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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

一般社団法人の目的を変更するときの手続きと登記

一般社団法人の目的

一般社団法人の目的は定款記載事項であり登記事項となっていますので、全ての一般社団法人には必ず法人の目的があります。

一般社団法人の目的は、株式会社や合同会社と異なり、ある事業を行うことを目的とするのではなく、理想とする社会の実現等を目的として、そのためにある事業を行うという構成になっています。

(目的)
第3条 当法人は、○○することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
  (1) ○○○○
  (2) ○○○○
  (3) ○○○○
  (4) その他前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
目的の部分も登記事項

新たに「○○インストラクターの養成」という事業を追加するときは、その定款変更と登記手続きが必要となることはイメージしやすいかもしれません。

一方で、「○○することを目的とし」の部分も登記事項となっていますので、この部分を変更したときも同様に定款変更と登記手続きが必要となります。

例えば、「高齢者の生活の質が向上することを目的とし」を「高齢者の生活の質が向上し、健康で過ごすことができる社会の実現に寄与することを目的とし」のように変更するようなケースです。

一般社団法人の目的を変更する方法

一般社団法人の目的は定款の記載事項ですので、目的を変更するときは、社員総会を開催し、その特別決議によって定款を変更します(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第条49条2項)。

社員総会の特別決議は、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行います。

一般社団法人の目的は登記事項とされていますので、社員総会で定款の目的を変更したときは、その効力発生日から2週間以内に、その旨の変更登記を法務局へ申請します。

変更後の目的が分かるように記載する

社員総会議事録には、変更後の目的が分かるように記載しておく必要があり、具体的には次の3つの方法がよくあるパターンです。

変更後の目的を直接記載する方法

議案 定款一部変更の件
 議長は、当法人の定款第3条(目的)を次のとおり変更したい旨を述べ、その可否を諮ったところ、満場異議なくこれに賛成したので、下記のとおり可決確定した。
 第3条 当法人は、○○することを目的とし、~~~

新旧対照表を記載する方法

議案 定款一部変更の件
 議長は、当法人の定款第3条(目的)を次のとおり変更したい旨を述べ、その可否を諮ったところ、満場異議なくこれに賛成したので、下記のとおり可決確定した。

(下線は変更部分を示します)
現行定款
変更案
(目的)
第3条 当法人は、○○することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
  (1) ○○○○
  (2) ○○○○
  (3) ○○○○
  (4) その他前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業
(目的)
第3条 当法人は、○○することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。
  (1) ○○○○
  (2) ○○○○
  (3) ○○○○
  (4) ●●●●
  () その他前各号に掲げる事業に附帯又は関連する事業

別紙定款の記載のとおりとする方法

議案 定款一部変更の件
 議長は、当法人の定款第3条(目的)を変更するため、定款を別紙のとおり変更したい旨を述べ、その可否を諮ったところ、満場異議なくこれに賛成したので、下記のとおり可決確定した。

この場合は、変更後の定款を合綴+割印をするか、独立した定款に原本証明+法人実印を押印します。

目的変更登記と登録免許税

目的変更の登記申請をするときは、登録免許税として3万円を納付する必要があります。

これは同じ申請書で申請する限り、こ目的を何個追加した場合でも、何個削除した場合でも同じです。

目的変更登記に必要な書類

総社員の同意によって目的を変更したときの、登記申請の添付書類は次のとおりです。

  • 社員総会議事録
  • 定款(社員総会議事録で変更内容が分かる場合は不要)

この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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