AI時代に求められるプロフェッショナルの価値
- 2026.08.03
- ビジネスの話
最近強く思うのは、人間にしか生み出せない価値、例えば信頼関係、仕事を楽しむ姿勢、家族や仲間を大切にする文化と、自己研鑽をどう両立させていくかが、これからのプロフェッショナルにとって重要になるということです。単に成果を出すだけではなく、どのような関係性の中で価値を生み出していくのか、どのような姿勢で日々の仕事に向き合うのかといった点が、これまで以上に問われる時代になっていくのではないかと感じています。
AIの得意領域は確実に広がっていますが、だからこそ人が価値を発揮できる領域はより鮮明になっていくでしょう。情報処理の速さや正確性、一定のパターン化された業務においては、今後さらにAIの優位性が高まっていくはずです。逆に、AIと競合する能力で勝負しようとすることは、危険だとも感じています。人が無理にAIの土俵に上がるのではなく、人にしか担えない価値を磨いていくことの重要性は、これから一段と高まっていくのではないでしょうか。
抽象的な表現になりますが、相手と信頼を築く力、意図を汲み取る力、チームを前に進める力といった「ソフトスキル」の重要性は、今後ますます高まっていくはずです。加えて、目の前の相手が何を求め、何に悩み、何を期待しているのかを丁寧に感じ取りながら、適切な形で応えていく力も、より一層求められていくように思います。採用においても、学歴や職歴だけで判断するのではなく、決して妥協せずにその本質を見極めたいと考えています。
効率を追い求めるだけでなく、「誰と働くか」「どういう気持ちで仕事をするか」という人間的な側面を大切にしながら、AI時代のプロフェッショナル像を模索していきたい。それこそ「この人と一緒に飯を食いたいか」という、人柄を重視する視点も大切にしたいです。どれだけ能力が高くても、信頼できない相手とは長く良い仕事はできませんし、逆に人としての温かさや誠実さを備えた人とは、困難な局面も前向きに乗り越えていけるものだと思います。だからこそ、能力だけでは測れない人間的な魅力や、一緒に働く意味のようなものを、これからも大切にしていきたいです。
世界中の超優秀な層が様々な工夫をしながら、大幅リストラなどに踏み切っている現状を見ると、やはり「資格」が「信頼」を支える土台になると強く実感します。もちろん資格が全てではありませんが、それでも一定の専門性や覚悟を社会に対して示すものとして、大きな意味を持ち続けるはずです。
人にしか生み出せない価値がますます重要になる時代だからこそ、高い専門性と豊かな人間性を兼ね備えたプロフェッショナルが活躍する我々の業界には、大きな魅力と可能性があると感じています。これからも、難関資格への挑戦を通じて未来を切り拓こうとする人たちを、心から応援していきたいと思います。

「パートナー=出資者」を超える組織づくり
私は公認会計士として、資本主義経済の中で生きている人間の一人です。しかし、日々の実務を通じて多様な組織のあり方に触れるうち、どんなビジネスにおいても株式という仕組みが常に美しくフィットするわけではないのではないか、と感じる機会があります。
例えば、プロフェッショナルサービスファームのような業態は、製造業のように大規模な初期設備投資を必要としません。このような領域で、創業期に少額の資金を出資した人間が有限責任のまま、その後も永続的にリターンを受け取り続ける構造には、少し違和感があります。
さらに、近年の税理士法人は急激に大規模化・グループ化が進んでおり、かつての「数人の先生が集まる事務所」という規模を遥かに超越しています。この変化に対し、出資者を資格者のみに限定する仕組みも、無限責任も、現代の多様な働き方や人員構成を考えると、法律が当初想定していたものを大きく越えてしまっているように感じます。抜本的な見直しが必要な時期に差し掛かっているのではないでしょうか。
実際、私たちのようにワンストップサービスを提供する組織では、公認会計士・税理士・社労士・行政書士・司法書士などの士業だけでなく、ITや人事、マーケティング、管理部門のプロもたくさん活躍しています。
そうした環境において、旧来の「パートナー=出資者」という構造は、組織の実態にフィットしない場合があると思っています。実際に価値を創造しているのは、日々の現場で自らの専門性を発揮し、貴重なリソースを投じてくれているメンバーでもあります。
こうした課題を解決する糸口として、欧米で普及している ESOP(Employee Stock Ownership Plan)のように、働く人々が自らオーナーシップを持てる仕組みに可能性を感じています。日本でも従業員持株会活用型ESOPといった形で取り入れられているようです。
法的な規制や制度の壁など、乗り越えるべきハードルは多く、私の単なる妄想で終わってしまう可能性も大いにあります。それでも、人生における最も尊い「時間」という最大の資本を投じてくれているメンバーに対し、その貢献にまっすぐ報いることができる、これからの時代にふさわしい新たな還元の仕組みを、模索し創り上げていきたいと思っています。

RSMアジアパシフィックカンファレンス2026東京
- 2026.07.20
- IR・メディア・お知らせ
2026年7月14日から16日の3日間、「RSMアジアパシフィックカンファレンス2026」が東京で開催されました。今回はRSM Japanがホストファームを務め、各国のRSMメンバーファームのリーダーやプロフェッショナルを日本にお迎えしました。この主要な国際会議を東京で開催できたことは、私たちにとって大変貴重で意義のある機会となりました。

初日は、リージョナル・リーダーシップ・チームによる会議やChina Practice Groupのパネルセッションが行われました。夜には、ハイアットリージェンシー東京でウェルカムレセプションが開催され、私も各国から集まったメンバーと交流を深めました。
2日目は、ホストファームを代表して歓迎の挨拶を行い、本会議を東京で開催できたことへの喜びと、参加者の皆様への感謝をお伝えしました。
続いて、RSM International CEOのE.J. Nedder氏による講演が行われました。「Aligning our ambition: from market leader to market winner」および「Closing the gap: from market leader to market winner」をテーマとしたセッションでは、RSMが市場をリードする組織から、さらに選ばれ続ける組織へと成長するための戦略について、各国のリーダーが活発に意見を交わしました。
また、アジアパシフィック地域における品質・リスク管理に関するセッションに加え、オーガニックグロースおよびM&Aなどを通じたインオーガニックグロース、監査業務におけるAI・テクノロジーの活用、内部監査・リスクアドバイザリーサービスの成長、環太平洋地域におけるビジネス機会などをテーマとする分科会も開催されました。各国における先進的な取り組みや知見が共有され、今後の成長に向けた非常に有意義な議論となりました。
会議後には、私たちがホストファームとしてディナーを開催しました。各国・地域から参加したメンバーをお迎えし、東京ならではの雰囲気の中で、国や地域、サービスラインの枠を超えて積極的に交流しました。今後のクロスボーダー案件や共同プロジェクトにつながる、より強固な関係を構築する絶好の機会になったと感じています。

最終日には、「RSM in Japan – growth and strategy」と題したセッションに、私も登壇しました。RSM Japanの4名とともに、日本におけるこれまでの成長と今後の戦略について発信しました。私は、RSM Japanがこれまで歩んできた道のりと、今後さらに成長していくための方向性を、各国のリーダーに直接お伝えしました。

さらに、プロフェッショナルサービスにおけるAIの活用をテーマとしたセッションや、監査・税務・アドバイザリーの各サービスラインにおける戦略会議も行われました。
今回、ホストファームとして本会議を東京で開催したことは、日本とアジアパシフィック地域の連携を一層強化するとともに、RSM Japanの存在感や成長戦略を広く発信する重要な機会となりました。また、グローバルネットワークの一員として私どもが果たすべき役割を、改めて強く認識いたしました。
この会議で得た知見とネットワークを生かし、私たちRSM汐留パートナーズは、海外進出や日本進出をはじめとするクロスボーダー領域において、より一層高品質なサービスと有益な情報を提供してまいります。グローバルな連携をさらに強化し、クライアントの皆様の持続的な成長を支援してまいります。

リモートワーク時代における主体的な働き方とプロフェッショナルとしての成長
- 2026.07.15
- ビジネスの話
プロフェッショナルファームにおいて、リモートワーク下で期待を超える成果を出し続けるためには、対面勤務以上に主体的・能動的な姿勢が不可欠である。最近、その思いをますます強くしています。物理的に同じ空間にいないからこそ、一人ひとりの姿勢や働きかけの差が、これまで以上に成果へ直結するようになっていると感じます。
自ら必要な情報を貪欲に獲得し、疑問点については適宜適切に質問を投げること。そして、部下や後輩に対しては状況を察し、自ら積極的に声をかけること。こうした姿勢こそが重要です。リモート環境では、黙っていても自然に情報が入ってくる場面が少ない分、自分から動く力と、周囲に働きかける力の両方がより強く求められるのだと思います。
「与えられた業務を正確に遂行する」という点では、リモート環境でも十分に対応可能でしょう。しかし、その先のステージへ進み、プロとしての付加価値を高め、組織を牽引する存在となるためには、より一層の意識改革と努力が求められます。単に業務をこなすだけでなく、周囲にどのような影響を与えられるか、組織全体にどう貢献できるかという視点が、これまで以上に重要になっているように思います。
具体的には、マネージャーのように組織を支える側として主体的に動くのか、あるいは指示を待つ側にとどまるのか。もちろん、全員が管理職を目指す必要はありませんが、意欲ある人がその目標を実現できる環境は、しっかり整えていきたいと考えています。役職の有無にかかわらず、自分なりに一歩前へ出て組織を良くしようとする人が報われる環境であることが大切だと感じています。
リモートワークは、コロナ禍を経て社会に定着した新しい仕組みであり、私たちにとっても挑戦の連続です。距離の制約を超えて学び合い、成長できる仕組みをつくることは、これからのプロフェッショナルファームにとってますます重要になっていくはずです。
夏を迎えた今、あの驚くほど涼しい釧路の事務所で、再びワーケーションをしたいものです。信じられないかもしれませんが、7月末でもジャケットや長袖を着ることがあります。故郷・釧路からリモートで仕事ができる未来が来るとは、創業当時には想像もしていませんでした。働く場所の選択肢が広がったことは、個人にとっても組織にとっても、大きな可能性をもたらしていると感じます。
「国家資格だけでは食べていけない時代」とも言われますが、テクノロジーの進化は、プロフェッショナルファームにとってむしろ追い風ではないでしょうか。だからこそ、資格や専門性に加えて、主体性や発信力、周囲を巻き込む力がこれまで以上に価値を持つのだと思います。

会計連加盟法人63法人へ ― 会計事務所業界における新たな連携の広がり
- 2026.07.10
- 公認会計士・税理士, IR・メディア・お知らせ
一般社団法人会計事務所連携協議会(会計連)の加盟法人が、このたび計63法人へと拡大いたしました。全国からこれほど多くの大手・中堅会計事務所が、一つの組織のもとに集結したことは、当協議会にとっても、そして日本の会計業界全体にとっても大きな節目となります。
私たちRSM汐留パートナーズ税理士法人も、理事法人としてこの活動に深く関わっています。そして私個人としては、グローバル委員会にて委員長を務めており、日々身の引き締まる思いで活動を推進しています。
それぞれが地域や市場で確固たる基盤を持つプロフェッショナルでありながら、単なる競合という枠を超え、日本の経済と企業の未来のために手を取り合う。その熱量と志の高さには、私自身も大きな刺激を受けています。
会計事務所がその業務の枠を大きく広げ、AIの活用やDXの推進、M&Aのサポート、スムーズな事業承継の実現、さらには国際支援までをワンストップで担う「総合コンサルティングファーム」へと進化していく。この業界全体に変革が訪れていると感じます。
今回の規模拡大は、会計事務所業界における「新しい時代の到来」を告げる明確なシグナルです。変化を恐れず、常に顧客の未来に寄り添い、挑戦を続けるプロフェッショナル集団として、私たちはこれからも歩みを進めてまいります。
ぜひリリースをご覧いただけますと幸いです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000154574.html

円安時代こそ問われる、自分への「先行投資」という考え方
- 2026.07.05
- ビジネスの話
長引く円安や物価高の中、「所得が増えたら海外へ」と考える方が多数派でしょう。しかし、実はその順序を逆に捉える視点も必要なのかもしれません。つまり、余裕ができてから海外に行くのではなく、あえて先に海外へ出ることが、その後の人生における余裕や選択肢を生み出すきっかけになる、という考え方です。
未知の文化に触れて視野を広げることは、英語学習の動機付けやスキルの習得を加速させ、結果としてキャリアの選択肢を広げます。つまり海外旅行は消費ではなく、将来の所得を高めるための「人的資本への投資」なのです。目先の出費だけを見れば贅沢に映るかもしれませんが、長い目で見れば、自分自身の可能性を広げるための前向きな支出とも言えるのではないでしょうか。
たとえば、短い旅であっても、現地での戸惑いや発見は、日常の延長線上では得られない刺激をもたらします。限られた予算の中で計画を立て、言葉の壁を越えて人と関わり、自分の常識が揺さぶられる経験は、それ自体が小さな訓練です。そうした積み重ねは、変化への適応力や挑戦への耐性となって、仕事や人生のさまざまな局面で静かに効いてきます。すぐに目に見える成果にならなくても、そうした経験は確実に自分の中に蓄積され、後になって思わぬかたちで活きてくるものだと思います。
多くの人は余裕ができてから動こうとしますが、現実は「先に投資をした人」にこそ、後から余裕が訪れます。鶏が先か卵が先か。結局のところ、自分の世界を広げる行動を先に取った人のほうが、将来的に得られる選択肢も大きくなっていくのではないでしょうか。
リターンは常に、先に投じた時間とお金から生まれます。「いつか」を待つのではなく、先行して動くこと。これは資格取得など、あらゆる自己研鑽に通じる真理です。準備が万全になるのを待っているだけでは、なかなか景色は変わりません。少し背伸びをしてでも先に動くことで、初めて得られる学びや成長があります。
現実的には厳しい側面もありますが、常に自分をアップデートし続けるための「先行投資」の姿勢を忘れないでいたいものです。最高の配当は、常に「今、ここ」ではない場所へ踏み出した先に待っているものだと信じています。そして、その一歩は必ずしも大きなものである必要はなく、小さくても、自分の未来に向けて踏み出した一歩であることに意味があるのだと思います。

株式会社Smart Processのグループ参画および宇都宮事務所新設のご報告
- 2026.07.01
- 公認会計士・税理士, IR・メディア・お知らせ
このたび、RSM汐留パートナーズ株式会社は、2026年7月1日付で、モビリティ・製造業界を中心にプロセス改革、エンジニアリング、IT、AI・DX推進支援を展開する株式会社Smart Processとの資本業務提携を行い、同社をRSM汐留グループの一員として迎えることとなりました。
当グループはこれまで、公認会計士、税理士、社会保険労務士、行政書士、司法書士など多様な専門家が連携し、会計・税務・人事労務・法務・アドバイザリー、バックオフィス・アウトソーシングをワンストップで提供してまいりました。近年、お客様の経営課題が一層複雑化するなか、ITコンサルティング領域の強化を重要なテーマと位置づけています。
Smart Processは、「スマートなプロセスで未来を創る」というビジョンのもと、国内有数の企業や研究機関に対し、開発プロセス改革やAI・DX推進支援を行ってきたプロフェッショナル集団です。同社の現場に深く入り込み、プロセスから変革を実現する姿勢は、私たちの価値観と強く重なります。
今回の連携により、当グループの専門性にSmart Processの知見が加わり、AI・DXを活用した業務改革、システム導入・最適化、ITガバナンスの高度化など、より実践的で高付加価値な支援が可能になると考えております。また、サービス提供体制のさらなる強化と北関東エリアにおける事業拡大を目的として、新たに宇都宮事務所も開設いたしました。
新たな仲間を迎え、RSM汐留パートナーズは次の成長ステージへ進んでまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。
RSM汐留パートナーズお知らせ:https://shiodome.co.jp/news/58427/
RSM汐留スマートプロセス株式会社ウェブサイト:https://smart-process.co.jp

働き方を見つめ直すきっかけとなった「4つの幸せの因子」
- 2026.06.25
- いい話・格言・理念
過去に仕事がまったく上手くいかず、成果も出ないまま空回りしていた時期がありました。焦りばかりが先に立って、頑張っているのに報われない感覚が続き、自分のやり方そのものを疑ってしまうような日々でした。何をしても噛み合わず、努力の方向すら見失いかけていたように思います。そんな時に助けられた考え方が、慶應義塾大学名誉教授の前野隆司先生が提唱する「4つの幸せの因子」です。
①やってみよう(自己実現と成長)
②ありがとう(つながりと感謝)
③なんとかなる(前向きと楽観)
④あなたらしくありのままで(独立とマイペース)
振り返ると、当時の私には「ありのままで」が欠けていました。気合と責任感だけは人一倍あったのですが、どこか格好をつけて、自分を取り繕っていたように思います。弱さを見せてはいけない、しっかりしていなければいけない、そんな思いが強すぎたのかもしれません。結果的に余計に苦しくなっていたのかもしれません。
一度立ち止まってこの4つを見直したことで、「すべてを完璧にこなさなくてもいい。今の自分のままでも次の一歩は踏み出せる」と思えるようになり、視野が広がりました。まずは小さく「やってみよう」を積み重ね、周囲への「ありがとう」を意識して口に出し、行き詰まったら「なんとかなる」と自分に言い聞かせる。そして最後に、「ありのままでいたい」と素直に思えたことで、ウェルビーイングという言葉も自然と好きになりました。以前よりも少し肩の力を抜いて、自分自身と向き合えるようになった気がします。
仕事に没頭しすぎると、こうしたバランスは崩れてしまいがちです。上手くいかないときほど、この4つをざっと点検してみる。「今はどれが足りていないだろう?」と確認するだけでも、気持ちの立て直しが少し楽になります。それが、私にとっての大切な再起動のきっかけになりました。
成果を出すことと同じくらい、自分を整える時間を大切にする。それが、長く心地よく働き続けるための何よりの近道だと、今は確信しています。目の前の結果だけに追われるのではなく、自分の状態にも目を向けながら進んでいくことが、結果としてより良い仕事にもつながっていくのだと思います。

会計連キックオフ会への参加とこれからの決意
- 2026.06.20
- 公認会計士・税理士, 会食・交流会・セミナー
先日、RSM汐留パートナーズ税理士法人も理事として参画しております会計事務所連携協議会(会計連)のキックオフ会が開催されました。会場には、日本全国を代表する会計事務所の皆様が一堂に会し、熱気あふれる空間が広がっていました。これほどまでにエネルギーに満ちた皆様と同じ時間を共有し、これからの会計業界の未来について真剣に議論を交わせたことは、私にとっても大きな刺激となり、大変貴重な機会となりました。
今回、特に印象に残ったのが、「10年後に振り返ったとき、今日が分岐点だったと確信している」というお言葉でした。デジタル化やAIの進展など、私たちの業界を取り巻く環境は大きく変わりつつあります。こうした時代だからこそ、変化を受け身で捉えるのではなく、自ら未来をつくっていく姿勢が大切なのだと改めて感じました。私自身も、この日の集まりが、これからの会計業界にとって大きな一歩として記憶される機会になるのではないかと感じています。
私自身の歩みを振り返ってみても、独立して事務所を立ち上げてから今日に至るまで、本当に多くの先輩方に導かれ、育てていただきました。現在のRSM汐留パートナーズがあるのは、まさに業界の先輩方や仲間の皆様の支えのおかげであり、感謝の念に堪えません。
そうして業界の諸先輩方から学んできた中で、日本の会計業界が持つ「高い専門性」と「顧客との距離の近さ」は、世界的に見ても独自の強みであると感じています。単なる書類作成や計算の代行にとどまらず、中小企業をはじめとする経営者の最も身近な相談相手として深く寄り添う姿勢は、日本の誇るべきビジネス文化です。これからの時代は、個々の事務所が限られた市場の中で競い合うだけでなく、業界全体で知見やノウハウをオープンに共有し、その魅力を社会へ力強く発信していくことが欠かせません。協調して全体の底上げを図ることの重要性を、今回改めて強く認識いたしました。
税理士・会計士業界には、まだまだ無限の可能性が眠っています。テクノロジーの進化により、定型業務の効率化は目覚ましく進んでいますが、業界の未来をつくるのは制度でもAIでもありません。最後はやはり人の熱量や人間力だと思っています。だからこそ、私たちが先輩方から受け取った恩返しのバトンを、今度は次の世代へとつないでいく番です。若い方々が「この業界で働きたい」「ここに未来がある」と夢や希望を持てる環境づくりに向けて、私自身も微力ながら全力を尽くし、貢献していきたいと考えています。
会計連の活動を通じて、会員の皆様としっかり手を携え、日本の会計業界のさらなる発展と輝かしい未来の創造に邁進してまいる所存です。

国際ビジネスにおけるマインドセットの転換と日本人の強み
- 2026.06.15
- ビジネスの話
これまで多くの欧米人と時間を共にする中で、改めて確信したことがあります。それは、体が大きく、声や態度も堂々とした外国人を前にしても、過度に身構える必要はないということです。
彼らは見た目に貫禄があり、英語で強く主張されると圧倒されがちですが、実際には私たちとそれほど違いはありません。日本人の感覚では50代に見える相手が、実は30代だった、ということもよくあります。過度に緊張する必要はなく、いい意味で肩の力を抜いて接していいのだと実感しています。
一方で、日本人の強みである「謙虚さ」「完璧主義」「空気を読む力」は、国際ビジネスの場では必ずしもプラスに働くとは限りません。むしろ、相手に合わせすぎたり、自分を必要以上に小さく見せてしまったりする原因にもなり得ます。だからこそ、英語でやり取りをする際には、意識的なマインドの切り替えが必要です。
例えば日本では、相手の立場に関わらず誰に対しても対等かつ丁寧に接するのが美徳です。しかし海外では、相手のポジションによってトーンや距離感を明確に変える場面が多々あります。
私自身、相手がパートナークラスであれば丁重に対応しますが、ディレクターやマネージャー以下であれば、戦略的にそれ相応のトーンで接することもあります。本音を言えばあまり気が進まない手法ではありますが、これまでの経験上、その方がスムーズに事が運ぶことが多いのです。
つまり、相手のオーラや英語に気後れせず、かといって日本的な感覚に縛られすぎず、自分の立場と相手の立場を冷静に見極めて向き合うことが肝要なのだと思います。
取り留めのない話になりましたが、世界を見渡しても日本人は本当に優秀です。過度に臆することなく、場面に応じてマインドを切り替え、自信を持って向き合えば、私たちは十分に世界で戦っていけるはずだと確信しています。
