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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

2月12日から減資の手続きをスタートさせて、3月31日までに減資の効力を発生させられる?

減資の手続きと効力発生

事業年度末までに資本金の額の減少(減資)の手続きを完了させたいというニーズは一定数あります。

資本金の額を1億円以下として税務的なメリットを享受したい、欠損填補や損失の処理をしたい、会社法上の大会社となることを避けたいことが理由であるように思います。

≫3月末までに減資をしたいというお問い合わせが増えております

しかし、減資は債権者保護手続きを経なければならず、手続きの着手から減資の効力発生まで、どうしても1ヶ月以上はかかってしまう仕組みとなっています。

今から手続きをスタートさせる

2020年2月12日(水)から手続きを減資の手続きをスタートさせて、2020年3月31日(火)までに減資の効力を発生させることは可能でしょうか。

3月31日までに減資の効力を発生させるには、官報に減資公告を2月28日までに掲載する必要があります。

結論から申し上げると、まだ可能です。

ただし、会社の状況に応じて無理なケースもあります。

それは、これから決算公告を官報に掲載しなければならない株式会社です。

申込みから掲載までの期間(官報公告)

債権者保護手続きの期間に影響を与えるものとして、決算公告を官報に掲載するかどうか、というものがあります。

決算公告を掲載する場合は、申込みから掲載まで10営業日程度、要することになっています(なお、弊所で官報への掲載申込みをする場合の例です。)。

公告方法を「官報」と定めている株式会社においては、決算公告をする義務があり(会社法第440条1項)、減資の公告及び催告には、この決算公告の内容を掲載しなければなりません(会社法第449条2項)。

公告方法を「官報」と定めている株式会社で、減資公告までに最新の決算公告をしていない株式会社は、決算公告を事前にしておくか、減資公告と同時に決算公告も行うことになります(同時公告)。

同時公告を行う場合も、申込みから掲載まで10営業日程度要します。

今から間に合うか

これから、減資のために官報で決算公告をしなければならない株式会社は、2月12日に決算公告+減資公告の申込みをしても、間に合わない可能性があります。

上記のとおり、官報に決算公告を掲載するには期間がかかってしまうためです。

減資のために官報で決算公告をしなければならない株式会社とは、公告方法が「官報」であり、最新の決算公告をしていない株式会社のことを指します。

テクニック的には、公告方法を「官報」から「電子公告」に変更し、決算公告を電子公告で行い、官報には減資公告のみを行うことで、2月中に債権者保護手続きをスタートさせることはできるでしょう。

官報への減資公告は、申込みから掲載まで5営業日程度で済むためです(弊所で官報への掲載申込みをする場合の例です。)。

既に決算公告をしている株式会社

既に最終の貸借対照表等につき決算公告をしている株式会社は、2月中に債権者保護手続きのスタートを切ることが可能です。

上記のとおり、官報への減資公告は、申込みから掲載まで5営業日程度で済むためです(弊所で官報への掲載申込みをする場合の例です。)。

定款に定められた公告方法が「日刊工業新聞」や「電子公告」であり、ダブル公告をする場合でも、2月12日に手続きをスタートさせれば、3月31日までに減資の効力を発生させることができるでしょう。

日刊工業新聞の公告は、掲載から申込みまで8営業日程度であり、電子公告の調査は申込みから調査スタートまで4営業日程度(依頼する調査機関によって異なります)です。

合同会社と特例有限会社の減資

合同会社と特例有限会社は決算公告をする義務がありませんので、2月中に債権者保護手続きのスタートを切ることが可能です。

そのため、3月31までに減資の効力を発生させることができます。

≫合同会社の資本金の額の減少(減資)とその登記手続き


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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