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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

取締役会設置会社(株式会社)の定時株主総会のスケジュールと手続き

この記事では、取締役会設置、監査役設置、監査役会非設置、会計監査人非設置、大会社ではない非公開会社を前提としています。

計算書類の作成と定時株主総会

株式会社は、各事業年度に係る計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書を作成します(会社法第435条2項)。

計算書類とは、貸借対照表、損益計算書その他株式会社の財産及び損益の状況を示すために必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものをいいます。

監査役設置会社においては、計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書は、法務省令で定めるところにより、監査役の監査を受け(会社法第436条1項)、監査役の監査を受けた後にそれら書類は取締役会の承認を受けます(会社法第436条3項)。

計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書(監査報告を含む)を定時株主総会の2週間前の日から5年間、本店に備え置きます(会社法第442条1項1号)。

招集通知には法務省令で定めるところにより、株主に対し、計算書類及び事業報告(監査報告を含む。)を提供します(会社法第437条)。

取締役会の承認を受けた計算書類及び事業報告を、取締役は、定時株主総会に提出し、又は提供します(会社法第438条1項)。

定時株主総会において、取締役は、事業報告の内容を定時株主総会に報告し(会社法第438条3項)、計算書類は、定時株主総会の承認を受ける必要があります(会社法438条2項)。

必要な手続き

事業年度末以降に必要となる、決算承認に関する上記の手続きをまとめると次のとおりです。

  • 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の作成
  • 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の監査役の監査
  • 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の取締役会の承認
  • 計算書類及び事業報告並びにこれらの附属明細書の本店備置
  • 定時株主総会の招集
  • 定時株主総会で事業報告及び計算書類の承認
  • 計算書類、株主総会議事録の保存

上記は株主総会の議案が決算承認のみの場合であり、剰余金の配当や役員の選任、役員の報酬改定等がある場合はそれらの議案を追加します。

各手続きの期間

上記の各手続きには会社法等で定められた期間があり、

定時株主総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集しなければならないとされており(会社法第296条1項)、決算申告及び基準日の関係から、その多くは事業年度末から3ヶ月以内に定時株主総会を開催すると定款に定めている会社が多いかと思います。

監査役は、次のいずれか遅い日までに監査報告を通知します(会社計算規則第124条1項1号)。

  1. 計算書類の全部を受領した日から4週間を経過した日
  2. 計算書類の附属明細書を受領した日から1週間を経過した日
  3. 取締役及び監査役が合意により定めた日があるときは、その日

取締役会を開催するときは、原則として、取締役会の日の1週間前までに各取締役及び各監査役に対してその通知を発します(会社法第368条1項)。

株主総会を開催するときは、原則として、株主総会の日の1週間前までに株主に対してその通知を発します(会社法第299条1項)。

定時株主総会までのスケジュール例

事業年度末が12月31日の会社が翌年3月中に定時株主総会を行うケース

12月31日
決算日
1月18日
計算書類等の作成
1月20日
監査役へ計算書類等を提出
2月24日
監査報告の作成
3月8日
取締役会で計算書類等の承認
3月10日
計算書類等の本店備え置き
3月17日
招集通知の発送
3月25日
定時株主総会

事業年度末が3月31までの会社が同年6月中に定時株主総会を行うケース
3月31日
決算日
4月18日
計算書類等の作成
4月20日
監査役へ計算書類等を提出
5月24日
監査報告の作成
6月8日
取締役会で計算書類等の承認
6月10日
計算書類等の本店備え置き
6月17日
招集通知の発送
6月25日
定時株主総会

決算申告

原則として、各事業年度終了の日の翌日から2ヶ月以内に、法人税の申告及び納税を行います。

決算申告の手続き等については、顧問税理士にご確認ください。

決算公告

株式会社は、定時株主総会の終結後遅滞なく、貸借対照表を公告しなければなりません(会社法第440条1項)。

公告方法が官報又は日刊新聞紙である株式会社は、貸借対照表の要旨を公告することで足ります(会社法第440条2項)。

決算公告の懈怠は過料が科されにくいという現状もあり、決算公告を実際に行ってる会社はかなり少ないというデータがあります(決算公告をしないことを勧めるものではなく、また、過料が科されないことを保証するものではありません)。

≫株式会社の公告方法は約83%が官報であり、官報で実際に決算公告をしている株式会社は1.5%


この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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