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代表司法書士・相続診断士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

株式会社の事業年度(決算期)を変更する手続き

株式会社と事業年度

株式会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成しなければならず(会社法第435条)、この事業年度は一定のルールの下で各会社において自由に設定されています。

株式会社を設立するときは、定款に事業年度を定めてしまうことが一般的です。

≫司法書士が株式会社の定款の条文を解説します(事業年度編)

事業年度はどれくらい伸長できるか

事業年度を変更するときは、その事業年度は1年6ヶ月を超えることはできないことになっています(会社計算規則第59条2項)。

そのため、事業年度を変更するときの最長は、一事業年度につき1年6ヶ月がということになります。

もっとも、法人税の申告においては、事業年度開始から1年経過した日を一つの事業年度として扱い、法人税の申告を行うことになりますのでご注意ください。

詳しくは顧問税理士にご確認ください。

事業年度を変更する

事業年度は定款に記載されている会社がほとんどですので、事業年度を変更するには、株主総会の特別決議によって定款を変更する方法によって行います。

  1. 株主総会の決議
  2. 株主総会議事録の作成
  3. 税務署等へ異動届出書を提出
株主総会で定款一部変更を決議する

株主総会の特別決議によって、定款の事業年度に関する部分の変更によって決定します(新旧対照表を作ると、より分かりやすいでしょう)。

定款の附則に(最初の事業年度)「当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から平成○○年○月末日までとする。」と残っている会社は、既に2期目以降であるならこの部分は変更する必要がなく、この機会に削除を検討してもいいかもしれません。

≫株式会社の設立後、定款の附則は削除しても問題ない?削除するにはどのような方法があるか。

経過措置を附則の記載

事業年度を変更したときに、今期の事業年度がいつまでなのかを附則において明確にしておくケースが少なくありません。

例えば事業年度末が12月末の会社が、3月の定時株主総会において事業年度末を3月末とするような場合は、今期が当該定時株主を開催した月の末日に終わるのか1年後の3月末に終わるのか疑義が生じ得ます。

附則を削除するにも株主総会の特別決議が必要になってしまうため、時間の経過によって当該附則が自動的に削除されるように設計しておきます。

(事業年度変更にかかる経過措置)
第30条 第27条(事業年度)の規定にかかわらず、第5期事業年度は2019年1月1日から2019年3月31日までの3ヶ月とする。
なお、本条は、第5期事業年度終了後、これを削除する。
株主総会議事録を作成する

株主総会の決議によって無事に定款を変更した後は、株主総会議事録を作成します。

議案の記載例は次のとおりです。

第○号議案 定款一部変更の件

議長は、●●のため事業年度に関する規定である定款第○○条を下記のとおり変更したい旨を述べ、その理由を詳細に説明した。
議長がその賛否を議場に諮ったところ、満場一致をもってこれに賛成した。
よって、議長は、原案のとおり承認された旨を宣した。

(事業年度)
第○○条 当会社の事業年度は、毎年1月1日から同年12月末日までの年1期とする。

税務署へ届出をする

株主総会の開催及びその決議が終わり、株主総会議事録を作成したら、管轄税務署や都道府県税事務所等に「異動届出書」を提出します。

どこに何を提出するのかは、会社の所在地によって異なることがありますので、顧問税理士あるいは管轄税務署等にご確認ください。

登記は必要?

事業年度を変更する会社からよくいただくご質問として、事業年度を変更したらその登記申請もしなければなりませんか?というものがあります。

結論を申し上げると、事業年度それ自体は登記事項ではありませんので、事業年度を変更したとしても、事業年度の変更登記をする必要はありません(できません)。

ただし、事情年度を変更することで役員の任期が切れることがあり、役員を再任等したときは役員の変更登記をする必要が生じます。

役員の任期満了による退任に注意

事業年度を変更すると、その定款変更の効力発生と同時に役員(取締役や監査役)の任期が満了することがあります。

任期が10年の株式会社の取締役が、既に選任されてから5年経過しているときに、取締役の任期を1年とするのであれば、その定款変更の効力発生と同時に当該取締役は任期が満了することになります。

このようなケースにおいては、定款変更を決議する株主総会において役員の選任についても決議をしておくことが一般的です。

第1号議案 定款一部変更の件
第2号議案 取締役選任の件

役員を選任したときは、その就任日から2週間以内に役員変更の登記申請をすることになります。

≫事業年度の変更と、取締役・監査役の任期


この記事の著者

司法書士/相続診断士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士・相続診断士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留司法書士事務所では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
様々なサポートを行っております。


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