「人が資本」の経営で見誤ってはいけないこと
- 2026.04.20
- いい話・格言・理念
お金はもちろん大切です。会社を経営する以上、利益を生み続ける必要がありますし、健全な経営のためには収益性から目を背けることもできません。ですが、「個人の財」を必要以上に、あるいは貢献以上に増やそうとするような強い執着を持って経営に臨む人とは、正直うまくやっていけない。これは、これまでの私自身の経験を通じて強く感じてきたことです。
なぜなら、私たちのような「人が資本」のビジネスにおいて、お金そのものを目的にした瞬間、従業員の給与が単なる「コスト」に見えてしまうからです。 本来、従業員はともに価値を生み出す大切な仲間であるはずなのに、見方を誤れば、利益を削る邪魔な存在のように映ってしまうことさえあります。そうなってしまえば、どれほど立派な理念を掲げても、どれほど美しいビジョンを語っても、その土台は少しずつ崩れていってしまいます。
私は、利益とは理念を貫いた結果であり、決して最初に置くべき目的ではないと考えています。理念を大切にし、信頼を積み重ね、従業員とその家族、顧客、そして地域社会に価値を提供し続けた先に、結果として利益がついてくるのだと思います。会社にとって利益は確かに不可欠です。しかし、その順番を取り違えた瞬間に、会社は数字を追うだけの存在となり、少しずつ魂を失っていくのではないでしょうか。こうして考えると経営というものは、理念と利益の両立を追求する「永遠の挑戦」ですね。深くて難しいテーマです。
それでも、私はお金のためではなく、理念のために会社を経営したいと思います。そして、その理念に共感してくれる仲間とともに、長く誇れる会社を築いていきたいです。結局のところ、お金よりも大切なこの「信頼」を守るために、私は経営をしているのかもしれません。

誰に見られていなくても、誇れる振る舞いを
- 2026.04.15
- プライベート・その他
先日、親しくしているイギリス人の会計士とランチをご一緒しました。彼は日本在住1年半ほどで、日本人の奥様がいらっしゃり、日本と海外の双方を客観的かつフラットに比較できる視点を持っている方です。そのため、日々の何気ない出来事に対する見方にも、私たち日本人とは少し異なる気づきがあるように感じました。
その席で「日本で違和感を覚えることはある?」と尋ねたところ、はっとさせられる指摘がありました。それは、「日本人は店員や清掃員、タクシーの運転手など、二度と会わないかもしれない相手に対して、意外なほど冷たく、時に無礼に見えることがある」というものです。身近な場面の話だからこそ、その言葉は強く印象に残りました。
たとえば、横断歩道を渡ろうとする歩行者に対する車の対応や、道路上での強引な追い越しなど、日常の中には「無意識の冷たさ」が潜んでいるのかもしれません。世界的には「穏やかで親切」というイメージが強い日本人ですが、確かに言われてみると、私自身も思い当たる節がないとは言えません。表面的には礼儀正しく見えても、相手との関係性によって無意識に態度が変わってしまうことは、誰にでもあるのかもしれないと感じました。
「お天道様が見ている」という価値観があるからこそ、日本人は誠実なのだとどこかで信じていました。しかし一方で、その前提に安心し、無自覚のうちに甘えていた部分もあったのかもしれません。この機会に、どんな相手に対しても丁寧で敬意ある振る舞いを当たり前にできるよう、自分自身の行動を見つめ直したいと感じました。
どこで見られていても、あるいは誰にも見られていなくても。自分自身の心に誇れる振る舞いを積み重ねていこうと決意しました。
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マルタ訪問を通じて感じた、日本・マルタ間の新たな可能性
先月、マルタ共和国にてRSM Maltaのマネージングパートナー、Karen Spiteri Bailey氏とお会いしました。日本・マルタ間の成長戦略やサービス品質の向上、さらにはグローバル市場におけるプレゼンス強化に向け、多角的な意見交換をさせていただきました。そして、現地のチームメンバーとも直接交流し、RSM JapanとRSM Malta間の連携をさらに強化しました。今回の交流は、RSMグローバルネットワークにおける連携の可能性、マルタが持つアドバイザリー拠点としての重要性を再認識するよい機会となりました。
また、マルタ商工会議所では、同会議所メンバーや英語教育・TEFL分野の関係者との会合に出席しました。マルタの優れた教育環境を活かしたエグゼクティブ向けプログラムや専門能力開発、国際的なイマージョン学習の機会に加え、日本・マルタ間における若者の交流やワーキングホリデーの可能性についても議論を深めることができ、大変有意義な時間となりました。
日本とマルタは国交樹立60周年という節目を迎えました。EU加盟国としての機動力、英語環境、そして多様な人材というこの国の強みは、日本企業にとっても多くの示唆に富んでいます。
特に印象的だったのは、「パスポート=移動の自由」に留まらず、「どの経済圏に属するか」が個人や企業の選択肢を劇的に広げるという視点です。EUという枠組みの中でビジネスを展開する意義を、改めて実感できました。
グローバル展開が前提となる時代において、地理的条件や制度をどう戦略的に捉えるか。日本国内に留まっていては見えにくい視点を、現地の体験を通じて得ることができました。この知見を今後の自社戦略やクライアント支援に最大限に活かしてまいります。

2026年度 RSM汐留パートナーズ 入社式
- 2026.04.05
- IR・メディア・お知らせ
先日、新卒社員を含む12名が新たに仲間入りし、入社式を執り行いました。RSM汐留パートナーズは4月1日をもって創業19年目を迎え、今年度は過去最多の新卒社員を迎えることとなりました。こうして新たな仲間を迎えられたことを、非常に嬉しく、また感慨深く感じています。
今回入社した新卒メンバーのうち2名は外国籍で、全員が英語を活かした業務に強い意欲を持っています。また、公認会計士や税理士、USCPAを目指しているメンバーもおり、それぞれが明確な目標を持ってスタートラインに立っていることを非常に頼もしく感じています。これから多くの経験を重ねる中で、一人ひとりが自分の強みを磨き、活躍の場を広げていってくれることを今から楽しみにしています。
私からは新入社員に向けて、今後の成長への期待とともに、3つの経営理念の1つである「従業員とその家族を大切にする」という考えについて、その背景や想いを交えてお話ししました。仕事は人生の大切な一部ではありますが、仕事だけで成り立つものではありません。だからこそ、本人だけでなく、その周囲にいる大切な人たちも含めて支えていける組織でありたいと考えています。
自己紹介と抱負の発表では、一人ひとりが目標や意気込みを語ってくれました。限られた時間ではありましたが、その言葉の端々から個性や前向きな姿勢が伝わってきて、とても印象に残る時間となりました。これから同じ組織でともに働いていく仲間として、それぞれがどのように成長し、どのような価値を生み出していくのか、ますます楽しみになりました。
一方で、彼らの期待に応えられる組織であり続けなければならないというプレッシャーも感じています。ただ、私自身、こうした刺激は嫌いではありません。新しい仲間を迎えるたびに、組織としての責任や可能性を改めて意識させられますし、それは経営にとって非常に大きな原動力でもあります。テクノロジーをフル活用し、変化の主導権を握る経営を推進してまいります。

RSM汐留パートナーズ株式会社創業18周年
- 2026.04.01
- IR・メディア・お知らせ
RSM汐留パートナーズ株式会社は、本日で創業18周年を迎えました。2008年に産声を上げてから、18年。振り返れば、決して平坦な道のりではありませんでしたが、多くのお客様、パートナーの皆様、そして共に歩んできたメンバーに支えられ、今日という節目の日を迎えることができました。心より感謝申し上げます。
創業当初は、小さな一歩からのスタートでした。ですが、ワンストップサービスでクライアントの課題解決に本気で向き合うという姿勢だけは、今も変わらず大切にしています。会計・税務・人事・労務・法務等を中心に、時代の変化とともにサービスの幅を広げながら、私たちは常に進化を続けてきました。
この18年間で、社会やビジネス環境は大きく変化しました。テクノロジーの進展、グローバル化の加速、そして近年ではAIの急速な発展など、我々を取り巻く環境は目まぐるしく変わっています。その中で、私たちに求められる役割もまた、より高度で多様なものへと変わってきました。従来の専門性だけでは十分ではなく、複雑化する課題に対して柔軟かつ実践的に応えていくことが、これまで以上に求められていると認識しています。
だからこそ、私たちはこれからも「変化に適応する」のではなく、「変化を先取りし、価値を提供する存在」であり続けたいと考えています。専門家としての知見に加え、テクノロジーや国際的な視点を取り入れながら、お客様にとって本質的な価値とは何かを追求し続けていきます。変化の先にある成長や発展まで見据えた支援ができる存在でありたいと考えています。
18歳は、人でいえば成人を迎える節目です。責任と自立が求められる一方で、無限の可能性が広がる年齢でもあります。RSM汐留パートナーズもまた、これまでの歩みを礎にしながら、新たな挑戦へと踏み出していくフェーズに入りました。これまで培ってきた経験や信頼を大切にしながら、さらにその先の未来を見据えて、新しい価値の創出に取り組んでまいります。
これからの10年、20年に向けて、より一層社会に貢献できる存在となるべく、メンバー一同、引き続き努力してまいります。これまで支えてくださったすべての皆様への感謝を胸に、今後も誠実に、一歩一歩前進してまいります。今後とも、RSM汐留パートナーズをどうぞよろしくお願い申し上げます。

加速する会計事務所のロールアップ買収:グローバルトレンドと戦略的選択肢
2015年から2025年にかけて、世界では177件のプラットフォーム投資を端緒に875件のロールアップ買収が行われ、累計1,052件の会計事務所取引に波及しています。現在、会計業界ではPE主導による業界再編が着実に進み、その動きは年々存在感を増している状況です。
この潮流は米国や英国を中心に広がってきましたが、足元では欧州、豪州、さらには新興国を含む多国間へと波及しています。先日、懇意にさせていただいている経営者の方との情報交換の中で、日本市場における同様の打診についても伺いました。具体的な進展には至らなかったようですが、PEがどのようなスキームで参入を画策しているのか、その動向を把握しておくことは極めて重要だと感じます。
プロフェッショナルファームの成長を考えるうえで、外部資本の活用は今や一つの現実的な選択肢になりつつあります。もちろん、すべての法人に適した手段であるとは限りませんが、こうした世界的なトレンドを正しく理解し、自らの経営のあり方と照らし合わせて捉えることは、今後の経営戦略を構築する上で欠かせない要素と言えるでしょう。
一方で、急進的な利益追求の影で、不正やハラスメントが社会問題化している現実も見過ごすことはできません。成長のスピードや規模だけが評価されるのではなく、その過程において組織の健全性や倫理観が保たれているかどうかも、これまで以上に問われる時代になっているように思います。単なる数字上の成長にとどまらず、ステイクホルダー全員のウェルビーイングが確保された、真に健全な業界の発展を願ってやみません。
資本の力と人の心が調和する、新しい時代のプロフェッショナルファームのあり方を、これからも丁寧に模索し続けていきたいと考えています。

意思決定の解像度が変わる。MBAで得た「経営の視座」
働きながらMBAに通って一番良かったこと。それは、公認会計士・税理士としての「士業の視点」に、「経営者としての視点」を掛け合わせることができた点にあります。
財務や税務という武器に、戦略、組織、マーケティング、リーダーシップといった経営のフレームワークが加わったことで、意思決定の解像度が大きく上がりました。2年間、必死に食らいついて海外のトレンドやESG、ファミリービジネスなども学びました。正直、車が買えるくらいの投資でしたが、海外MBAに比べれば安価ですし、それ以上のリターンがあったと感じています。
最近、知人の税理士がKBS(慶応ビジネススクール)に、部下がWBS(早稲田ビジネススクール)に合格しました。これは本当に嬉しいことです。MBAは「誰と学ぶか、誰から学ぶか」がとても大事。仕事と勉強の往復は簡単ではありませんが、あの時踏ん張ったからこそ、今の自分があります。
ESG、国際、AIなど、経営課題はますます複雑になる昨今ですが、大きな責務こそ成長のチャンスになります。「あの人には専門知識では勝てない」と思うような、キレキレの同業者は世の中にたくさんいます。しかし、専門性だけで勝負し続けるのは、クライアントのレベルが上がるほど難しくなるのも事実。
だからこそ、教育やチームビルディング、あるいは「経営者の良き理解者」といった、少し違う領域で自分の価値を出したい人にとって、MBAは最高の選択肢になります。私自身も、かつては同じ悩みを持っていました。
監査法人や中小企業向けの事務所にいると、大企業の人との繋がりは限定的になりがちです。MBAに行けば、一流企業のリーダー候補たちと最高の関係が築けます。これは一生の宝物です。これからもおすすめしていきたいと思います。

独立した立場の重責。社外役員は「時間の切り売り」ではない
- 2026.03.15
- ビジネスの話
昨今、公認会計士や弁護士の間で「社外役員」は人気のポジションとなっているようです。しかし、その重責をしっかり果たせる人材はいまだ不足しているのが実情です。一方で、税理士やその他の士業にとっては、門戸が十分に開かれているとは言い難い現状もあります。
背景には、会社法や金融商品取引法への対応、ガバナンスやリスク管理、国際ビジネスといった高度な専門性への需要があります。取締役会の機能強化が求められる中で、監査・法務のプロが重宝されるのは必然と言えるでしょう。
もっとも、たとえ打診があったとしても、安易に引き受けるべきではないと私は考えています。軽々しく引き受けてしまうことは、会社にとっても個人にとっても望ましい結果にはつながりません。
一方、非常勤という立場では、得られる情報に限りがあります。しかし、負うべき法的責任がそれに比例して軽くなるわけではありません。「報酬が低いから投下時間も少なめに」という理屈は通じても、リスクは時間に比例してはくれないのです。
何より、「時給が良いから」といった発想は論外です。社外役員の本質は時間の切り売りではなく、独立した立場から経営判断に関与する重い責任にあります。極論を言えば、24時間その会社のことを考え抜く覚悟が必要な職責なのです。
私自身、これまで上場企業3社で社外役員を務め、うち2社では社外監査役としてIPOも経験しました。現在は1社で社外取締役を拝命していますが、経験を重ねるほどに、この役割の重みと、引き受ける際の慎重さの重要性を強く感じています。
もちろん、社外役員を専業として数社を掛け持ちする道もあります。それは一定の経験を積んだ上で、プロの社外役員として「全力で振り切る」という立派なキャリアの形であり、今後さらに注目される生き方になるのではないでしょうか。

レバンガ北海道との連携による子どもたちへの絵本寄贈・交流イベント
- 2026.03.11
- IR・メディア・お知らせ
レバンガ北海道との連携は、当社にとって地域社会とのつながりを具体的な形にしていく大切な取り組みの一つです。今回、札幌市の「サクラ保育園上野幌」において、子どもたちに向けた絵本の寄贈および交流イベントを実施できたことを、大変嬉しく思っております。

当日は、レバンガ北海道のマスコットキャラクター「レバードくん」が登場し、子どもたちとのハイタッチや記念撮影が行われました。親しみやすい交流を通じて、会場は子どもたちの笑顔と活気に包まれ、楽しいひとときとなりました。
また、保育士による寄贈絵本の読み聞かせも実施され、子どもたちは物語の世界に引き込まれるように熱心に耳を傾けていました。寄贈した絵本は今後、園内の絵本スペースに配架され、子どもたちが日常的に手に取れる環境の中で活用される予定です。日々の読み聞かせや自由遊びの時間を通じて、子どもたちの想像力や語彙力がさらに広がっていくきっかけとなることを願っております。
レバンガ北海道が推進する社会貢献活動に共感するとともに、子どもたちが本に親しみ、豊かな感性を育む機会づくりにご一緒できたことを大変意義深く感じております。今後も、地域に根ざした活動を通じて、次世代支援と地域社会への貢献を着実に続けてまいります。

中堅ファームが日本を牽引する。ミドルマーケットを健全な成長の舞台へ
- 2026.03.05
- ビジネスの話
米国において、ミドルマーケットは極めて明確なセグメントとして確立されています。売上高3,000万ドル〜10億ドル(約45億~1,500億円)規模の企業が12万社以上存在し、米国全体の売上の約3分の1(約16兆ドル)を占め、5,000万人超の雇用を支えているのです。日本人の感覚からすると、これらは十分に「大企業」と呼べる規模感かもしれません。
特筆すべきは、この層に特化したサービス提供者が最適化されている点です。米国では、大企業(Large Enterprises)、中堅企業(Middle Market)、中小企業(SMEs)の各レイヤーごとに担い手が分かれており、提供価値・価格・スピード関与の深さが非常にクリアです。
これはミスマッチを避けるための極めて合理的な仕組みといえます。企業と士業のミスマッチは、双方が不幸になる結果を招きます。支払う側は「これほどの報酬を払っているのに」と不満を抱き、受け取る側は「この報酬では割に合わない」と疲弊してしまうからです。
対して日本では、こうした階層別の最適化が十分に進んでいるとは言えません。あえて厳しい意見を述べるならば、成長が停滞し、国内ビジネスが主軸である時価総額数十億円規模の上場企業に対し、Big4による監査は「オーバースペック」となっているケースも見受けられます。
また、欧米のプロフェッショナルは、どのレイヤーであっても自らが提供すべき価値を明確に定義し、そこに誇りを持って取り組んでいます。「誰に、何を、どこまで提供するか」が整理されていることが、結果として経済活動全体の効率化にも繋がっているのでしょう。
今後、人材の流動化やテクノロジーの進化、PEファンドの台頭を背景に、日本でも「企業のフェーズに合った価値提供」がより強く求められるはずです。この変化が自然に訪れるのを待つのか、それとも中堅・中小ファームが自ら牽引していくのか。私は、間違いなく後者でありたい、後者にしていくべきだと考えています。
ミドルマーケットは、決して経済の「周縁」ではありません。ミスマッチを解消し、企業とプロフェッショナルの双方が健全に成長できる「主戦場」です。その一端を担い、日本の経済活性化に貢献できるよう、今後も邁進してまいります。
