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日本における査証(ビザ)の政策の概要と種類・免除の論点 

日本における査証(ビザ)の政策の概要と種類・免除の論点 

日本進出, 外国人雇用・イミグレーション
2026年2月27日

国際的な人の往来が活発化する中、日本における外国人の受入れ政策は大きな転換期を迎えています。観光立国の推進に加え、労働力不足を背景とした就労目的の受入れ拡大など、制度は年々複雑化かつ柔軟化しています。

日本における「査証(ビザ)」と「在留資格」の法的な定義の違い、主要な在留資格の種類、近年議論されている査証免除措置(ビザ免除)にまつわる新たな制度導入の動きについて、解説します。

日本の入管実務において、最も混同されやすいのが「査証(ビザ)」と「在留資格」の違いです。日常会話ではどちらも「ビザ」と呼ばれることが一般的ですが、法的な役割と管轄する行政機関は明確に異なります。

管轄: 外務省(海外にある日本大使館・領事館)

役割: パスポートが有効であることの「確認」と、その所持人が日本に入国しても支障がないという「推薦」の性質を持ちます。

効力: 原則として、日本に入国する際(上陸審査時)にその役割を終えます(数次有効査証を除く)。

管轄: 出入国在留管理庁(法務省)

役割: 外国人が日本で行うことができる活動等を類型化したもので、法務省(出入国在留管理庁)が外国人に対する上陸審査・許可の際に付与する資格です。 

効力: 日本に滞在している間、許可された期限まで効力が継続します。

実務上は、まず日本の入管で「在留資格認定証明書」の交付を受け、それを海外の日本国大使館へ提示して「査証」の発給を受け、日本への上陸時に「在留資格」が付与される、という流れが一般的です。

日本政府は現在、高度人材の獲得と人手不足への対応、新しい働き方への適応という観点から、制度の見直しを進めています。

学歴や年収などのポイント制で優遇される「高度専門職」に加え、さらに高年収・高スキルの人材を対象とした「特別高度人材(J-Skip)」や、世界ランキング上位大学の卒業生が就職活動を行える「未来創造人材(J-Find)」などの制度が運用されています。これらは世界的な人材獲得競争に対応するための施策といえます。

国内の人手不足を補うための「特定技能」制度についても、対象分野の追加や、家族帯同が可能となる「特定技能2号」への移行ルート整備が進められています。長期的なキャリア形成を見据えた受入れ体制へのシフトが見受けられます。

2024年3月31日より、場所にとらわれずに働くIT人材等を対象とした「特定活動(デジタルノマド)」の制度が開始されました。6ヶ月以下の滞在が可能となるもので、観光以上・移住未満の層を取り込む政策として注目されています。

現在、日本の在留資格は多岐にわたりますが、活動内容や身分に基づいて大きく以下の4つに分類されます。

日本で報酬を得て働くことが可能な資格です。職務内容と本人の経歴(学歴・実務経験)の適合性が審査されます。

代表例: 技術・人文知識・国際業務、高度専門職、経営・管理、技能(調理師等)、特定技能、企業内転勤など。

日本人と結婚している方や日系人など、身分関係に基づいて付与されます。活動内容に制限がなく、単純労働を含めた就労が可能です。

代表例: 日本人の配偶者等、永住者、永住者の配偶者等、定住者。

原則として報酬を得て働くことはできない。 (資格外活動許可を得れば、一定範囲でのアルバイト等は可能です)。

代表例: 留学、家族滞在、文化活動、短期滞在。

法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動を行うための資格です。

代表例: 外交官の家事使用人、インターンシップ、ワーキングホリデー、本邦大学卒業者、デジタルノマドなど。

観光等の目的で短期滞在する場合、日本は多くの国・地域に対して査証免除措置(ビザ免除)を実施しています。しかし、近年この制度に関して新たなセキュリティ対策の導入が検討されています。

米国、英国、韓国、台湾など、約70の国・地域(2024年時点)のパスポート所持者は、商用や観光、親族訪問などを目的とする短期間の滞在であれば、事前に査証を取得することなく日本に入国することが可能です。

一方で、査証免除措置を利用して入国した外国人による不法就労や不法残留などの問題に対処するため、政府は2028年を目処に「日本版ESTA(仮称:JESTA)」の導入を検討しています。

この制度は、米国のアメリカ電子渡航認証システム(ESTA)と同様に、査証免除対象国・地域の出身者であっても、渡航前にオンラインで氏名や旅券番号、渡航目的などを申告し、渡航認証を受けることを義務付けるものです。これにより、水際対策の強化と円滑な入国審査の両立が図られる見込みです。

日本の査証・在留資格政策は、経済状況や国際情勢の影響を受けやすく、頻繁に法改正や運用の変更が行われます。

特に現在は、デジタルノマドのような新しい在留資格の新設や、JESTAのような国境管理の厳格化など、アクセシビリティの向上とセキュリティ確保の両立を目指す動きが顕著です。申請や渡航を検討される際は、外務省や出入国在留管理庁が発信する最新の情報を確認し、目的に合致した適切な手続きを行うことが重要です。

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