汐留パートナーズ・ニュースレター 2021年3月号

ビジネスにおけるアウトソースの最新トレンド

日が伸び始め気温も上がり、いよいよ春が近づいてきたかと存じますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。まだ急に冷え込むこともございますので、是非お気を付け下さい。

昨年のコロナショック以来、テレワークと合わせてビジネスの見直しで注目を集めているものにアウトソーシングがあります。業務をコア業務・ノンコア業務で切り分けて整理を行い、ノンコア業務を中心に業務を外部業者や専門家に委託する動きはこれまでもありましたが、コロナショックによって一気に認知度を上げ、広まりつつある状況です。特にコロナ前から流動化しつつあった経理人材を固定化する動きは、今後も更に広まっていくものとみられます。

今回は、汐留パートナーズの3事業部より、業務のアウトソーシングのトレンドについてご紹介しますので、是非最新動向を押さえつつ、ご検討の材料として頂ければと思います。

 

はじめに

コロナ禍で多くの企業はテレワークなどを含む業務改革や経営資源の最適化のための対応が求められています。また、働き方改革を背景に、業務効率化と残業削減の動きも高まっています。昨今のこのような状況下で、社内の人材の有効活用のみならず、外部の人材を活用することにより業務効率化と生産性向上を図るアウトソースへの意識が高まっています。今回は、主に経理の視点からアウトソースについて見ていきたいと思います。

アウトソースとは

アウトソース(outsource)とは、「外部委託」や「アウトソーシング(outsourcing)」ともいわれ、特定の業務を外部の専門業者等に委託することをいいます。外部に仕事を委託するという意味では「外注」と似ていますが、外注が単にコスト削減を目的に行われるのに対し、アウトソースは、外部リソースを有効活用して、業務の効率化を図ると共に、社内リソースをコア業務に集中させるといった戦略的な目的がある点で異なります。

経理業務のアウトソース

経理業務といえば、帳簿記帳や現預金/債権債務/証票管理などといった日常的業務のイメージですが、最終的な経理の目的は、こういった日常業務を基に、全社的な視点で会社の経営状況・財政状態を分析し、経営者の意思決定に資する情報提供をすることといえます。よって経理業務は経営をサポートするという意味で、重要な役割を担っていますが、その業務自体は直接的に利益を生むものではありません。こういった間接業務をアウトソースし、コア業務へのリソース集中を図る会社が増えています。また経理は、専門知識や経験、正確かつスピーディな作業が求められる業務であり、専門業者にアウトソースすることで効果が得られやすい分野ともいえます。

アウトソースのメリット・デメリット

アウトソースするメリットとしては、①外部の専門業者によるノウハウの活用により、業務の質と効率が向上する、②自社のコア業務に経営資源の集中が図れる、③多くのケースでコスト削減になる、④第三者が業務に介入することで不正リスクを軽減できる、などが挙げられます。     
一方で、やはり外部に業務委託するということは、①社内情報が外部に漏洩するリスクが発生する、②社内にノウハウが蓄積しない、③長期的に見てスキルの高い社員を採用(もしくは社員をスキルアップ)することにより、業務内製化した方がコスト減になる場合がある、などのデメリットも考えられます。

おわりに

アウトソースをする際には、まず、アウトソース検討部門の役割を明確にし、役割達成のための業務の洗い出し・整理を行う必要があります。その上で、アウトソースと内製化のどちらがよいのか見極めることが重要です。経理等の管理業務はアウトソースを上手に活用することで、得られる効果が高い分野ですので、検討する価値は十分にあると思います。

はじめに

新型コロナウィルスの影響のためか、業務を外部に委託するアウトソーシングの活用が増えているようです。今回は、アウトソーシングのメリット・デメリットや注意点、活用が見込める業務、今後の見通しについて説明します。

アウトソーシングのメリット

アウトソーシングは、人材配置や業務の効率化を図ることができ、次のようなメリットがあります。

(1) 人手不足への対応
アウトソーシングを活用する理由として最も多いのが人手不足です。新しく人を雇わずに外部から戦力を調達できるため、特に人手不足に悩まされることの多い中小企業でのアウトソーシング活用が多いとされています。
また、雇用をすると解雇するのは難しいですが、アウトソーシングであれば必要がなくなれば解約をすることができ、必要に応じて柔軟に利用できるメリットがあります。

(2) コア業務への集中
ノンコア業務(直接利益を生み出さない業務)をアウトソーシングすることで、人的資源をコア業務(利益を生み出す業務)に集中することができます。人材が不足している企業では一人が複数の業務を兼務しているが多いですが、アウトソーシングの活用により負担を軽減しながら、コア業務に集中してもらうことができます。

(3) コスト削減
アウトソーシングには費用が発生しますが、社員を雇用するよりは安く済む場合多く、採用・教育コストについても不要です。また、ノンコア業務に対する社員の負担を減らすことができるので、残業代の削減も期待できます。

(4) 業務の質的向上・効率化
自社に技術やノウハウがない業務を実施したいときも、外部専門家の力を借りることで効率的に進めることができるでしょう。特にスタートアップなど人材が少ないときには大きな効果を得られます。

アウトソーシングのデメリット

一方で、アウトソーシングのデメリットもあります。

(1)自社にノウハウが残らないこと
アウトソーシングをする業務については他社に依存することになり、自社に技術やノウハウが残らなくなります。アウトソーシングをやめて内製化しようとしても、スムーズに移行できなかったり、以前より作業効率が落ちてしまう可能性があります。

(2)社内情報の漏洩リスクがあること
アウトソーシングする業務に必要なデータを提供する必要があるため、社外において情報漏洩のリスクが生じます。重要な情報を取り扱う場合には、機密保持契約を締結するほか、必要に応じて委託先のセキュリティ対策をチェックするようにしましょう。

偽装請負にならないように注意が必要

アウトソーシングは労働者の雇入れとは異なりますから、業務委託や請負契約の相手には直接的な指揮命令をすることはできません。形式的にはアウトソーシングであっても実態が労働者の使役である場合には、労働基準法、派遣法、職安法などに違反する恐れがあります。直接的な指揮命令を行わないなどの一定の配慮が必要です。

アウトソーシングの活用が見込める業務

メリット・デメリットを考えると、ノンコア業務のアウトソーシングが最もメリットを得られるでしょう。経理・財務や人事労務、営業事務(データ入力や販売管理など)など、定型的な業務や利益に直接関係のない業務は、アウトソーシングしやすい業務といえます。専門性の高い業務で、自社にはない技術やノウハウを利用したいときも適しています。例えばITに詳しい人材がいない企業では、社内システムの構築や、Webサイトの構築や運用などを全てアウトソーシングしていることもあります。組織改革や人材育成について、外部専門家を招いて業務を進めることも増えているのではないでしょうか。最近では新型コロナウィルスの影響によりオンラインでの購買行動や営業活動が増えました。オンラインでの販路拡大のためのECサイトの構築・運用や、オンラインでの営業サポート、テレワーク環境の整備などにもアウトソーシングが活用されているようです。働き方の変革に伴って、オンラインで提供されるサービスも増えているように思います。

2021年以降の見通し

今後も、新型コロナウィルスの感染拡大や外出自粛に備えて、オンラインを活用が拡大していくでしょう。従来から利用の多かった経理・税務・法務などのノンコア業務のアウトソーシングのほか、ECサイト構築・運用や営業サポート、テレワーク環境の整備に関わる業務のアウトソーシングは今後も増えていくのではないかと思います。また、テレワークの普及に伴い、オンラインで提供されるアウトソーシング業務の割合が増えていくのではないでしょうか。営業支援、教育研修やコンサルティングなどのサービスをオンラインで提供している例も増えています。

おわりに

新型コロナウィルスによる影響の見通しが不透明な中、人手不足であっても雇用をするのはリスクが高く難しいという企業にとっては、必要に応じて利用できるアウトソーシングの活用は有力な選択肢になると思います。様々な状況変化に備えるためにも、アウトソーシングの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

はじめに

今回は、「特定技能」という在留資格で働きたいと考える外国人材を受け入れる企業である特定技能所属機関(以下「受入機関」という。)に課せられている義務の一部(支援計画)をアウトソースできる制度についてご紹介いたします。以前より、日本は労働力人口の減少で人手不足が深刻化していると指摘されております。そこで政府は生産性向上や国内人材の確保の取組みを行ってもなお、当該分野の存続・発展のために外国人材の受入れが必要が認められる14分野に限り、外国人材を受け入れるため、2019年に『特定技能1号』及び『特定技能2号』という在留資格を創設しました。

特定技能1号について

特定技能1号は特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。この特定産業分野とは介護、建設、宿泊、農業、漁業や外食業などの14分野に区分されています。また各分野ごとに技能水準と日本語能力水準が定められ、能力を確認する為の試験を受験しパスすることが当該在留資格取得の前提条件の1つとなります。

受入機関について

受入機関が外国人を受け入れる為には、当該機関自体が一定の基準を満たす必要があり、次の3つのポイントに注意が必要です。
①外国人と結ぶ雇用契約が適切(不当な労働時間、報酬、違約金などを設定していない)。
②受入機関自体が適切(各種法令の遵守、一定の法令違反が5年以内に無いなど)。
③外国人を十分に支援できる体制と計画が確立されていること。
このように受入機関の遵守すべき義務は多岐に渡ります。そこで受入機関の負担を軽減する為に、受入機関は③の業務を外部の登録支援機関に委託できることとなっております。

登録支援機関

登録支援機関は受入機関との支援委託契約により、アウトソースされた支援計画に基づく支援の実施を担います。登録支援機関に登録する為には一定の基準を満たしている必要があり、出入国在留管理庁長官の登録を受け、登録後は当該長官に対し実施状況を定期的に届出する義務を負います。  
支援の具体的な内容について、省令で10項目が定められています。例えば入国前の生活ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保をはじめ円滑に生活できるための総合支援、日本語習得の支援、日本人との交流支援、相談・苦情への対応、転職支援などが該当します。

おわりに

入管法改正で創設された特定技能という在留資格ですが、受入機関に課せられる義務が多岐にわたり、これが遵守できない場合雇用している外国人は不法就労となり、受入機関は不法就労助長罪に問われる可能性があるので非常に注意が必要です。ご不明な点などがございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。

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