へ法令の条項を記載

亡B名義にする登記申請をしても、それだけで自動的に登録免許税が免除されるわけではありません。

登録免許税の免税措置の適用を受けるためには、免税の根拠となる法令の条項を申請書に記載する必要があります。

具体的には、「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と申請書に記載しなければならず、記載がない場合は免税措置が受けられません。

固定資産評価額が5,000万円の土地であれば登録免許税は20万円でとなりますので、この免税措置の適用を受けられるのであれば受けた方がいいでしょう。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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