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代表司法書士 石川宗徳の 所長ブログ&コラム

A種優先株式を設定するときに、それ移行は株主総会を経ずにA種優先株式を発行できるようにする方法

A種優先株式の発行

普通株式のみを発行している会社が新たに種類株式を発行するときは、一例として次の手続きを踏むことが多いのではないでしょうか。

ここでは、取締役会非設置会社を前提としています。

取締役会の決議(取締役の決定)投資契約等締結の決定
株主へ株主総会決議事項提案の決定
株主への提案書・同意書の送付株主総会を開催する場合は招集通知の発送


株主総会の決議
定款一部変更の件
募集株式発行の件
割当or総数引受契約承認
投資契約、総数引受契約等の締結申込+割当方式(会社法203、204)の場合は総数引受契約に代わり募集事項の通知、申込み、割当の通知
出資の履行払込期日or払込期間の末日までに要着金
登記申請定款一部変更、増資の効力発生から2週間以内

同一ラウンドのセカンドクローズ以降

同一のラウンドで複数回にわたって出資が行われるケースで、当該ラウンドが種類株式を用いたものである場合、最初に種類株式(A種優先株式)を設定・発行し、その後もA種優先株式を発行することがあります。

追加でA種優先株式を発行するときは、株主総会(全体)において⑴募集事項の決定(会社法第199条1項)+⑵引受人への割当て(会社法第204条1項)又は総数引受契約の承認(会社法第205条2項)を決議します。

また、種類株式の発行に関して当該株式の種類株主総会の決議を排除していない場合は、当該種類株主総会の決議も必要です(会社法第199条4項)。

そのため、同じラウンドにおいて同種の種類株式を複数回発行するときは、その度に株主総会の開催又はみなし決議(会社法第319条1項)が求められます。

なお、1株あたりの発行価格を変えてA種優先株式発行するのであれば、会社法上は可能だとしても、残余財産の優先分配額や希釈化条項等の記載から別の種類株式を設計して発行することになるでしょう。

取締役の決定のみで募集株式を発行できるようにする

株主・投資家の了承を得られるのであれば、同一ラウンドのセカンドクローズ以降の会社法上の手続きは取締役の決定のみで済ませることができるようにしておくことも考えられます(ファーストクローズの募集事項等も取締役の決定で行えるようにすることも可)。

A種優先株式の追加発行には、株主総会において⑴募集事項の決定+⑵募集株式の割当て又は総数引受契約の承認を決議が必要となるところ、これを取締役の決定のみで行えるようにします。

⑴募集事項の決定は会社法第200条1項に基づき、A種優先株式発行に関する募集事項の決定を取締役に委任することができますので、上記③の株主総会で募集事項の決定を取締役への委任する決議をします。

募集事項の決定を委任するときは、その委任に基づいて募集事項の決定をすることができる募集株式の数の上限及び払込金額の下限を定めなければなりませんので、同一ラウンドで発行する予定の数を募集株式の数の上限、払込金額の下限はA種優先株式の発行価格となるでしょうか。

当然ながら、上記③の株主総会において発行可能株式総数及びA種優先株式の発行可能種類株式総数を追加発行に耐えられるものにしておきます。

募集株式の割当て又は総数引受契約の承認

取締役会非設置会社における第三者割当による募集株式の発行につき、募集株式の割当て(会社法第204条2項)又は総数引受契約の承認(会社法第205条2項)は株主総会の決議によって行います。

株主総会の決議によって募集事項の決定を取締役に委任し(会社法第200条1項)、当該委任に基づき募集事項は取締役が決定をすることができても、募集株式の割当て又は総数引受契約の承認のために株主総会の決議が必要となります。

募集株式の割当て又は総数引受契約の承認も含め、取締役の決定で決められるようにしておくのであればその旨を定款で定めることが考えられます(会社法第204条2項ただし書き、同法第205条2項ただし書き)。

≫取締役会非設置会社において、株式や新株予約権の割当てを取締役の決定で行う方法

A種優先株式についてのみ募集株式の割当て又は総数引受契約の承認を取締役の決定で行えるよう定めておいたり、特定の日付の到来をもって自動的に当該定めが削除されるよう定めることも考えられます。

上記③株主総会の決議で募集株式の割当て又は総数引受契約の承認を取締役の決定事項とするのであれば、株主総会の後に取締役の決定で募集株式の割当て等を行うか、上記①の取締役の決定において上記③の成立を条件にあらかじめ募集株式の割当て等を決定しておくことになります。

取締役の決定と株主総会の決議

取締役の決定と株主総会の決議の内容は、ファーストクローズでは次のいずれかのパターンとなるでしょうか。

なお、ここでは総数引受契約方式を前提とし、なるべく開催数(決定数)を少なくすることを想定しています。

<セカンドクローズ以降も株主総会の決議で募集事項の決定・総数引受契約の承認を行う(オーソドックス)>

  1. 取締役の決定(株主総会の招集決定)
  2. 株主総会の決議(定款一部変更、募集事項の決定、総数引受契約の承認)
    ※定款の変更内容はA種優先株式の設定関連

<ファーストクローズの募集事項の決定・総数引受契約の承認は株主総会の決議で行い、セカンドクローズ以降は取締役の決定だけでそれらを行う>

  1. 取締役の決定(株主総会の招集決定)
  2. 株主総会の決議(定款一部変更、募集事項の決定、総数引受契約の承認、募集事項の委任)
    ※定款の変更内容はA種優先株式の設定関連+総数引受契約の承認機関を取締役に変更

<ファーストクローズの募集事項の決定・総数引受契約の承認から取締役の決定で行う>

  1. 取締役の決定(株主総会の招集決定、募集事項の条件付決定、総数引受契約の条件付承認)
  2. 株主総会の決議(定款一部変更、募集事項の委任)
    ※定款の変更内容はA種優先株式の設定関連+総数引受契約の承認機関を取締役に変更

<誰に何株付与するかは株主総会の決議で決めるようにしておく>

  1. 取締役の決定(株主総会の招集決定、募集事項の条件付決定)
  2. 株主総会の決議(定款一部変更、募集事項の委任、総数引受契約の承認)
    ※定款の変更内容はA種優先株式の設定関連

この記事の著者

司法書士
石川宗徳

代表司法書士・相続診断士 石川宗徳 [Munenori Ishikawa]

1982年4月生まれ。早稲田大学法学部卒業。
司法書士。東京司法書士会所属
(会員番号:7210、簡易裁判所代理業務認定番号:801263)

2009年から司法書士業界に入り、不動産登記に強い事務所、商業登記・会社法に強い事務所、債務整理に強い事務所でそれぞれ専門性の高い経験を積む。

2015年8月に独立開業。2016年に汐留パートナーズグループに参画し、汐留司法書士事務所所長に就任。会社法及び商業登記に精通し、これまでに多数の法人登記経験をもつ。

また不動産登記や相続関連業務にも明るく、汐留パートナーズグループのクライアントに対し法的な側面からのソリューションを提供し、数多くの業務を担当している。

RSM汐留パートナーズ司法書士法人では、
商業登記不動産登記相続手続き遺言成年後見など、
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