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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

3月末までに減資をしたいというお問い合わせ

事業年度と減資

12月は減資に関するお問い合わせが多くありました。

ご相談の内容の多くは、来年の3月末までに減資をしたいという内容です。

来年の3月末までに減資だけでなく、増資をしてから減資をしたいというものもあります。

≫株式会社の募集株式の発行と資本金の減少を同時に行う方法

3月末までに、という期限がある理由としては、ご相談者様の多くがその事業年度末を3月末としているためです。

事業年度末と資本金

事業年度末までに減資をする理由の一例としては、次のようなものがあります。

  1. 繰越欠損金の解消
  2. 配当金の原資の確保
  3. 資本金を1億円以下とすることによる税務的メリット
  4. 大会社となることを回避する

以下、簡単に補足します。

繰越欠損金の解消

資本金及び/又は資本準備金を減少し、資本剰余金に振り替えることにより、前期までの利益剰余金のマイナス分(繰越欠損金)を資本剰余金のプラス分でカバーする欠損填補をすることができます。

また、資本剰余金を利益剰余金に振り替え損失の処理をすることにより、繰越欠損金(の一部又は全部)を解消することが可能です。

≫欠損填補をするための減資の手続きと、損失処理のできる資本剰余金の範囲

配当金の原資の確保

定時株主総会で剰余金の配当をするために減資をするというケースがあります。

剰余金の配当により株主に対して交付する金銭の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならないためです(会社法第461条1項)。

分配可能額を確保するために、資本金及び/又は資本準備金を減少し、資本剰余金に振り替えることが考えられます。

資本金を1億円以下とする税務的メリット

資本金の額によって、法人税上の優遇策が受けられるかどうか変わるラインがあります。

法人税上では、資本金が1億円以下であれば「中小企業」として扱われますので、税法上多くの優遇策が受けられることになっています。

具体的な税務的メリットにつきましては、顧問税理士にご確認ください。

大会社となることを回避する

会社法上の大会社となることを避けるために減資をすることがあります。

会社法上の大会社の定義は次のとおりです(会社法第2条6号)。

  • 最終事業年度に係る貸借対照表に資本金として計上した額が5億円以上 又は
  • 最終事業年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計額が200億円以上

会社法上の大会社に該当すると、非公開会社においても、会計監査人の設置義務が生じ(会社法第328条2項)、会計監査人を設置すると監査役の設置義務が生じます(会社法第327条3項)。

今期中に増資をして資本金が5億を超えたとしても、期末までに減資をして資本金が5億円を下回れば、大会社に該当しません。

減資の手続きをする

減資の手続きは2ヶ月程度かかりますので、3月末決算の会社である場合、3月に入ってから減資をしようと思っても、3月末までに減資を完了させることはできません。

減資の検討は、お早めにされることをお勧めします。

また、もし減資の手続きを失敗してしまうと、減資をできないまま次の事業年度に入ることになってしまいます。

そうなると、当初想定していた減資のメリットを享受できない事態が生じますのでご注意ください。

≫株式会社の資本金の額の減少(減資)手続きと登記


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

汐留司法書士事務所では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
様々なサポートを行っております。


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