商業登記関係 清算人選任と本人確認証明書
取締役が新しく就任するときは本人確認証明書が必要
取締役、監査役もしくは執行役が就任するときは、その変更登記の添付書類として、就任を承諾したことを証する書面(一般的には就任承諾書)に記載されている氏名及び住所と同じ氏名及び住所が記載された住民票等の本人確認証明書を提出しなければなりません。(改正商業登記規則第61条5項)
清算人が新しく就任するときは本人確認証明書は不要
株式会社が解散をして清算人が就任をするときも本人確認証明書が必要かというと、清算人は商業登記規則61条5項の射程外のため、本人確認証明書は必要とはされていません。
ですので、清算人の選任の登記を申請する際は、住民票等の本人確認証明書の添付をしなくても登記申請は受理されます。
代表清算人の印鑑登録証明書も不要
再任を除き、代表取締役の選任登記の添付書類として、代表取締役の就任を承諾したことを証する書面と当該代表取締役の印鑑登録証明書を添付する必要がありますが(商業登記規則第61条2項、3項)、代表清算人の選任登記には代表清算人の印鑑登録証明書の添付は求められていません。
合同会社の代表社員が新しく就任するとき
清算人の話からは逸れますが、合同会社の代表社員が新しく就任するときも本人確認証明書(商業登記規則第61条5項)や印鑑登録証明書(商業登記規則第61条2項、3項)は不要とされています。
印鑑届書に添付する印鑑提出者の印鑑登録証明書は必要
登記申請の添付書類として代表清算人や合同会社の代表社員の印鑑登録証明書は必要ではありませんが、会社印鑑を届け出る人が変わるときは印鑑届書を当該登記申請と同時に提出する必要があり、この印鑑届書に印鑑提出者の印鑑登録証明書を添付しなければなりません。
結局、代表清算人や合同会社の代表社員のうち、会社印鑑を届け出る人の印鑑登録証明書は用意する必要があります。
この記事の著者
司法書士
石川宗徳
1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)
2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。
2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。
また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。