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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

払込証明書とゆうちょ銀行

銀行通帳の写しは会社設立登記申請の添付書類

株式会社を設立するときは、管轄法務局に会社設立の登記申請をする必要があり、この登記申請をもって株式会社は誕生します。

この登記申請の添付書類として、発起人または代表取締役の個人の銀行口座等の通帳の写しを提出しますが、それが株式会社ゆうちょ銀行の通帳の場合は1点注意が必要です。

株式会社設立の払込証明書については、こちらの記事をご参照ください。(株式会社の発起設立における払込証明書(金銭出資)

預金と貯金の違い

話がそれますが、金融機関にお金を預ける行為を預金や貯金と言ったりしますが、この2つの言葉を意識的に使い分けている方は多くないと思います。

この預金と貯金の言葉の違いは、お金を預けた先の金融機関によって異なります。預金は銀行や信用金庫などにお金を預けた場合をいい、貯金は郵便局や農協などにお金を預けた場合をいいます。(郵便局も現在は株式会社ゆうちょ銀行となっており、銀行ではありますが昔からの呼び方のままとなっています)

ゆうちょ銀行の貯金通帳

最近の会社設立登記のご依頼において設立に利用する発起人の銀行口座は、20代30代の方はインターネットバンクが多く、その他の方でも都市銀行や埼玉県の方であれば埼玉りそな銀行が多い印象です。それでもたまに利用することがあるのが株式会社ゆうちょ銀行の通帳です。

会社設立時においてゆうちょ銀行の通帳と他の金融機関の通帳の違いは、ゆうちょ銀行の通帳には通帳名義人の住所が記載されている点です。

なお、2015年10月1日以降に発行される通帳には住所が記載されないようになったようです。

発起人の住所と通帳名義人の住所が異なる

前述のとおり株式会社の設立登記申請に添付する預貯金の通帳の写しは、発起人または代表取締役のものに限られています。登記申請を審査する法務局は、この点をよくチェックしています。

都市銀行やインターネットバンクであれば、その口座に氏名しか記載されていないため発起人または代表取締役の氏名と一致すれば問題がありません。

しかし、ゆうちょ銀行の通帳のうち住所が記載されているものは、住所と氏名が一致していなくてはなりません(このことが原因で登記申請が補正となってしまったことがあります)。発起人または代表取締役の住所は、法務局に提出する書類(定款や印鑑登録証明書)に記載されているため、法務局サイドも把握することができます。そのため、住所が一致しない場合はその対策が必要となります。

住所変更証明書

住所がゆうちょ銀行の通帳に記載されているものと現在の住民票登録地が異なる場合、住民票や戸籍附票で住所に沿革をつけます。住民票などの公的な証明書をもって、ゆうちょ銀行の通帳名義人と発起人または代表取締役が同一人物であることを証明する必要があるからです。

住所の削除

2015年10月1日以降に発行されるゆうちょ銀行の通帳には名義人の住所が記載されなくなりました。それにともなってか、通帳をゆうちょ銀行窓口に持っていくと住所を二重線で引いて削除してもらうことができるようです。まだ弊所では実例はありませんが、おそらく住所が二重線で削除された通帳でも(二重線で消された住所が、印鑑証明書等の住所と異なる場合でも)問題はないと思います。


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
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